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第4章
117. 部屋
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夕方になるとノックも無しにモリオンが部屋に入って来る。思わずビクッと身体が強張った。
「ショウ…身体は大事ないか?」
そう言ってソファーに座る僕の隣を当たり前の様に陣取る。直ぐに密着したがる癖は治っていないようだ。
「モリオン…ノックぐらいしてよ、いきなりはビックリするから。」
常識的なことを言っただけなのに彼はムッとした顔をして「いきなり来てはいけないのか、何かやましい事でも?」と言う。
「そうじゃないけど…。ノックがあれば誰かが来たって心構えが出来るでしょう?モリオンには必要ないかもしれないけど、僕には必要なんだから次からはお願いね?」
狡い方法ではあるが彼の頰を撫でてお願いをする。彼にはこれくらいしないと了承してくれないと分かっているからだ。
「…分かった。しかし、ショウが私の執務室に来るときはノックはいらないからな。私は何もやましい事などない。それに…ショウはこれからこの部屋ではなく私の部屋で一緒に過ごしてもらうことになった。」
「えっ!そうなの?次期王妃だから?」
彼は嬉しそうに「そうだ。」と返す。
「俺の部屋は執務室と繋がっている。執務室の奥に部屋、寝室が更に奥にある。部屋には風呂やトイレ、キッチンも併設してるからいきなりショウが来ても問題無く使えるだろう。」
「あれ?でも僕の部屋の隣にモリオンの部屋もあったでしょう?あの部屋はどうなったの?」
「隣の部屋は最近まで使われていなかった。俺が第三次性徴を迎えるまでは使っていたが、それ以降は今の部屋に移動している。今の部屋に移動した際、大々的な工事を行って風呂などを併設した。それも全てショウを迎える為の準備だ。」
「えっ…じゃあ僕の為にわざわざ工事まで?」
「当たり前だ、俺はショウ以外を王妃に迎えるつもりはなかったし執務以外は側にいてもらう前提で部屋も同じにした。寝室はわざとそこまで大きくはしなかったぞ、お前が視界に入らないのは嫌だからな。」
淡々と告げる彼を見ながら「(あぁ…モリオンの愛が重い。)」と苦笑する。
「そっか…じゃあこの後、移動したらいいかな。」
「ああ、それもあって呼びに来たんだ。」
そうモリオンに促され、僕は立ち上がった。
彼は既に痛くなくなった僕の身体でも甲斐甲斐しく抱き寄せると自分の部屋に案内した。執務室は想像通り余分な物は何もなく机と椅子、資料が並べられた本棚くらい。さらに奥の部屋には彼が言った通り、簡易キッチンとテーブルと椅子、ソファー、クローゼットがあった。そして問題の寝室。寝室のベッドはキングサイズのベッドより更に一回り大きいんじゃないかという程のサイズで部屋の中心にドンッと用意されていた。背凭れ部分は辛うじて壁に面してはいるものの、それ以外に物がないだけに異様な存在感を放っている。そしてもう一つの扉はお風呂とトイレに繋がっていた。彼曰く、僕と身体を重ねた後にお風呂で洗ってあげたいからだそうだ。
まぁきっと彼に貪られるのは目に見えているから、その配慮はありがたいかな…。
なんとなく「モリオン、ありがとう。」と伝えると抱き寄せられた。
「こんなに喜んでくれるとは!」
そう言って僕の髪に頰を擦り付ける彼に笑みを返した。
「ショウ…身体は大事ないか?」
そう言ってソファーに座る僕の隣を当たり前の様に陣取る。直ぐに密着したがる癖は治っていないようだ。
「モリオン…ノックぐらいしてよ、いきなりはビックリするから。」
常識的なことを言っただけなのに彼はムッとした顔をして「いきなり来てはいけないのか、何かやましい事でも?」と言う。
「そうじゃないけど…。ノックがあれば誰かが来たって心構えが出来るでしょう?モリオンには必要ないかもしれないけど、僕には必要なんだから次からはお願いね?」
狡い方法ではあるが彼の頰を撫でてお願いをする。彼にはこれくらいしないと了承してくれないと分かっているからだ。
「…分かった。しかし、ショウが私の執務室に来るときはノックはいらないからな。私は何もやましい事などない。それに…ショウはこれからこの部屋ではなく私の部屋で一緒に過ごしてもらうことになった。」
「えっ!そうなの?次期王妃だから?」
彼は嬉しそうに「そうだ。」と返す。
「俺の部屋は執務室と繋がっている。執務室の奥に部屋、寝室が更に奥にある。部屋には風呂やトイレ、キッチンも併設してるからいきなりショウが来ても問題無く使えるだろう。」
「あれ?でも僕の部屋の隣にモリオンの部屋もあったでしょう?あの部屋はどうなったの?」
「隣の部屋は最近まで使われていなかった。俺が第三次性徴を迎えるまでは使っていたが、それ以降は今の部屋に移動している。今の部屋に移動した際、大々的な工事を行って風呂などを併設した。それも全てショウを迎える為の準備だ。」
「えっ…じゃあ僕の為にわざわざ工事まで?」
「当たり前だ、俺はショウ以外を王妃に迎えるつもりはなかったし執務以外は側にいてもらう前提で部屋も同じにした。寝室はわざとそこまで大きくはしなかったぞ、お前が視界に入らないのは嫌だからな。」
淡々と告げる彼を見ながら「(あぁ…モリオンの愛が重い。)」と苦笑する。
「そっか…じゃあこの後、移動したらいいかな。」
「ああ、それもあって呼びに来たんだ。」
そうモリオンに促され、僕は立ち上がった。
彼は既に痛くなくなった僕の身体でも甲斐甲斐しく抱き寄せると自分の部屋に案内した。執務室は想像通り余分な物は何もなく机と椅子、資料が並べられた本棚くらい。さらに奥の部屋には彼が言った通り、簡易キッチンとテーブルと椅子、ソファー、クローゼットがあった。そして問題の寝室。寝室のベッドはキングサイズのベッドより更に一回り大きいんじゃないかという程のサイズで部屋の中心にドンッと用意されていた。背凭れ部分は辛うじて壁に面してはいるものの、それ以外に物がないだけに異様な存在感を放っている。そしてもう一つの扉はお風呂とトイレに繋がっていた。彼曰く、僕と身体を重ねた後にお風呂で洗ってあげたいからだそうだ。
まぁきっと彼に貪られるのは目に見えているから、その配慮はありがたいかな…。
なんとなく「モリオン、ありがとう。」と伝えると抱き寄せられた。
「こんなに喜んでくれるとは!」
そう言って僕の髪に頰を擦り付ける彼に笑みを返した。
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