116 / 122
第4章
116. 休憩
しおりを挟む
それからラフな服に着替え、部屋で本を読んでいるとノックと共にネフライトの声が聞こえた。
「ショウ様、紅茶と菓子をお持ちしましたが食べられますか?」
そう言いながらワゴンを押してくる。
「うん!ありがとう、ちょうど休憩しようと思ってたんだ。」
ネフライトに用意をしてもらいながら椅子に腰掛け、暫く談笑していると彼が意を決したように口を開いた。
「…ショウ様、昨晩のモリオン様は無体をされませんでしたか?」
「…うん?」
あれ、なんでネフライトがそんなこと知ってるんだろう…。
「聞いてもないのにモリオン様がペラペラと喋って下さいました…さもショウ様は自分のモノなのだと知らしめるかのように…。」
そう言ってネフライトはクッと顔を歪ませる。
えぇ…モリオンそんな恥ずかしいこと言っちゃったの…?なんかネフライトに申し訳ないな…。
「なんかゴメンね…聞き苦しかったよね…?」
「…いえ、聞き苦しいと言うより羨ましいとしか…!私だってショウ様のことを抱きたいのに…!」
ネフライトの今までの心の声が耐え切れずに漏れ出している。その光景をなんとも言えない表情で見つめていると彼がフゥーと溜息を吐き、こちらに向き直った。
「ショウ様…今から私の胸の内をお伝えします。これこそお聞き苦しいかもしれませんが、最後まで聞いて頂けるとありがたいです。
…貴方のお気持ちにはもう随分と前から気付いておりました、私に気持ちが向いてないことも。そしてモリオン様と結ばれたと聞いて未来の王妃誕生に本来は祝福するべきなのですが、私も片想いが長かったものですから本音を言うと素直に喜べません。心からの賛辞をお伝えするにはもう少し時間を頂けると嬉しいです…申し訳ございません、ワガママを言って。そして今後、ショウ様はモリオン様の妻…王妃として過ごしてもらうことになりますが私は変わらず貴方の指南役として仰せつかっております。どうぞ今後とも宜しくお願いします。これからは王妃様としてどう立ち振る舞うかビシバシと教育して参りますから覚悟なさって下さいね。」
ネフライトは最後にニコッと笑うと立ち上がった。そして綺麗にお辞儀をすると部屋を退室しようとする。出る直前、あぁと思い出したかのようにこちらを振り返ると「ショウ様…不要な人物は消しておきましたのでご安心下さいね。」と意味深に笑い部屋を出て行った。
えっ…?なんか最後に変なこと言ってたんだけど…。不要な人物?誰?そんな人いたっけ?
少し考えたが結局分からなかった僕は考えることを放棄した。
「ショウ様、紅茶と菓子をお持ちしましたが食べられますか?」
そう言いながらワゴンを押してくる。
「うん!ありがとう、ちょうど休憩しようと思ってたんだ。」
ネフライトに用意をしてもらいながら椅子に腰掛け、暫く談笑していると彼が意を決したように口を開いた。
「…ショウ様、昨晩のモリオン様は無体をされませんでしたか?」
「…うん?」
あれ、なんでネフライトがそんなこと知ってるんだろう…。
「聞いてもないのにモリオン様がペラペラと喋って下さいました…さもショウ様は自分のモノなのだと知らしめるかのように…。」
そう言ってネフライトはクッと顔を歪ませる。
えぇ…モリオンそんな恥ずかしいこと言っちゃったの…?なんかネフライトに申し訳ないな…。
「なんかゴメンね…聞き苦しかったよね…?」
「…いえ、聞き苦しいと言うより羨ましいとしか…!私だってショウ様のことを抱きたいのに…!」
ネフライトの今までの心の声が耐え切れずに漏れ出している。その光景をなんとも言えない表情で見つめていると彼がフゥーと溜息を吐き、こちらに向き直った。
「ショウ様…今から私の胸の内をお伝えします。これこそお聞き苦しいかもしれませんが、最後まで聞いて頂けるとありがたいです。
…貴方のお気持ちにはもう随分と前から気付いておりました、私に気持ちが向いてないことも。そしてモリオン様と結ばれたと聞いて未来の王妃誕生に本来は祝福するべきなのですが、私も片想いが長かったものですから本音を言うと素直に喜べません。心からの賛辞をお伝えするにはもう少し時間を頂けると嬉しいです…申し訳ございません、ワガママを言って。そして今後、ショウ様はモリオン様の妻…王妃として過ごしてもらうことになりますが私は変わらず貴方の指南役として仰せつかっております。どうぞ今後とも宜しくお願いします。これからは王妃様としてどう立ち振る舞うかビシバシと教育して参りますから覚悟なさって下さいね。」
ネフライトは最後にニコッと笑うと立ち上がった。そして綺麗にお辞儀をすると部屋を退室しようとする。出る直前、あぁと思い出したかのようにこちらを振り返ると「ショウ様…不要な人物は消しておきましたのでご安心下さいね。」と意味深に笑い部屋を出て行った。
えっ…?なんか最後に変なこと言ってたんだけど…。不要な人物?誰?そんな人いたっけ?
少し考えたが結局分からなかった僕は考えることを放棄した。
22
お気に入りに追加
1,517
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
うちの冷蔵庫がダンジョンになった
空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞
ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。
そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる