109 / 122
第4章
109. 見知った人物
しおりを挟む
地下からなんとか登り切り見知った廊下に出る。
えっとコッチがモリオンの部屋だから…いや、モリオンの部屋の前には見張りが何人もいたはず…!やっぱりネフライトの部屋に…!
僕はネフライトの部屋に向かって走り出した。所々で巡回の兵に見つかりそうになったが、死角になりそうな場所を見つけて必死に近付いていく。
「はぁ…はぁ…!」
あともうちょっと…!
そう思い走り出そうとした時、背後からポンッと肩を叩かれた。ビクッと肩が上がり恐る恐る振り返るとそこには見知った顔があった。
「ッ!インペリアルさん!!!」
思わず彼に抱き着いた。以前なら絶対にしない彼の逞しい身体に額を擦り付け「あ~会いたかったぁ~!」と告げる。彼は「えっ…あっ…。」と戸惑っている様子だったが僕を無理に引き剥がそうとはしない。暫くしてやっと落ち着いた僕は彼を見上げ口を開く。
「僕、戻ってきたんだ!だからモリオンとネフライトに会わせて欲しい…!」
彼をジッと見つめ懸命に頼む。しかし彼は困った顔のまま「悪いが二人は今この地にいない。」と告げる。
「…えっ?」
彼の言葉の意味が分からず聞き返す。
「えっえっ⁉︎なんで?」
「お前を捜しているからだ。」
「えっ…?」
先程からエッとしか言っていない。
「お前が居なくなってこの100年、モリオン様やネフライト様はお前を捜して人間界に何度も足を運んでいる。モリオン様は政務がある為、定期的に帰っては来ているがネフライト様は殆ど帰ってはおられない…それだけ必死に捜しているということだ。」
「そんな…。」
二人がそこまで…。じゃあ暫くは会えない…?どうしたら会えるんだろう…彼らが帰ってくるまで待ってればいいのかな…?
僕がどうすればいいか考えているとインペリアルは眉間に皺を寄せ「…おい、まさかここで待つとか言うんじゃないだろうな?」と告げる。
「でもそれしか方法が…。」
「通信機があるだろう。」
「あっ…。」
すっかり忘れていた。1度通信を行うと半永久的に使えるとネフライトが言っていた。僕が慌てて通信をしようとすると「まぁ待て。俺がネフライト様に繋いでやる、それからお前がやればいい。俺から先にやった方が信憑性が高いだろう。」と言って止められた。
それから彼はネフライトに通信を行い僕は期待と不安が入り混じる中、その光景を見つめ続けた。
えっとコッチがモリオンの部屋だから…いや、モリオンの部屋の前には見張りが何人もいたはず…!やっぱりネフライトの部屋に…!
僕はネフライトの部屋に向かって走り出した。所々で巡回の兵に見つかりそうになったが、死角になりそうな場所を見つけて必死に近付いていく。
「はぁ…はぁ…!」
あともうちょっと…!
そう思い走り出そうとした時、背後からポンッと肩を叩かれた。ビクッと肩が上がり恐る恐る振り返るとそこには見知った顔があった。
「ッ!インペリアルさん!!!」
思わず彼に抱き着いた。以前なら絶対にしない彼の逞しい身体に額を擦り付け「あ~会いたかったぁ~!」と告げる。彼は「えっ…あっ…。」と戸惑っている様子だったが僕を無理に引き剥がそうとはしない。暫くしてやっと落ち着いた僕は彼を見上げ口を開く。
「僕、戻ってきたんだ!だからモリオンとネフライトに会わせて欲しい…!」
彼をジッと見つめ懸命に頼む。しかし彼は困った顔のまま「悪いが二人は今この地にいない。」と告げる。
「…えっ?」
彼の言葉の意味が分からず聞き返す。
「えっえっ⁉︎なんで?」
「お前を捜しているからだ。」
「えっ…?」
先程からエッとしか言っていない。
「お前が居なくなってこの100年、モリオン様やネフライト様はお前を捜して人間界に何度も足を運んでいる。モリオン様は政務がある為、定期的に帰っては来ているがネフライト様は殆ど帰ってはおられない…それだけ必死に捜しているということだ。」
「そんな…。」
二人がそこまで…。じゃあ暫くは会えない…?どうしたら会えるんだろう…彼らが帰ってくるまで待ってればいいのかな…?
僕がどうすればいいか考えているとインペリアルは眉間に皺を寄せ「…おい、まさかここで待つとか言うんじゃないだろうな?」と告げる。
「でもそれしか方法が…。」
「通信機があるだろう。」
「あっ…。」
すっかり忘れていた。1度通信を行うと半永久的に使えるとネフライトが言っていた。僕が慌てて通信をしようとすると「まぁ待て。俺がネフライト様に繋いでやる、それからお前がやればいい。俺から先にやった方が信憑性が高いだろう。」と言って止められた。
それから彼はネフライトに通信を行い僕は期待と不安が入り混じる中、その光景を見つめ続けた。
22
お気に入りに追加
1,522
あなたにおすすめの小説

男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺は勇者のお友だち
むぎごはん
BL
俺は王都の隅にある宿屋でバイトをして暮らしている。たまに訪ねてきてくれる騎士のイゼルさんに会えることが、唯一の心の支えとなっている。
2年前、突然この世界に転移してきてしまった主人公が、頑張って生きていくお話。


神官、触手育成の神託を受ける
彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。
(誤字脱字報告不要)


釣った魚、逃した魚
円玉
BL
瘴気や魔獣の発生に対応するため定期的に行われる召喚の儀で、浄化と治癒の力を持つ神子として召喚された三倉貴史。
王の寵愛を受け後宮に迎え入れられたかに見えたが、後宮入りした後は「釣った魚」状態。
王には放置され、妃達には嫌がらせを受け、使用人達にも蔑ろにされる中、何とか穏便に後宮を去ろうとするが放置していながら縛り付けようとする王。
護衛騎士マクミランと共に逃亡計画を練る。
騎士×神子 攻目線
一見、神子が腹黒そうにみえるかもだけど、実際には全く悪くないです。
どうしても文字数が多くなってしまう癖が有るので『一話2500文字以下!』を目標にした練習作として書いてきたもの。
ムーンライト様でもアップしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる