次期魔王の教育係に任命された

ミイ

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第4章

92. 通信

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「しかし、一度設定してしまえば解除しない限り一生使えます。それに生きて魔界に居れば、どんなに離れていても使えるという利点もあります。」

うん、やっぱり携帯と一緒かな?

「わかった、じゃあ今からそれを使えばいいんだね?」

「はい、使用方法は簡単です。魔力の流れを脳天に集めるようにして相手を思い浮かべます。するとその魔力に乗って言葉が相手に伝わるという仕組みです。では、今から魔王様を思い浮かべてやってみて下さい。」

「うん、わかった。」

僕はゆっくりと目を閉じ魔王様の姿を思い浮かべる。

『魔王様、魔王様。サトーです、聞こえますか?』

『おおサトーか、久しぶりだな。』

魔王様は相変わらず、驚きもせず当たり前のように会話をしてくる。

『良かった…聞こえたみたいですね、初めて使うので出来るかどうか不安だったんです。』

僕がそう言うと彼は『ハハッ、サトーは何年経っても可愛いことを言うな。』と笑った。

『…して、サトー。久しぶりの再開だが懐かしんでもおられんな、ネフライトからモリオンのことは聞いたか?』

『はい…あまり思わしくないと。』

『ああ、今のモリオンは感情のない人形のようだ。政務は積極的にやってはくれてるようだが、なんせ感情を表さないせいか部下達が戸惑っておる。このままでは良くないとは思ってはいるが其方の想いも知っておる故、どうすればいいかと思い悩んでおったのだ。それに彼奴は我やネフライトがサトーの失踪に一役噛んでいると勘付いておる。だから余計に我の言葉には耳を貸さん。』

『…ご迷惑おかけして申し訳ありません。僕もモリオンに会った方が一番良いとは思うのですが、彼の僕に対する依存をどうにかするには今、会ってしまうのは得策ではないと思うんです。』

『そうだな…では、今の我々の様に通信してみるのはどうだろうか。』

『そうですね…少しお待ち下さい。』

僕は一度通信を切るとネフライトに向き直り、聞いてみた。

「ネフライト、魔王様がモリオンと会うのはおススメしないけど通信してみたらどうかって言ってるんだけど…。」

するとネフライトは少し思案した後「それしか策がないのなら仕方ないですね…しかし、魔力探索されないように防御壁を張りましょう。通常はそういったものは使用出来ない様になっていますがモリオン様のことです、通信を利用してショウ様の居場所を確かめようとするでしょう。」と口にする。

「わかった、魔王様に伝えてみるね。」

『魔王様、ネフライトもその案に賛成の様です。でも、僕の場所がバレないようにと防御壁を張るべきだと言っています、如何ですか。』

『ああ、その方がいいだろう。我が言うのもなんだが、彼奴がショウの場所を見つけてしまうと直ぐに其方の場所に飛んでいくはずだ。今はまだマズイ、我が防御壁を張ろう。』

『ありがとうございます。では、半刻程したらモリオンに通信してみます。それまでにお願いすることは出来ますか。』

『大丈夫だ、ではまた後でな。』

通信を切りネフライトに先程の会話を説明する。
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