89 / 122
第3章
89. 門番
しおりを挟む
「お久しぶりですね。」と僕が話し掛けると「はっ…はいっっ!」と敬礼される。そんな畏まらなくてもいいのに…と微笑みかけ、名前を伺う。
「あの…今更なんですけどお名前を伺ってもいいですか?」
僕の問いに門番さんはビクッとなると目を丸くしながら「ハァッ⁉︎」と声をあげた。
やっぱり失礼だったかな…そうだよね、もう何年も居るのに名前さえ知らないなんて…。
僕が黙り込むと門番さんは「すっすみません!まさか名前を聞かれるなんて思ってもみなかったものですから…!」と告げる。
「そう…ですよね、すみません…失礼なことを言って…。」
申し訳なさでいっぱいになる。
「いえ!違います!恐れ多いと思いまして…。」
えっ、そうなの?
「わっ私は牛獣人のシトリと申します!サトー様のご帰還、大変嬉しく思います!」
そう言って彼は再び敬礼をした。確かによく見れば逞しい体格に頭に立派な角が二本、鼻が少し大きめだ。ということはもう1人の獣人も…?
「ありがとう、もう1人の門番さんはなんの獣人なの?」
「アイツは虎のアゲートといいます。私と同じくらい体格もデカイですが、心根は優しい奴なので驚かないでいて下さると嬉しいです。」
「そっか…じゃあ戻ってきたら挨拶しないとね。いつも魔王城を守って下さってありがとうごさいます。またこれからお世話になると思いますが、宜しくお願いします。」
そう言ってお辞儀をするとシトリさんに「やめてください!」と止められた。
「そんなっ…!サトー様、頭を下げる必要はありません!私共は只の門番です、サトー様の様な高貴なお方と顔を合わせるだけでも恐れ多いことなのです…!」
「えっ…そうだったんですか。でも、ご挨拶出来てなかったのは事実なので…。また宜しくお願いしますね。」
「はっ、はい!こちらこそ宜しくお願い致します!」
漸く挨拶が済んだところでネフライトが「ショウ様!」と慌てた様子で近付いてきた。後ろには虎の門番さんも付いて来ている。
「ネフライト…ただいま。」
「…お戻りになったのですね。」
彼はホッとしたような表情を浮かべ微笑んでいる。
「うん。また、お城でお世話になってもいい…?」
「勿論です!ショウ様が戻られるのを今か今かと心待ちにしておりました!どうぞ、こちらへ。お部屋を用意しております。」
僕はネフライトに促されると去り際に虎の門番であるアゲートさんにペコッと挨拶をして城内に入った。
「あの…今更なんですけどお名前を伺ってもいいですか?」
僕の問いに門番さんはビクッとなると目を丸くしながら「ハァッ⁉︎」と声をあげた。
やっぱり失礼だったかな…そうだよね、もう何年も居るのに名前さえ知らないなんて…。
僕が黙り込むと門番さんは「すっすみません!まさか名前を聞かれるなんて思ってもみなかったものですから…!」と告げる。
「そう…ですよね、すみません…失礼なことを言って…。」
申し訳なさでいっぱいになる。
「いえ!違います!恐れ多いと思いまして…。」
えっ、そうなの?
「わっ私は牛獣人のシトリと申します!サトー様のご帰還、大変嬉しく思います!」
そう言って彼は再び敬礼をした。確かによく見れば逞しい体格に頭に立派な角が二本、鼻が少し大きめだ。ということはもう1人の獣人も…?
「ありがとう、もう1人の門番さんはなんの獣人なの?」
「アイツは虎のアゲートといいます。私と同じくらい体格もデカイですが、心根は優しい奴なので驚かないでいて下さると嬉しいです。」
「そっか…じゃあ戻ってきたら挨拶しないとね。いつも魔王城を守って下さってありがとうごさいます。またこれからお世話になると思いますが、宜しくお願いします。」
そう言ってお辞儀をするとシトリさんに「やめてください!」と止められた。
「そんなっ…!サトー様、頭を下げる必要はありません!私共は只の門番です、サトー様の様な高貴なお方と顔を合わせるだけでも恐れ多いことなのです…!」
「えっ…そうだったんですか。でも、ご挨拶出来てなかったのは事実なので…。また宜しくお願いしますね。」
「はっ、はい!こちらこそ宜しくお願い致します!」
漸く挨拶が済んだところでネフライトが「ショウ様!」と慌てた様子で近付いてきた。後ろには虎の門番さんも付いて来ている。
「ネフライト…ただいま。」
「…お戻りになったのですね。」
彼はホッとしたような表情を浮かべ微笑んでいる。
「うん。また、お城でお世話になってもいい…?」
「勿論です!ショウ様が戻られるのを今か今かと心待ちにしておりました!どうぞ、こちらへ。お部屋を用意しております。」
僕はネフライトに促されると去り際に虎の門番であるアゲートさんにペコッと挨拶をして城内に入った。
12
お気に入りに追加
1,515
あなたにおすすめの小説
勇者の股間触ったらエライことになった
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。
町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。
オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。
敏感♡ナース♡凌辱物語♡♡
松井すき焼き
BL
斉藤要のもとに、姉の婚約者の西園寺清から体験型ゲームVRが送られてきた。
ゲームなんぞ興味はない要だったが、ゲームの名前は、『敏感♡ナース♡凌辱物語♡♡』と書かれていることに、要は目をとめ、やり始めることにしたのだが、ゲーム内で要の姿は少女になっていた。
頬に触れる指も頬もリアルで、ゲームないだととても思えない。ゲームの設定のせいか、異様に敏感な体になってしまった要は、ゲーム中の患者になど凌辱され輪姦されながらも、ゲームクリアを模索する。
なおこの作品は小説家になろうと、アルファポリスの二つに記載させていただいています。
帝国皇子のお婿さんになりました
クリム
BL
帝国の皇太子エリファス・ロータスとの婚姻を神殿で誓った瞬間、ハルシオン・アスターは自分の前世を思い出す。普通の日本人主婦だったことを。
そして『白い結婚』だったはずの婚姻後、皇太子の寝室に呼ばれることになり、ハルシオンはひた隠しにして来た事実に直面する。王族の姫が19歳まで独身を貫いたこと、その真実が暴かれると、出自の小王国は滅ぼされかねない。
「それなら皇太子殿下に一服盛りますかね、主様」
「そうだね、クーちゃん。ついでに血袋で寝台を汚してなんちゃって既成事実を」
「では、盛って服を乱して、血を……主様、これ……いや、まさかやる気ですか?」
「うん、クーちゃん」
「クーちゃんではありません、クー・チャンです。あ、主様、やめてください!」
これは隣国の帝国皇太子に嫁いだ小王国の『姫君』のお話。
召喚された美人サラリーマンは性欲悪魔兄弟達にイカされる
KUMA
BL
朱刃音碧(あかばねあおい)30歳。
ある有名な大人の玩具の開発部門で、働くサラリーマン。
ある日暇をモテ余す悪魔達に、逆召喚され混乱する余裕もなく悪魔達にセックスされる。
性欲悪魔(8人攻め)×人間
エロいリーマンに悪魔達は釘付け…『お前は俺達のもの。』
おっさん家政夫は自警団独身寮で溺愛される
月歌(ツキウタ)
BL
妻に浮気された上、離婚宣告されたおっさんの話。ショックか何かで、異世界に転移してた。異世界の自警団で、家政夫を始めたおっさんが、色々溺愛される話。
☆表紙絵
AIピカソとAIイラストメーカーで作成しました。
「陛下を誑かしたのはこの身体か!」って言われてエッチなポーズを沢山とらされました。もうお婿にいけないから責任を取って下さい!
うずみどり
BL
突発的に異世界転移をした男子高校生がバスローブ姿で縛られて近衛隊長にあちこち弄られていいようにされちゃう話です。
ほぼ全編エロで言葉責め。
無理矢理だけど痛くはないです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる