75 / 122
第3章
75. 堪能
しおりを挟む
何かのイベントかな?人が集まってる…。
アクアと共に人集りに近付いていくと舞台が設置されており、その上にダンサーと思われる男女が集まっていた。アクアとジッと見つめていると音楽が流れだしダンサー達がその曲に合わせて踊り始める。
社交ダンスかな?
暫く彼等の華麗なステップに見惚れていると、ふと観客の中で不審な動きをする人物を見つけた。
あれ…なんでダンスを見ずに人の間をすり抜けてるんだろ…?
それを見つめているとパッと目が合う。彼は驚きに目を見開くとサッと身を翻した。その後、群衆から「財布がない!」と叫ぶ光景を目の当たりにし、あの子がスリだったんだ、と理解した。
「凄かったね~!皆、クルクル回ってた!」
アクアは初めてダンスというものを見たのか興奮しながら感想を伝えてくる。それを微笑ましく思いながら僕は先程の光景を思い出していた。
あんな小さな少年がスリをするなんて…この街は一見平和そうだけど、やっぱり裏社会っていうのがあるのかな…。
僕の耳には裏事情や汚い仕事などそういう情報が一切入ってこない。きっと魔王城に情報が来る前にネフライトが処理してるのだろう。
せっかくチートで転生させてもらったんだから、どうにか僕も役に立ちたい…。
そう思ったところである事を思い付く。
「アクア、パパにお土産買うついでにちょっと出掛けてもいい?」
「うん!ママ、大丈夫?」
「うん、多分…?」
僕はアクアと一緒にインカさんへのお土産を購入した。アクアから「洋服屋さんに行きたい!」という希望があったので連れて行くと強請られたのは全員お揃いのパジャマだった。
「えっ…これが欲しいの?」
その柄は薄い黄色の生地に胸に大きなライオンの絵がプリントされているものだった。辛うじてそのライオンはリアルなものではなく可愛いキャラクターのような絵柄だったが。
「うん!パパはお仕事で服は汚しちゃうからコレだったら汚れないでしょ?それにパパとママだけがお揃いなのは嫌だから僕もお揃い!」
そう言ってニコニコとパジャマを掲げるアクアにダメとは言えず、結局購入してしまった。
それからいよいよ僕の計画の番だ。しかし今になってアクアを連れていくか迷う。
多分、僕の魔力でアクアには指一本触れることは出来ないけどアクアを危険な目には合わせたくないんだよね…。誰か預かってくれないかな…?
そんなことを思っていると僕の願いが通じたのか運良く知り合いに出会う。
「あっ、アクア~!ショウさーん!」
向こうから手を振ってくるのは近所にお住まいの狐の獣人親子だ。
アクアと共に人集りに近付いていくと舞台が設置されており、その上にダンサーと思われる男女が集まっていた。アクアとジッと見つめていると音楽が流れだしダンサー達がその曲に合わせて踊り始める。
社交ダンスかな?
暫く彼等の華麗なステップに見惚れていると、ふと観客の中で不審な動きをする人物を見つけた。
あれ…なんでダンスを見ずに人の間をすり抜けてるんだろ…?
それを見つめているとパッと目が合う。彼は驚きに目を見開くとサッと身を翻した。その後、群衆から「財布がない!」と叫ぶ光景を目の当たりにし、あの子がスリだったんだ、と理解した。
「凄かったね~!皆、クルクル回ってた!」
アクアは初めてダンスというものを見たのか興奮しながら感想を伝えてくる。それを微笑ましく思いながら僕は先程の光景を思い出していた。
あんな小さな少年がスリをするなんて…この街は一見平和そうだけど、やっぱり裏社会っていうのがあるのかな…。
僕の耳には裏事情や汚い仕事などそういう情報が一切入ってこない。きっと魔王城に情報が来る前にネフライトが処理してるのだろう。
せっかくチートで転生させてもらったんだから、どうにか僕も役に立ちたい…。
そう思ったところである事を思い付く。
「アクア、パパにお土産買うついでにちょっと出掛けてもいい?」
「うん!ママ、大丈夫?」
「うん、多分…?」
僕はアクアと一緒にインカさんへのお土産を購入した。アクアから「洋服屋さんに行きたい!」という希望があったので連れて行くと強請られたのは全員お揃いのパジャマだった。
「えっ…これが欲しいの?」
その柄は薄い黄色の生地に胸に大きなライオンの絵がプリントされているものだった。辛うじてそのライオンはリアルなものではなく可愛いキャラクターのような絵柄だったが。
「うん!パパはお仕事で服は汚しちゃうからコレだったら汚れないでしょ?それにパパとママだけがお揃いなのは嫌だから僕もお揃い!」
そう言ってニコニコとパジャマを掲げるアクアにダメとは言えず、結局購入してしまった。
それからいよいよ僕の計画の番だ。しかし今になってアクアを連れていくか迷う。
多分、僕の魔力でアクアには指一本触れることは出来ないけどアクアを危険な目には合わせたくないんだよね…。誰か預かってくれないかな…?
そんなことを思っていると僕の願いが通じたのか運良く知り合いに出会う。
「あっ、アクア~!ショウさーん!」
向こうから手を振ってくるのは近所にお住まいの狐の獣人親子だ。
12
お気に入りに追加
1,522
あなたにおすすめの小説
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヒロイン不在の異世界ハーレム
藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。
神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。
飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。
ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる