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第3章
71. 離別
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「なっ何をなさるおつもりですか…?」
ネフライトはゴクッと生唾を飲むとこちらをジッと見つめる。
僕は数年前から考えていた自分の想いを言葉にした。話し始めるにつれて彼の表情はどんどんと硬くなっていく、そして言い終わる頃には哀しそうな表情を隠そうともせず「私は反対です。」と告げる。
「でも…!このままだったらモリオンが全然成長できない…!」
それでも彼は首を縦には振ろうとしなかった。
そこで僕は魔王様に相談してみようと持ち掛ける。すると彼は「魔王様が了承するのであれば。」と渋々といった表情で首を縦に振った。
そして彼と共に魔王様の部屋に行き、事の経緯を説明すると魔王様は二つ返事で「それは面白い、サトーの好きにしたらいい。」と了承してくれた。やった!と思いネフライトと見ると彼は苦渋の表情を見せていた。
決行当日、僕は魔王様とネフライトに挨拶をしに部屋へと訪れる。
「魔王様、色々大変かと思いますが後は宜しくお願い致します。きっと…モリオンは…。」
「ああ、言わずとも分かっている。彼奴にはもっと次期魔王としての自覚を持ってもらわなければな。それまで我も生き延びる努力をしよう。」
「ネフライト、魔王様のこと、モリオンのこと宜しくお願いします。」
「はい…ショウ様と離れるのは忍びないですが仕方ありません…お気をつけて。」
そう言って2人に見送られ僕は魔王城を後にした。
僕がとった行動…それは単純に"モリオンと離れる"ことだった。
僕が側にいることで彼が依存してしまうなら僕が消えることで次期魔王としての自覚を持ってもらいたかった。ただ、神様との約束もある、だから完全に離れるわけではなく一定の期間だけ魔王城を離れ、時期をみてまた魔王城に戻ってくる。そして僕の存在は伏せたまま彼を見守る為に側で働くのだ。
僕としてもモリオンが暫く使い物にならなくなることは予想している。それは魔王様もネフライトも了承済みだ。それを承知でこんな荒療治な行動に移したのだ。
そしてモリオンにはお別れの手紙を残している。
突然居なくなることを許して欲しい、初めは辛いかもしれないが次期魔王として自覚を持ち、しっかりとやってほしいという旨を書き記している。荒療治なのは十分分かっているが、今のモリオンには必要なことだと目を瞑った。
モリオンごめん…。
ネフライトはゴクッと生唾を飲むとこちらをジッと見つめる。
僕は数年前から考えていた自分の想いを言葉にした。話し始めるにつれて彼の表情はどんどんと硬くなっていく、そして言い終わる頃には哀しそうな表情を隠そうともせず「私は反対です。」と告げる。
「でも…!このままだったらモリオンが全然成長できない…!」
それでも彼は首を縦には振ろうとしなかった。
そこで僕は魔王様に相談してみようと持ち掛ける。すると彼は「魔王様が了承するのであれば。」と渋々といった表情で首を縦に振った。
そして彼と共に魔王様の部屋に行き、事の経緯を説明すると魔王様は二つ返事で「それは面白い、サトーの好きにしたらいい。」と了承してくれた。やった!と思いネフライトと見ると彼は苦渋の表情を見せていた。
決行当日、僕は魔王様とネフライトに挨拶をしに部屋へと訪れる。
「魔王様、色々大変かと思いますが後は宜しくお願い致します。きっと…モリオンは…。」
「ああ、言わずとも分かっている。彼奴にはもっと次期魔王としての自覚を持ってもらわなければな。それまで我も生き延びる努力をしよう。」
「ネフライト、魔王様のこと、モリオンのこと宜しくお願いします。」
「はい…ショウ様と離れるのは忍びないですが仕方ありません…お気をつけて。」
そう言って2人に見送られ僕は魔王城を後にした。
僕がとった行動…それは単純に"モリオンと離れる"ことだった。
僕が側にいることで彼が依存してしまうなら僕が消えることで次期魔王としての自覚を持ってもらいたかった。ただ、神様との約束もある、だから完全に離れるわけではなく一定の期間だけ魔王城を離れ、時期をみてまた魔王城に戻ってくる。そして僕の存在は伏せたまま彼を見守る為に側で働くのだ。
僕としてもモリオンが暫く使い物にならなくなることは予想している。それは魔王様もネフライトも了承済みだ。それを承知でこんな荒療治な行動に移したのだ。
そしてモリオンにはお別れの手紙を残している。
突然居なくなることを許して欲しい、初めは辛いかもしれないが次期魔王として自覚を持ち、しっかりとやってほしいという旨を書き記している。荒療治なのは十分分かっているが、今のモリオンには必要なことだと目を瞑った。
モリオンごめん…。
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