次期魔王の教育係に任命された

ミイ

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第3章

69. 責問

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「モッ…モリオン、落ち着いて。」

「前々から思ってたんだけどショウは隙がありすぎると思う。だから色んな人に言い寄られるんだよ。嫌なら嫌ってハッキリ言わないと相手にも失礼なこと分かってる?」

モリオンに責められながら何故僕が…と思いつつ生唾を飲む。確かに彼の言うことも最もだが、僕だってキチンと言う時は言っている。グロッシュラーの時なんかはハッキリ付き合えないと答えたのだ。

「いや、あの僕だって嫌な時は嫌だって言ってるよ!それにこんな僕に言い寄る物好きなんてグロッシュラーだけだし…。」

「えっ…ショウ、それ本気で言ってるの?」

「…うっ…うん。」

僕がそう答えるとモリオンはガクッと項垂れ、僕の肩をガッと掴んだ。

「いい?ショウ…ショウのことを狙っているのはグロッシュラーだけじゃない。他にも…いるんだ。誰とは俺の口からは言えないけど、確実にいる。だから常日頃から気を抜かないで。俺はそれだけが心配だよ…。」

真剣に見つめてくる彼に僕の理解は追いつかなかったが、今は頷くしかない。

「…分かってくれたみたいで良かった…。俺の前では気を抜いていいけど他の誰かといる時は気を抜いちゃダメだよ、それが父様やネフライトであっても。」

「えっ…魔王様やネフライトの前でもダメなの…?」

「それが一番厄介だから!」

「うっうん…分かった…。でもモリオン、魔王様はともかくネフライトから好きだとかいう告白めいたことは言われたことないよ?」

「でも、側にいたいとか一緒に過ごしたいとかは言われたことあるでしょ?」

うっ…図星だ…。あれって告白だったの…?

「…いっ言われたけど…。でもそれはモリオンのことで相談にのってもらったりしただけだし…。」

僕がたどたどしく言い訳を言うと彼はハァ~と溜息を吐く。

「…わかった。ショウの悩みの種が俺ならそうならない様に努力する。その日一日あったことや誰と会って何を喋ったとか全てショウに報告するよ。そしたら俺のことで悩まないでしょ?」

「えっいや、そうだけど…そんなこと毎日やってたら面倒じゃない?」

「何言ってるの、ほとんど毎日そんな感じで話してたでしょ?それが義務として話す様になるだけだよ。だから必要以上に父様やネフライトに近付かないで。」

正直、気は進まなかったが断れる雰囲気ではない為、僕は小さな声で「…うん。」と答えた。

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