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第3章
63. 第二次性徴
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モリオンと仲違いをし、紆余曲折あって仲直りをしてから5年近くの月日が経った。
そろそろ次の"あの日"が近づいてきたのである。
「…オン、モリオン!起きて!」
「ぅうん…眠い…。」
最近、モリオンがいつも通り起きてくれない。何度起こしても身体を怠そうにボーっとしているのだ。そうなると日常生活もままならなくなり、今はほとんどベッドの住人と化している。
モリオンがこうなって1週間。その変化にいち早く気付いたのはネフライトだった。彼によるとモリオンの第二次性徴が近いせいでこうなったのだという。
「モリオン様の第一次性徴の時も眠り続けていましたから。」
確かにそうだった。
ネフライトの言葉に5年前の第一次性徴の時を思い出す。あの時はタイミング悪く居眠りをしてしまいモリオンの性徴に立ち会えなかったが、今回はその性徴を目の前で観察したい。
そもそもこの世界…というか魔界では途方もない月日を魔族達は生きる為、年齢というのはおおよそでしかない。僕は元々人間なので日数というものが多少なりとも気になってしまい、ここにはないカレンダーを自分で作ってざっくりと日数を数えていた。
しかし、この世界に来て10年。もうそろそろそういう行為も飽きてきた。というのも僕の見た目もそうだし、モリオンも性徴期が来ないと見た目が変わらないので日数を数えるのがバカバカしく思えてきたからだ。やっと今回のモリオンの第二次性徴で「もう10年か…。」と思ったくらい。
「ショウ様、もうそろそろだと思われます。」
「そっか…。」
いよいよモリオンが呼び掛けても起きなくなった頃、ネフライトがモリオンを抱き上げ生命の樹木のところに連れて来た。彼が生命の樹木の前に立ち、根の辺りにモリオンを寝かせると生命の樹木が光り、モリオンを吸収する。念の為、幹に耳を傾けると心拍の音がした。
良かった…寝てるだけみたい…。
そっと離れ、近くに腰掛ける。
「ショウ様、このままココに居続けるのですか?」
「うん…。」
モリオンが完全に眠りにつく前に言われた言葉が蘇る。
「ショウ…僕がどんな風に性徴しても僕は僕だよ。嫌いにならないでね。」
そんな泣きそう顔で言ってくる相手に僕は「当たり前だよ!」と答えた。
そろそろ次の"あの日"が近づいてきたのである。
「…オン、モリオン!起きて!」
「ぅうん…眠い…。」
最近、モリオンがいつも通り起きてくれない。何度起こしても身体を怠そうにボーっとしているのだ。そうなると日常生活もままならなくなり、今はほとんどベッドの住人と化している。
モリオンがこうなって1週間。その変化にいち早く気付いたのはネフライトだった。彼によるとモリオンの第二次性徴が近いせいでこうなったのだという。
「モリオン様の第一次性徴の時も眠り続けていましたから。」
確かにそうだった。
ネフライトの言葉に5年前の第一次性徴の時を思い出す。あの時はタイミング悪く居眠りをしてしまいモリオンの性徴に立ち会えなかったが、今回はその性徴を目の前で観察したい。
そもそもこの世界…というか魔界では途方もない月日を魔族達は生きる為、年齢というのはおおよそでしかない。僕は元々人間なので日数というものが多少なりとも気になってしまい、ここにはないカレンダーを自分で作ってざっくりと日数を数えていた。
しかし、この世界に来て10年。もうそろそろそういう行為も飽きてきた。というのも僕の見た目もそうだし、モリオンも性徴期が来ないと見た目が変わらないので日数を数えるのがバカバカしく思えてきたからだ。やっと今回のモリオンの第二次性徴で「もう10年か…。」と思ったくらい。
「ショウ様、もうそろそろだと思われます。」
「そっか…。」
いよいよモリオンが呼び掛けても起きなくなった頃、ネフライトがモリオンを抱き上げ生命の樹木のところに連れて来た。彼が生命の樹木の前に立ち、根の辺りにモリオンを寝かせると生命の樹木が光り、モリオンを吸収する。念の為、幹に耳を傾けると心拍の音がした。
良かった…寝てるだけみたい…。
そっと離れ、近くに腰掛ける。
「ショウ様、このままココに居続けるのですか?」
「うん…。」
モリオンが完全に眠りにつく前に言われた言葉が蘇る。
「ショウ…僕がどんな風に性徴しても僕は僕だよ。嫌いにならないでね。」
そんな泣きそう顔で言ってくる相手に僕は「当たり前だよ!」と答えた。
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