56 / 122
第2章
56. 捜索
しおりを挟む
「んんっ…ア…クア?」
寝起きの擦れた声を上げながらインカさんが目を覚ました。僕はそんな顔を見つめながら「(やっぱりイケメンは寝起きもセクシーなんだな。)」とぼんやりと思う。そして寝惚け眼の彼と目が合うと彼は抱き締めていた腕に力を込め、そのまま僕をグッと引き寄せるとあっという間に口付ける。
「んっ…あっ!」
ちゅ…れろ…じゅ…
インカさんは朝には不向きな口付けを僕に施すとゆっくりと離し「おはよう、ショウ…。」と微笑んだ。
「おっ…おはよう…ございます…。」
まるで恋人同士のような扱いに思わず顔を赤くするとインカさんに頰を撫でられる。そしてスルリと頰の感触を確かめるとおもむろに身体を起こし始めた。
「…今日帰る約束だったな。名残惜しいが準備をしようか…。」
そう言ったインカさんは淋しそうに立ち上がる。
その後3人で朝食を食べ、もうそろそろ…と立ち上がったその時、ザワザワと外が騒がしいことに気付いた。
「インカー!起きてるか⁉︎外に出て来てくれ!」
大声でインカさんを呼ぶ声が聞こえる。インカさんが何事かと急いで外に出ると、そこには村長であるロードさんが立っていた。
「どうかされたんですか?」
インカさんの問いにロードさんは始めに会った余裕そうな表情から一変し焦りを浮かべている。
「それが…魔王様の使いという方がこの村に来ておる。それもショウのことを捜しているそうだ。」
その会話が聞こえ、驚いて立ち上がる。
「あの!今、僕の名前が聞こえたのですが…!」
ヤバイッ!誰かが捜しに来たのかも!
「ああ、聞こえておったか。使いの方は酷く切羽詰まった様子だ。さぁ、こちらへ来てくれ。」
僕はロードさんに促されるまま、その後ろに着いて行く。その時の僕は気が気ではなかった、何故なら誰が来るかによって僕の運命は大きく変わってくるからだ。
だっ誰が来たんだろう…せめてネフライトであってほしい…!!!こんなところにインペリアルさんが来たらまた何言われるか…。
そんな不安な気持ちを抱えたまま村長の家に辿り着く。すると家の前で村人に詰め寄る誰かの後ろ姿が…。
あぁ!あれはネフライトだ!
ホッと安心したのも束の間、珍しくネフライトが声を荒げている。
「貴様達がショウ様を匿っているんだろう⁉︎ここにいるのは分かっている、大人しくショウ様を出せ!さもなくば、この村を焼き払ってやる!」
今まで見た事のないネフライトの剣幕にビビってしまったが僕のせいでこの村が焼き払われては困る。恐る恐る背後から「ネフライト。」と声を掛けると顰めっ面の彼と目が合う。その瞬間、顔に喜色を浮かべた彼に抱き締められた。
「ショウ様!」
寝起きの擦れた声を上げながらインカさんが目を覚ました。僕はそんな顔を見つめながら「(やっぱりイケメンは寝起きもセクシーなんだな。)」とぼんやりと思う。そして寝惚け眼の彼と目が合うと彼は抱き締めていた腕に力を込め、そのまま僕をグッと引き寄せるとあっという間に口付ける。
「んっ…あっ!」
ちゅ…れろ…じゅ…
インカさんは朝には不向きな口付けを僕に施すとゆっくりと離し「おはよう、ショウ…。」と微笑んだ。
「おっ…おはよう…ございます…。」
まるで恋人同士のような扱いに思わず顔を赤くするとインカさんに頰を撫でられる。そしてスルリと頰の感触を確かめるとおもむろに身体を起こし始めた。
「…今日帰る約束だったな。名残惜しいが準備をしようか…。」
そう言ったインカさんは淋しそうに立ち上がる。
その後3人で朝食を食べ、もうそろそろ…と立ち上がったその時、ザワザワと外が騒がしいことに気付いた。
「インカー!起きてるか⁉︎外に出て来てくれ!」
大声でインカさんを呼ぶ声が聞こえる。インカさんが何事かと急いで外に出ると、そこには村長であるロードさんが立っていた。
「どうかされたんですか?」
インカさんの問いにロードさんは始めに会った余裕そうな表情から一変し焦りを浮かべている。
「それが…魔王様の使いという方がこの村に来ておる。それもショウのことを捜しているそうだ。」
その会話が聞こえ、驚いて立ち上がる。
「あの!今、僕の名前が聞こえたのですが…!」
ヤバイッ!誰かが捜しに来たのかも!
「ああ、聞こえておったか。使いの方は酷く切羽詰まった様子だ。さぁ、こちらへ来てくれ。」
僕はロードさんに促されるまま、その後ろに着いて行く。その時の僕は気が気ではなかった、何故なら誰が来るかによって僕の運命は大きく変わってくるからだ。
だっ誰が来たんだろう…せめてネフライトであってほしい…!!!こんなところにインペリアルさんが来たらまた何言われるか…。
そんな不安な気持ちを抱えたまま村長の家に辿り着く。すると家の前で村人に詰め寄る誰かの後ろ姿が…。
あぁ!あれはネフライトだ!
ホッと安心したのも束の間、珍しくネフライトが声を荒げている。
「貴様達がショウ様を匿っているんだろう⁉︎ここにいるのは分かっている、大人しくショウ様を出せ!さもなくば、この村を焼き払ってやる!」
今まで見た事のないネフライトの剣幕にビビってしまったが僕のせいでこの村が焼き払われては困る。恐る恐る背後から「ネフライト。」と声を掛けると顰めっ面の彼と目が合う。その瞬間、顔に喜色を浮かべた彼に抱き締められた。
「ショウ様!」
12
お気に入りに追加
1,522
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。
かとらり。
BL
セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。
オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。
それは……重度の被虐趣味だ。
虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。
だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?
そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。
ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…

平民男子と騎士団長の行く末
きわ
BL
平民のエリオットは貴族で騎士団長でもあるジェラルドと体だけの関係を持っていた。
ある日ジェラルドの見合い話を聞き、彼のためにも離れたほうがいいと決意する。
好きだという気持ちを隠したまま。
過去の出来事から貴族などの権力者が実は嫌いなエリオットと、エリオットのことが好きすぎて表からでは分からないように手を回す隠れ執着ジェラルドのお話です。
第十一回BL大賞参加作品です。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

釣った魚、逃した魚
円玉
BL
瘴気や魔獣の発生に対応するため定期的に行われる召喚の儀で、浄化と治癒の力を持つ神子として召喚された三倉貴史。
王の寵愛を受け後宮に迎え入れられたかに見えたが、後宮入りした後は「釣った魚」状態。
王には放置され、妃達には嫌がらせを受け、使用人達にも蔑ろにされる中、何とか穏便に後宮を去ろうとするが放置していながら縛り付けようとする王。
護衛騎士マクミランと共に逃亡計画を練る。
騎士×神子 攻目線
一見、神子が腹黒そうにみえるかもだけど、実際には全く悪くないです。
どうしても文字数が多くなってしまう癖が有るので『一話2500文字以下!』を目標にした練習作として書いてきたもの。
ムーンライト様でもアップしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる