49 / 122
第2章
49. 初対面
しおりを挟む
「エェーッ!」
ねっ…ねこ⁉︎コレ、ねこ⁉︎体長が3mくらいある…!熊じゃ…⁉︎
僕がその大きさに慄き固まっていると足元の仔猫が「ニャー。」と言いながらその猫?の足元に擦り付いた。
「あっ…ちょっ…えっ…!」
だっ…大丈夫なのか⁉︎いきなり襲われたりしないよね⁉︎
猫と仔猫を交互に見ると、親猫が仔猫の頭に自分の鼻を擦り付け戯れ合いを始める。
あぁ…良かった…ちゃんと親猫だった…。
ホッとして攻撃体勢を止めるとその場に深く座り込む。
そして暫くすると戯れていた仔猫と親猫がこちらを向き親猫と目が合った。とその時、親猫の身体がどんどんと縮んでいき人型に変化する。
…獣人だっ!!!
初めて見る獣人に興奮していると「子が世話になった。」と耳に心地良い声が響く。目の前の彼が発した言葉らしい。
「あっいえ…僕の方がお世話になったんです。ここまで案内してもらいました。」
「そうか…子が迷惑をかけたんじゃないか?」
「いいえ、大丈夫です。そんなことないですから。」と返すと再び彼はそうか、と告げる。その時、仔猫が「ニャー。」と寂しそうに鳴いた。
「あぁ…すまない。この子は私の息子アクア、私は親のインカだ。君は…?」
「僕はショウ・サトーです。」
「…ショウ、礼を言う。アクアがいなくなって心配していた。この子はまだ人に変化が出来ず喋れもしない。魔力もそう高くないから魔物に襲われたらひとたまりもなかっただろう。」
そう哀しそうにアクアの頭を撫でている彼を見て先程のことを思い出した。
「あっ!あの、さっき息子さんと会った時に足に怪我をしてたのでもしかしたら何かに襲われたのかもしれません…!ですが、魔法を使って治癒したので大丈夫だと思います…。」
「…!何もかもすまない。アクア、もう大丈夫か。」
そう言ってインカさんがアクアの足を確認する。その姿は子を心配する親そのもので微笑ましく思う。アクアは「ニャー。」と鳴き、インカさんはそれに「そうか。」と返事をする。しかし彼の顔は晴れないままだ。
どうかしたのかと見つめていると彼の口から「しかし…まだ血の匂いがするようだが…。」と告げられる。そして鼻をひくつかせながら匂いの根源を探すとこちらを見つめ「サトー…君から香るぞ。」とさらに告げた。
「えっ?」
なんでだろう?そんな怪我なんて…あっ!
「そういえばさっき息子さんに会った時に警戒されて…。」
そう言いながら腕を持ち上げるとインカさんは僕の腕を掴みアクアに引っ掻かれた痕を見た。そして徐ろにそこを舐める。
「えっ!いや、あの大丈夫ですから!」
僕は恥ずかしさからバッと腕を振り払い、後ろに隠す。
「あぁ、すまない。息子にやるようにしてしまった。」
「いっいえ、僕も振り払ってすみません…。」
インカさんとの間に変な空気が流れ出した時、再びアクアが「ニャー。」と鳴いた。
ねっ…ねこ⁉︎コレ、ねこ⁉︎体長が3mくらいある…!熊じゃ…⁉︎
僕がその大きさに慄き固まっていると足元の仔猫が「ニャー。」と言いながらその猫?の足元に擦り付いた。
「あっ…ちょっ…えっ…!」
だっ…大丈夫なのか⁉︎いきなり襲われたりしないよね⁉︎
猫と仔猫を交互に見ると、親猫が仔猫の頭に自分の鼻を擦り付け戯れ合いを始める。
あぁ…良かった…ちゃんと親猫だった…。
ホッとして攻撃体勢を止めるとその場に深く座り込む。
そして暫くすると戯れていた仔猫と親猫がこちらを向き親猫と目が合った。とその時、親猫の身体がどんどんと縮んでいき人型に変化する。
…獣人だっ!!!
初めて見る獣人に興奮していると「子が世話になった。」と耳に心地良い声が響く。目の前の彼が発した言葉らしい。
「あっいえ…僕の方がお世話になったんです。ここまで案内してもらいました。」
「そうか…子が迷惑をかけたんじゃないか?」
「いいえ、大丈夫です。そんなことないですから。」と返すと再び彼はそうか、と告げる。その時、仔猫が「ニャー。」と寂しそうに鳴いた。
「あぁ…すまない。この子は私の息子アクア、私は親のインカだ。君は…?」
「僕はショウ・サトーです。」
「…ショウ、礼を言う。アクアがいなくなって心配していた。この子はまだ人に変化が出来ず喋れもしない。魔力もそう高くないから魔物に襲われたらひとたまりもなかっただろう。」
そう哀しそうにアクアの頭を撫でている彼を見て先程のことを思い出した。
「あっ!あの、さっき息子さんと会った時に足に怪我をしてたのでもしかしたら何かに襲われたのかもしれません…!ですが、魔法を使って治癒したので大丈夫だと思います…。」
「…!何もかもすまない。アクア、もう大丈夫か。」
そう言ってインカさんがアクアの足を確認する。その姿は子を心配する親そのもので微笑ましく思う。アクアは「ニャー。」と鳴き、インカさんはそれに「そうか。」と返事をする。しかし彼の顔は晴れないままだ。
どうかしたのかと見つめていると彼の口から「しかし…まだ血の匂いがするようだが…。」と告げられる。そして鼻をひくつかせながら匂いの根源を探すとこちらを見つめ「サトー…君から香るぞ。」とさらに告げた。
「えっ?」
なんでだろう?そんな怪我なんて…あっ!
「そういえばさっき息子さんに会った時に警戒されて…。」
そう言いながら腕を持ち上げるとインカさんは僕の腕を掴みアクアに引っ掻かれた痕を見た。そして徐ろにそこを舐める。
「えっ!いや、あの大丈夫ですから!」
僕は恥ずかしさからバッと腕を振り払い、後ろに隠す。
「あぁ、すまない。息子にやるようにしてしまった。」
「いっいえ、僕も振り払ってすみません…。」
インカさんとの間に変な空気が流れ出した時、再びアクアが「ニャー。」と鳴いた。
12
お気に入りに追加
1,516
あなたにおすすめの小説
お前らの相手は俺じゃない!
くろさき
BL
大学2年生の鳳 京谷(おおとり きょうや)は、母・父・妹・自分の4人家族の長男。
しかし…ある日子供を庇ってトラック事故で死んでしまう……
暫くして目が覚めると、どうやら自分は赤ん坊で…妹が愛してやまない乙女ゲーム(🌹永遠の愛をキスで誓う)の世界に転生していた!?
※R18展開は『お前らの相手は俺じゃない!』と言う章からになっております。
【完結】目が覚めたら縛られてる(しかも異世界)
サイ
BL
目が覚めたら、裸で見知らぬベッドの上に縛られていた。しかもそのまま見知らぬ美形に・・・!
右も左もわからない俺に、やることやったその美形は遠慮がちに世話を焼いてくる。と思ったら、周りの反応もおかしい。ちょっとうっとうしいくらい世話を焼かれ、甘やかされて。
そんなある男の異世界での話。
本編完結しました
よろしくお願いします。
姫を拐ったはずが勇者を拐ってしまった魔王
ミクリ21
BL
姫が拐われた!
……と思って慌てた皆は、姫が無事なのをみて安心する。
しかし、魔王は確かに誰かを拐っていった。
誰が拐われたのかを調べる皆。
一方魔王は?
「姫じゃなくて勇者なんだが」
「え?」
姫を拐ったはずが、勇者を拐ったのだった!?
【完結R18】異世界転生で若いイケメンになった元おじさんは、辺境の若い領主様に溺愛される
八神紫音
BL
36歳にして引きこもりのニートの俺。
恋愛経験なんて一度もないが、恋愛小説にハマっていた。
最近のブームはBL小説。
ひょんな事故で死んだと思ったら、異世界に転生していた。
しかも身体はピチピチの10代。顔はアイドル顔の可愛い系。
転生後くらい真面目に働くか。
そしてその町の領主様の邸宅で住み込みで働くことに。
そんな領主様に溺愛される訳で……。
※エールありがとうございます!
愛され副団長の愛欲性活
彩月野生
BL
マウウェル国の騎士団、副団長であるヴァレオは、自国の王と騎士団長、オーガの王に求婚されてしまう。
誰も選べないと話すも納得されず、3人が結託し、誰も選ばなくていい皆の嫁になれと迫られて渋々受け入れてしまう。
主人公 28歳
副団長
ヴァレオ
柔らかな栗毛に黒の目
騎士団長を支え、王を敬愛している。
真面目で騎士である事に誇りをもっているため、性には疎い。
騎士団長 35歳
エグバート
長い赤褐色の髪に緑の目。
豪快なセックスで言葉責め。
数多の男女を抱いてきたが、ヴァレオに夢中になる。
マウウェル国の王 43歳
アラスタス
長い金髪に青の目。紳士的だがねちっこいセックスで感想を言わせる。
妻がいるが、愛人を作ったため追い出した。
子供がおらずヴァレオに産ませようと目論む。
イール
オーガの若い王だが一番の巨漢。180歳
朱色の肌に黒髪。シャイで優しいが、甘えたがりで乳首を執拗に吸う。
(誤字脱字報告不要)
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
転生したらBLゲーの負け犬ライバルでしたが現代社会に疲れ果てた陰キャオタクの俺はこの際男相手でもいいからとにかくチヤホヤされたいっ!
スイセイ
BL
夜勤バイト明けに倒れ込んだベッドの上で、スマホ片手に過労死した俺こと煤ヶ谷鍮太郎は、気がつけばきらびやかな七人の騎士サマたちが居並ぶ広間で立ちすくんでいた。
どうやらここは、死ぬ直前にコラボ報酬目当てでダウンロードしたBL恋愛ソーシャルゲーム『宝石の騎士と七つの耀燈(ランプ)』の世界のようだ。俺の立ち位置はどうやら主人公に対する悪役ライバル、しかも不人気ゆえ途中でフェードアウトするキャラらしい。
だが、俺は知ってしまった。最初のチュートリアルバトルにて、イケメンに守られチヤホヤされて、優しい言葉をかけてもらえる喜びを。
こんなやさしい世界を目の前にして、前世みたいに隅っこで丸まってるだけのダンゴムシとして生きてくなんてできっこない。過去の陰縁焼き捨てて、コンプラ無視のキラキラ王子を傍らに、同じく転生者の廃課金主人公とバチバチしつつ、俺は俺だけが全力でチヤホヤされる世界を目指す!
※頭の悪いギャグ・ソシャゲあるあると・メタネタ多めです。
※逆ハー要素もありますがカップリングは固定です。
※R18は最後にあります。
※愛され→嫌われ→愛されの要素がちょっとだけ入ります。
※表紙の背景は祭屋暦様よりお借りしております。
https://www.pixiv.net/artworks/54224680
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる