次期魔王の教育係に任命された

ミイ

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第2章

45. すれ違い

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「…モリオン?」

どうしたんだろう…もしかしてこんな僕に怒ってる…?自分ばかり気持ちよくなってモリオンのことを疎かにしたから…!

「ごっごめん!僕ばかり気持ち良くなって…!次はちゃんとするから…ねっ⁉︎」

必死に言い訳をする。しかし、モリオンは何かに堪えるように唇を噛み締めると「ショウの所為だからね!」と顔を覆ってしまう。

えっえっ?何が?そんなに疎かにしたことが悪かった?

僕は慌ててモリオンの顔を覗き込むと「モリオン、許して、お願いだから!」と頼む。すると彼はいきなり髪を乱暴にガシガシと掻き「あ"ーっ。」と言いながら、こちらを切なげに睨んだ。

「…ッ!」

今までにない彼の様子にビクつきながらも彼の返事を待つ。しかし、彼は僕の出したモノを無言でペロペロと舐め取ると何も言わずに立ち上がった。そして「今日は自分の部屋で寝るから。」と静かに部屋を出て行ってしまう。出て行く瞬間「モリオンッ!」と叫んだが、結局最後まで振り向いてはくれなかった。

僕は呆然と彼が出て行った扉を見つめ自責の念にかられる。


…モリオンに嫌われてしまった…。




「…うっ…うぅっ~…。」

次々と涙が溢れる。

「ぅわっぁ…あぁ…モリオン~…。」

その日、僕は眠れぬ夜を過ごした。








次の日の早朝、一睡も出来なかった僕は朝日が差し始めた頃を見計らって中庭に足を運んだ。

「はぁ~…。」

花壇の片隅に腰を下ろし朝露に濡れた花弁を突つきながら溜息を漏らす。

どうしたらモリオンに許してもらえるだろうか…?

昨夜中考えた結果、僕はモリオンに触れられると思考が停止する為、僕がイク前に先にモリオンにイッてもらってから僕のを握ってもらうしかない。

そう素直に言えたらいいのに…。

僕から話しかけたいが昨日の今日でモリオンが会ってくれるか分からない。それに会いに行って拒絶されたらもっと立ち直れない。

今後、自分がどうやって動いたらいいか分からずボーッと朝食の時間までここに居ようかと思ったその時「ショウ様?」と声を掛けられる。振り返ると驚いた顔のネフライトが立っていた。

「…ネフライト、おはよう。」

「おはようございます、こんな早朝にどうかされましたか?」

「あっ…うん、ちょっとね…。」と薄っすら笑って誤魔化したが僅かな表情の変化で何かあったことはバレてしまったらしい。ネフライトは静かに僕の隣にしゃがみ込むとなんの脈絡もなく「ショウ様はいつも頑張っておいでですね。」と告げた。
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