悪役令嬢の弟

ミイ

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135. 紹介

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数日後、セイロンから手紙が届いた。

「こんにちは、トルー様。この前の計画ですが5人ほど候補がいます。女性3名、男性2名です。彼等には家名を隠したトルー様のお名前とお付き合いする方を探しているという情報だけ教えています。詳しい自己紹介はお会いしてからして頂きたいのですが、僕から言えるのは皆さん、決して悪い人ではないということです。是非、色んな人を見て参考になさって下さい。そしてまず、1番始めにお会いする方はペリドット様という女性です。お年は22歳とトルー様より7つ年上になります。3日後にランチをご一緒するということで話をしています。待ち合わせはアコヤというお店の前です。宜しくお願いします。」

僕はその手紙を読み終えるといよいよだ、と気合いを入れた。

あまりこういった内緒事をしたことがない僕は予定の日までかなりドキドキして過ごし、若干イモーテルやサンバックに不審がられた。しかし、なんとか当日を迎えることができ、僕は待ち合わせ場所へと向かう。

イモーテルにはセイロンと待ち合わせをしているので着いてこない様に言っているので安心だ。




僕が店の前に着くと何人か待ち合わせをしている人がいる。しかし令嬢らしき人はいなかったので彼女はまだ来ていないのだろう。僕は待たせていないことにホッとしながら店内へと入り、再び店内を見渡した。しかし、それらしい人物は見当たらない。

それから着々と時間は進み、僕が席に座って30分程が経った。少し早めに来ていたので予定していた時間よりも15分は過ぎていることになる。僕はチラチラと店の外を確認しつつも待っていたが、一向に彼女が来る気配がない。

「(あれ…今日で合ってるよね…?)」

そう不安に思い始めた頃、1人の女性が店内に入ってきた。その女性は僕が店に着いた時から外で待ち合わせをしていた人で店内をキョロキョロと見渡している。そして僕と目が合うと一直線に僕の方へ歩いてきた。

「君がトルー君かい?」

「えっ…はい。」

いきなり呼ばれたことに驚きはしたが、それ以上に彼女の容姿に驚いた。彼女は僕が想像していた令嬢らしからぬ格好で尚且つ男性顔負けの凛々しい美人だったのだ。

「あっあなたがペリドット様ですか?」

「ああ、こんな格好ですまない。お付き合いをする人を探していると聞いていたから君にはありのままの自分を見せた方がいいと思って、この格好で来たんだ、ガッカリさせてすまない。」

そう言って彼女は困った様に笑った。

「いえ!ビックリはしましたけど、こちらこそ気付くのが遅くなって申し訳ありません。ペリドット様はカッコいい方なのですね。」

僕は純粋に彼女を褒めた。彼女は今、ヒラヒラのドレスではなく男性が着るような…それも兵士が着るようなベージュの上下セットにブーツという出で立ちだったのだ。
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