悪役令嬢の弟

ミイ

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僕はルート様の半歩後ろにいるブルーマリーを見つめた。彼女は少し恥ずかしそうな顔でこちらを見るとフンッと顔を逸らす。

「(良かった…ルート様暗殺計画も起こってないし、ブルーマリーも幸せそう…。これなら僕がこれ以上、口出ししなくても大丈夫そうだ…。)」

僕がホッとした表情で2人を見ているとルート様が近付いてくる。そして僕にコソッとこんなこと言ってきた。

「こんなこと言ってもいいか迷ったんだけど、実はずっとトルーが好きだったんだ…でも私に見込みは無いなって思ってこの数年はちゃんとブルーマリーのことを考えていたんだよ。勿論、記憶を無くしたことは関係ない、きちんと彼女と向き合って出した結論だ。その後はトントン拍子で話が進んで、今はもう私も既婚者だ。…私はトルーの幸せを願ってるよ、頑張ってね。」

そう彼は僕の肩を叩いた。それに僕はフフッと笑うと「ありがとうございます。」と返す。





その後、僕が戻ってきたばかりだということで皆は帰って行った。家にいるのは勿論、父様、母様、サンバック、イモーテルだ。父様、母様は僕達に向かってごゆっくりと言い出て行った。

「(いや、変なことで気遣わないでよ…!)」

そんなツッコミを脳内でしながら部屋に佇む2人を見る。

「(とりあえず座ってもらった方がいいかな…?)」

僕は彼等に大事な話があると言い、ソファーに座ってもらった。始めにサンバックやイモーテルに説明した時、大事なところは説明せずにいたのでこれから真実を伝え2人の反応を見るのが正直怖い。

「…今まで2人の気持ちを蔑ろにしてごめんなさい。僕がなんで期限付きで返事を先延ばしにしてたのかキチンと説明してなかったから、そのことを話したくて…。僕は前世の記憶がある、そしてその時にこの世界と似たような物語があることも伝えたよね?だから正直、その時の記憶にずっと引き摺られてたんだ。今までの僕の人生は姉様の婚約が重きを置いていた。何故なら姉様がルート様と結ばれないと僕は最悪亡くなる運命だったんだ。」

僕がそう言った瞬間、サンバックが「なんだと⁉︎」と言って立ち上がる。僕は彼に「まだ続きがあるから落ち着いて、ね?」と言い座らせると再び口を開く。

「勿論、本当にそんなことになるのか確証はなかった。でも当時の僕はそうなると思い込んでいたんだ。だから、そうならない様に姉様の為に自分の人生を費やそうと決めたんだ。ちょうどその期限が魔法学校に入学して2年目の夏。だからイモーテルや兄様にそれまで待っててと言ったのはそれが理由。それが過ぎれば結果が分かると思ってたから。ただ、バイオレット様のことが想定外だった。あんなに彼女が自分中心に物事を進めていく人だと思いもしなかったから正直、彼女を庇いきれなかった。結果的に彼女に振り回されて終わってしまったし…。でも、もう今は彼女のことも姉様のことも解決したし、これからはやっと自分の為に生きていけるとホッとしてるんだ。それで…ここからが本題なんだけど一応確認してもいい?2人は僕のこと今でも好きなの?」
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