悪役令嬢の弟

ミイ

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119. 捜索

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中から出てきたのはペンダントと懐中時計。

「これは…?」

僕は2つを手に取るとイモーテルにも見せる。

「どちらも見覚えはありませんが…。こちらのペンダントトップに描かれている女性はこの国の守り神と言われている方ですね、何か意味があるのでしょうか…?」

彼の言葉にピンとくる。

「この女性に因んだものっていろんなところで売ってるの?」

「そうですね…主に絵画かペンダント、石像として存在していることは知っていますが、それ以外は私も知りません。」

石像…?そういえばこの女性、僕がリセットボタンを押した時にゲーム画面に出てた女性だ。それに僕がこの世界に戻った時もあの女性が関わってる!

「イモーテル!この街を出る前に行きたいところがあるんだけど、いい⁉︎」

僕は一筋の光が見えたようで、気分が上昇した。







それから僕とイモーテルは学校の敷地内にあるあの森へと入って行った。不法侵入になるかもしれないが、この際そんなことは言ってられない。僕はあの教会とこのペンダント、懐中時計が何か関係があると感じていた。

「こんなところに教会なんてあるんですね…。」

「うん、僕も知らなかったんだけど新入生歓迎会の時に見つけてね、僕にとったらついこの間のことなんだけど、もう2年も経ってるなんて信じられないよ…。あっ、イモーテル!あれだよ、あれ!あの真ん中に立っているのがこの石像だよ!」

僕は石像を指差してペンダントと見比べる。

「やっぱりこの石像と同じだね。でも特に何もないね。」

「はい…。しかし、せっかく来たのですから何か手掛かりはないか探してみましょう。」

そう言って僕達は教会内を探し始めた。といっても調べるほど何があるわけでもない。ただ、前回と同様、座席の下に収納がある為1つ1つ開けていった。

「トルー様!ここに時計?がごさいます。」

イモーテルが手に持っているのはここにあるはずがない現代の腕時計。それも僕が使っていた…。

「これは…僕の使っていた時計だ。なんでここに…?」

僕は引き出しに入っていた止まっている懐中時計と動いている腕時計を見比べる。するとその瞬間、腕時計が止まり懐中時計が反時計回りに回り始めた。

「えっ…ちょっ…なんで?懐中時計が動きだした!」

僕は動き続ける針を暫く見つめ止まるのを待つ。止まった時刻は多分、動きだした時と同じ時刻。回りすぎて午前か午後かもわからないが、針の場所は同じ時刻を表している。そのまま懐中時計の秒針は時計回りに動き続けた。
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