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123. ヒロインのその後
しおりを挟む「…ああ、そうだな。トルーには知る権利がある、
バイオレットのことはイモーテルに聞いたのか?」
僕は無言で頷く。
「精神的におかしくなって自殺したって聞いた…。」
「…そうだな…結果的にはそれで合っている。トルーがいなくなってアイツは魔術師数名によって牢屋に入れられた。特殊な魔法を使って魔力を無効化する場所だ。始めは自分の非を認めず、叫んでいたらしいが事情聴取の為、度々拷問にかけられた。それから徐々におかしくなっていったと聞いている。拷問にかけられた者は精神的にも肉体的にもおかしくなる奴が殆どだから、さほど重要視されてはいなかったんだが…。それから暫くして亡くなる間際、壁に我々では分からない言語と男女の姿絵を残し、自ら命を絶ったという訳だ。…今、我々の中ではアイツは魔女だったのではないかと思われている。」
…魔女?いや僕は彼女がヒロインだったことを知っている。それに所々、彼女は乙女ゲームだと分かる発言をしていたのでそこは間違いない。それに今の発言の中の気になることがある。こっちの人達が分からない言語…それはもしかしたら日本語で書かれているのではないのか…。
「あの、そのバイオレット様が残した壁画って僕が見ることもできる?」
「…いや、機密情報扱いになっている。流石にトルーでも見る事は出来ないだろう。」
「…。」
しかし、サンバックの話からヒロインはきっと日本語で何かを残しているはずだ。彼女は僕が同じ転生者とは気付いてなかった、だからきっと僕に対して恨みや辛みを残しているのだろう。それに僕のリセットと彼女の死は何か関係していると思えてならない。
「…どうしても?僕、もしかしたらそれ読めるかもしれないんだ。」
「…何故だ。トルーが博識なのは知ってはいるが、流石にお前でも無理じゃないのか。この1年、誰一人解いた者はいないんだぞ?」
サンバックの言葉に前世?のことを説明しようか迷った。しかし、ここで説明しなければヒロインの残したものを読ませてもらえないと思い僕は渋々口を開いた。
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