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95. 休養
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んっ⁉︎と思い彼を見つめる。
イモーテルは変わらず微笑んだままだ。
「イッ…イモーテル…今、キスした?」と僕が赤くなりながら聞くと彼は当たり前のように「はい、こんな風にトルー様を抱き締めることが出来るのも久しぶりなので。」と再び口付ける。
イモーテルが急に積極的になった…!
「あっ…あの恥ずかしいから急にはしないで!」
「では、事前に言えばさせて頂けますか?」
「あ…いや…そうじゃなくて…あの…。」と僕がドギマギしているとイモーテルにフッと笑われる。
「トルー様、申し訳ございません。今後は許可がない限りこんなことは致しません。今回は無断で部屋を出たお仕置きです。ですから、そんなに焦らないで下さい。」
「(なっ!なんだ…良かった!これからこんなこと、普通にされるのかと思った…!)」
僕がホッとしていると、いつの間にか部屋に着いていたらしくソファーに降ろされる。
「お食事がまだでしたね、飲み物の準備をして参りますので、しばしお待ち下さい。」
そう言ってイモーテルは部屋を出て行ってしまう。
僕はフゥ~と息を吐くと持ってきた食べ物を眺めた。
「(なんかもう食べる雰囲気じゃなくなったけど、またこれを食べなかったら寝れないわけだし食べちゃおっと。)」
そう思い口に入れる。
ちなみに明日は大事を取って学校はお休みになった。僕としてはもう体調は大丈夫なのだが、僕以上に僕のことを心配する周りによって明日は強制的にお休みにしたらしい。
「(もう大丈夫なのになぁ…。)」と思いつつ食べ進めているとイモーテルがお茶を淹れてくれる。それから僕はお腹が満たされるまで食べ続け、満腹になるとそのままベッドに横たわった。するとすぐに睡魔が襲ってくる。僕はフカフカのベッドを堪能しながらこんなズボラな僕にもお世話をしてくれるイモーテルに感謝していた。
「ん~…イモ…テル…あり…がと。」と告げ、僕は眠りの世界に旅立った。
次の日、目を覚ました時には枕元に父様が座っていた。父様は僕が目を覚ましたことに気付くと「良かった、目が覚めたんだな。」と微笑む。そして、そっと僕の額を撫でると「イモーテル、後は任せたぞ。」と言って立ち上がった。父様は最後までこちらを見つめると名残惜しげに部屋を出て行く。それから入れ替わりで母様が入ってきた。
「トルー、大丈夫ですか?」
僕は身体を起こすと「はい、もうすっかり。」と応える。
「昨日、イモーテルが貴方を抱きかかえたまま慌てて屋敷に入って来た時は驚きました。その時、馬車に乗り込んだ途端、気を失ったと聞かされて…。」
珍しく僕が倒れたので家族にとっては寝耳に水だっただろう。
「御心配お掛けしました、でも今はもう大丈夫ですので母様も出掛けて下さい。何かご予定があるのでしょう?」
僕がそう言うと母様は困ったように肯定した。
イモーテルは変わらず微笑んだままだ。
「イッ…イモーテル…今、キスした?」と僕が赤くなりながら聞くと彼は当たり前のように「はい、こんな風にトルー様を抱き締めることが出来るのも久しぶりなので。」と再び口付ける。
イモーテルが急に積極的になった…!
「あっ…あの恥ずかしいから急にはしないで!」
「では、事前に言えばさせて頂けますか?」
「あ…いや…そうじゃなくて…あの…。」と僕がドギマギしているとイモーテルにフッと笑われる。
「トルー様、申し訳ございません。今後は許可がない限りこんなことは致しません。今回は無断で部屋を出たお仕置きです。ですから、そんなに焦らないで下さい。」
「(なっ!なんだ…良かった!これからこんなこと、普通にされるのかと思った…!)」
僕がホッとしていると、いつの間にか部屋に着いていたらしくソファーに降ろされる。
「お食事がまだでしたね、飲み物の準備をして参りますので、しばしお待ち下さい。」
そう言ってイモーテルは部屋を出て行ってしまう。
僕はフゥ~と息を吐くと持ってきた食べ物を眺めた。
「(なんかもう食べる雰囲気じゃなくなったけど、またこれを食べなかったら寝れないわけだし食べちゃおっと。)」
そう思い口に入れる。
ちなみに明日は大事を取って学校はお休みになった。僕としてはもう体調は大丈夫なのだが、僕以上に僕のことを心配する周りによって明日は強制的にお休みにしたらしい。
「(もう大丈夫なのになぁ…。)」と思いつつ食べ進めているとイモーテルがお茶を淹れてくれる。それから僕はお腹が満たされるまで食べ続け、満腹になるとそのままベッドに横たわった。するとすぐに睡魔が襲ってくる。僕はフカフカのベッドを堪能しながらこんなズボラな僕にもお世話をしてくれるイモーテルに感謝していた。
「ん~…イモ…テル…あり…がと。」と告げ、僕は眠りの世界に旅立った。
次の日、目を覚ました時には枕元に父様が座っていた。父様は僕が目を覚ましたことに気付くと「良かった、目が覚めたんだな。」と微笑む。そして、そっと僕の額を撫でると「イモーテル、後は任せたぞ。」と言って立ち上がった。父様は最後までこちらを見つめると名残惜しげに部屋を出て行く。それから入れ替わりで母様が入ってきた。
「トルー、大丈夫ですか?」
僕は身体を起こすと「はい、もうすっかり。」と応える。
「昨日、イモーテルが貴方を抱きかかえたまま慌てて屋敷に入って来た時は驚きました。その時、馬車に乗り込んだ途端、気を失ったと聞かされて…。」
珍しく僕が倒れたので家族にとっては寝耳に水だっただろう。
「御心配お掛けしました、でも今はもう大丈夫ですので母様も出掛けて下さい。何かご予定があるのでしょう?」
僕がそう言うと母様は困ったように肯定した。
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