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72. 発起
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暫く無言でその光景を見ていた僕だったが、結局ヒロインには話しかけられず教室に戻ってきた。
その時には既に教室にいたほとんどが帰宅しており、ブルーマリーでさえ不在である。
「(…僕も帰ろ…。)」
僕は先程のヒロインの発言にビクビクしながらイモーテルの待つ馬車に乗り込んだ。
「どうかされたのですか、トルー様?」
僕の変化に敏感な彼は乗車早々、そんなことを聞いてくる。
「…うん、ちょっと今後の自分の身の振り方を考えようかと思って…。僕まだ死にたくないし…。」
と僕が言った瞬間、イモーテルの魔力量が上がる。
「今、なんとおっしゃいましたか?…もしやトルー様が脅されている…?このイモーテル、トルー様に害をなすモノはどんなモノであろうと始末してみせます。どうかご安心下さい。して、そいつの名前は?」
今にもイモーテルが飛び出しそうだ。
僕は慌ててそれを止める。
「いや!そんなことしなくていいから!イモーテルは僕が元気に過ごしていけるようにサポートしてて。それに…僕はイモーテルがいつも側にいてくれるだけで感謝してるんだから。」
「トルー様ッ!!!」
イモーテルは感動したように自分自身を抱き締める。
「僕は大丈夫だから心配しないで。でも帰ったら美味しいお菓子と紅茶が飲みたいな?」
「勿論でございます!」と彼は満面の笑みで答えた。
家に着いた僕はイモーテルの用意してくれたお茶とお菓子を食べながらテスト勉強を始める。
「(はぁ~…もう明後日にはテストか…早いなぁ。このペースだとブルーマリーのイベントもあっという間に来ちゃうんだろうな。僕の計画、始めは意気込んだものの、あんまり進んでる気がしない…。ブルーマリーはあの調子だしヒロインも自分勝手だし…。そこで何故か僕がモテちゃってるし…。)」
僕は気を紛らわすかのように教科書に目を向けた。
その日の夕食後、珍しくブルーマリーが父様に話し掛けている。
「お父様、夕食後少しお時間宜しいですか?」
「…珍しな、ブルーマリーがそんなこと言うなんて。いいぞ!後で部屋に来なさい。」
父様は学校での彼女の様子を知らない為、ニコニコしながら申し出を受け入れた。
僕もブルーマリーの後をついて行こうと決める。
その時には既に教室にいたほとんどが帰宅しており、ブルーマリーでさえ不在である。
「(…僕も帰ろ…。)」
僕は先程のヒロインの発言にビクビクしながらイモーテルの待つ馬車に乗り込んだ。
「どうかされたのですか、トルー様?」
僕の変化に敏感な彼は乗車早々、そんなことを聞いてくる。
「…うん、ちょっと今後の自分の身の振り方を考えようかと思って…。僕まだ死にたくないし…。」
と僕が言った瞬間、イモーテルの魔力量が上がる。
「今、なんとおっしゃいましたか?…もしやトルー様が脅されている…?このイモーテル、トルー様に害をなすモノはどんなモノであろうと始末してみせます。どうかご安心下さい。して、そいつの名前は?」
今にもイモーテルが飛び出しそうだ。
僕は慌ててそれを止める。
「いや!そんなことしなくていいから!イモーテルは僕が元気に過ごしていけるようにサポートしてて。それに…僕はイモーテルがいつも側にいてくれるだけで感謝してるんだから。」
「トルー様ッ!!!」
イモーテルは感動したように自分自身を抱き締める。
「僕は大丈夫だから心配しないで。でも帰ったら美味しいお菓子と紅茶が飲みたいな?」
「勿論でございます!」と彼は満面の笑みで答えた。
家に着いた僕はイモーテルの用意してくれたお茶とお菓子を食べながらテスト勉強を始める。
「(はぁ~…もう明後日にはテストか…早いなぁ。このペースだとブルーマリーのイベントもあっという間に来ちゃうんだろうな。僕の計画、始めは意気込んだものの、あんまり進んでる気がしない…。ブルーマリーはあの調子だしヒロインも自分勝手だし…。そこで何故か僕がモテちゃってるし…。)」
僕は気を紛らわすかのように教科書に目を向けた。
その日の夕食後、珍しくブルーマリーが父様に話し掛けている。
「お父様、夕食後少しお時間宜しいですか?」
「…珍しな、ブルーマリーがそんなこと言うなんて。いいぞ!後で部屋に来なさい。」
父様は学校での彼女の様子を知らない為、ニコニコしながら申し出を受け入れた。
僕もブルーマリーの後をついて行こうと決める。
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