悪役令嬢の弟

ミイ

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46. 1問目

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何故、こんなことになってしまったのかー…。

今、僕は自分のグループから離れ違うグループにいた攻略対象の1人シトロと共にいる。

僕は「はぁ~…。」とシトロには気付かれないよう、溜息を吐いた。









1時間程前、チェストの掛け声で一斉に封筒を開け始める。僕達もワクワクしながら中を覗き込んだ。


"北の大地に湧き出る聖なる泉  その奥深くには誰も立ち入ったことの無い聖域がある  そこに光を持ち込めば大いなる祝福を受けるだろう"


この文章を見ていち早く口を開いたのは唯一の女性アンジェリカだ。

「北の大地…とは校舎の北にある森のことでしょうか?」

「そうだな…聖なる泉…湧き出る…。あっ!そういえば、北の森で地下から湧水が出る場所があるって聞いたことがある!そこじゃないか?」

とイランも口を開く。

するとマリタイムが戻ってきた。

「1問目はどんな問題?」

そう言って用紙を受け取る。

「うーん…北の大地は…北の森のこと…かな?聖なる泉…「マリタイム様、俺、地下から湧水が出る場所を知っています。そこの可能性が高いです。」

「…なるほど!その可能性は高いね。イラン、案内お願い出来る?」

「分かりました!皆、着いてきてくれ。」

僕達はイランの案内の元、他のグループよりいち早く校舎を出る事ができた。

僕はチラッとヒロインのグループを見たが、まだ用紙と睨めっこしている様だった。




そして北の森に向かって歩き始める。

するとビリーが「この聖域っていうのは何だろうな?聖域って言われると神殿とか教会を思い浮かべるが…。」と告げる。

「神殿かぁ…あんなところにそんなものあったかな…。それに北の森なんて滅多に足を踏み入れないから何があるか分からないよ。」とマリタイムが愚痴る。

「そもそも北の森は道の補整があまりされていないからって立ち入り禁止になってたはずだけど…。」

「おい、怖い事言うなよ。じゃあ北の大地っていうのは北の森じゃないのか?」

「…いや、全部が立ち入り禁止なわけじゃないんだ。森の入り口と視界に入る範囲は禁止じゃない。念の為、立ち入り禁止の場所には結界が張ってあるから大丈夫だとは思うけど。」

「なんだ…それなら大丈夫そうだな。」

「あっ…あの!」と突然セイロンが声を上げる。

皆、立ち止まりセイロンを見つめた。

すると、おずおずと言った様子で「イラン様は何故、湧水のことをご存知だったんですか…?先程のマリタイム様の言う通りなら立ち入り禁止の多い場所に入っていたことになりますが。」と告げる。

その発言にイランの方に注目が集まり、イランも「ちょっ…!ちょっと待ってくれ!」と焦り出す。

「確かに立ち入り禁止の多い場所ではあるけど、俺の知ってる場所は立ち入り禁止じゃないんだ。それに湧水のことを知ってたのは…それで商売が出来ないかな、って確認したことがあったんだよ。…俺ん家は商会だから、そういう美味しい話に飛び付くんだ。」

とその必死な様子に嘘ではないということが分かった。

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