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25. 想定外のイベント
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振り返ると何故かナルシストのグリーン・ランドモスが立っていた。
「あっ…ランドモス様、如何なさいましたか!?」
と僕は冷静さを保とうと必死になる。
そんな中、ランドモスはフッと笑うと僕の頰に手を伸ばし「君…さっき僕のこと見つめてたよね?」と聞いてくる。
「(えっ?いや、確かに見てたけど!それ、貴方が変だからだし!)
えっ…いえ…そんなこと…。」
と僕は否定しようとしたが人差し指の腹で唇を閉じられてしまう。
ランドモスはチッチッチッと舌を鳴らすと「…いいんだよ…何も言わなくても。僕には分かる…君…僕のこと見惚れてたんだろう…?」と微笑む。
僕が「(えぇ!?)」とその発言に驚いていると、僕の無言を肯定と取ったのかランドモスは「可愛い子猫ちゃん…次会った時はゆっくりお茶でもしようね。」と僕の髪にキスをし僕の胸ポケットにバラを刺すと去って行った。
僕は呆然とランドモスが去っていく姿を見、その場に崩れ落ちる。
「(えっ…いや…何あれ…?これがイベントだとしてもヒロインにやるんじゃないの?なんで僕…?それに子猫ちゃんって何だよ…何年前の口説き文句だ…!僕は誰かとそういうことをやってる暇なんてない…!ヒロインと姉様をどうにかしないと…!)」
と僕は先程の出来事を払拭するかのように気合いを入れ直し、また会議室を盗み見た。
しかし、僕がランドモスと茶番をしている間にすでに会話は終わっておりヒロインが荷物を鞄に詰めているところだった。
その表情は残念そうな、それでいて少し怒っているような表情である。
「(また上手くいかなかったのかな…。)」
僕はヒロインがこちらに向かってくるのに気付き、物陰に隠れて彼女が出て行く様子を見つめた。
そして、彼女の姿が見えなくなったのを確認すると僕も彼女の帰った方向へ脚を進める。何故なら出口はアッチだからだ。
すると会議室のドアがガラッと開き、会長が出てくる。
思わず「うわっ!」と声を上げる。会長は僕と目が合うと「なんだ?」と凄みのある顔で告げてきた。
「いえ、なんでもありません!お疲れ様でした!」と僕は逃げるように歩みを早めたが、その後ろから「おい、待て。」と呼び止められる。
「(えぇ~…何?僕、何もしてないよね…?)」
僕は恐る恐る振り返ると会長に「お前も学級委員だったな、手伝え。」と指示された。
現在、僕がいるのは生徒会室である。
何故こんなことになってしまったのか…。
あの後、荷物運びを指示された僕は丁寧に断りをいれた。
しかし、会議室にある大量の冊子を見せつけられ「これを俺1人に運ばせるのか?」と会長に脅されると泣く泣く了承する羽目となってしまう。
僕は生徒会室まで荷物運びを手伝い、やっとこれで帰れると思いきや、会長に「じゃあ、それをホッチキス留めしてくれ。」と言われ愕然とする。
「えっ…会長…これを一人でですか?」
「…そうだが?120部しかない、すぐ終わる。」
そう言われたが、僕としては"何故、僕が"感が否めない。
「(これが副委員長としての定めなのか…いや、さっきヒロインが手伝うって言ってたの断ってたじゃないか…!)」
僕は先程のやり取りを知ってしまってる分、モヤモヤとしながらホッチキス留めを行なう。
僕は早く帰りたい一心で手を動かし続け、そのおかげで1時間程でホッチキス留めは終わった。
僕は早々に立ち上がると「会長、終わりましたので僕は帰ります。」と自分の荷物を掴む。
しかし、会長は「まぁ、待て。」とまたしても僕を呼び止める。流石に僕は腹が立ち「今度は何ですか!?」と会長を振り返った。
すると僕の口の中に何かを押し込まれる。
「ングッ!」
「食え。」
と短く告げられ口を動かすと僕の大好きなチョコレート。思わず笑みが零れた。
会長は僕の表情にフッと笑うと「助かった。」と僕の頭を撫で、自分は再び机に向かう。
僕は会長の謎の行動に疑問を持ちつつ生徒会室を後にした。
「あっ…ランドモス様、如何なさいましたか!?」
と僕は冷静さを保とうと必死になる。
そんな中、ランドモスはフッと笑うと僕の頰に手を伸ばし「君…さっき僕のこと見つめてたよね?」と聞いてくる。
「(えっ?いや、確かに見てたけど!それ、貴方が変だからだし!)
えっ…いえ…そんなこと…。」
と僕は否定しようとしたが人差し指の腹で唇を閉じられてしまう。
ランドモスはチッチッチッと舌を鳴らすと「…いいんだよ…何も言わなくても。僕には分かる…君…僕のこと見惚れてたんだろう…?」と微笑む。
僕が「(えぇ!?)」とその発言に驚いていると、僕の無言を肯定と取ったのかランドモスは「可愛い子猫ちゃん…次会った時はゆっくりお茶でもしようね。」と僕の髪にキスをし僕の胸ポケットにバラを刺すと去って行った。
僕は呆然とランドモスが去っていく姿を見、その場に崩れ落ちる。
「(えっ…いや…何あれ…?これがイベントだとしてもヒロインにやるんじゃないの?なんで僕…?それに子猫ちゃんって何だよ…何年前の口説き文句だ…!僕は誰かとそういうことをやってる暇なんてない…!ヒロインと姉様をどうにかしないと…!)」
と僕は先程の出来事を払拭するかのように気合いを入れ直し、また会議室を盗み見た。
しかし、僕がランドモスと茶番をしている間にすでに会話は終わっておりヒロインが荷物を鞄に詰めているところだった。
その表情は残念そうな、それでいて少し怒っているような表情である。
「(また上手くいかなかったのかな…。)」
僕はヒロインがこちらに向かってくるのに気付き、物陰に隠れて彼女が出て行く様子を見つめた。
そして、彼女の姿が見えなくなったのを確認すると僕も彼女の帰った方向へ脚を進める。何故なら出口はアッチだからだ。
すると会議室のドアがガラッと開き、会長が出てくる。
思わず「うわっ!」と声を上げる。会長は僕と目が合うと「なんだ?」と凄みのある顔で告げてきた。
「いえ、なんでもありません!お疲れ様でした!」と僕は逃げるように歩みを早めたが、その後ろから「おい、待て。」と呼び止められる。
「(えぇ~…何?僕、何もしてないよね…?)」
僕は恐る恐る振り返ると会長に「お前も学級委員だったな、手伝え。」と指示された。
現在、僕がいるのは生徒会室である。
何故こんなことになってしまったのか…。
あの後、荷物運びを指示された僕は丁寧に断りをいれた。
しかし、会議室にある大量の冊子を見せつけられ「これを俺1人に運ばせるのか?」と会長に脅されると泣く泣く了承する羽目となってしまう。
僕は生徒会室まで荷物運びを手伝い、やっとこれで帰れると思いきや、会長に「じゃあ、それをホッチキス留めしてくれ。」と言われ愕然とする。
「えっ…会長…これを一人でですか?」
「…そうだが?120部しかない、すぐ終わる。」
そう言われたが、僕としては"何故、僕が"感が否めない。
「(これが副委員長としての定めなのか…いや、さっきヒロインが手伝うって言ってたの断ってたじゃないか…!)」
僕は先程のやり取りを知ってしまってる分、モヤモヤとしながらホッチキス留めを行なう。
僕は早く帰りたい一心で手を動かし続け、そのおかげで1時間程でホッチキス留めは終わった。
僕は早々に立ち上がると「会長、終わりましたので僕は帰ります。」と自分の荷物を掴む。
しかし、会長は「まぁ、待て。」とまたしても僕を呼び止める。流石に僕は腹が立ち「今度は何ですか!?」と会長を振り返った。
すると僕の口の中に何かを押し込まれる。
「ングッ!」
「食え。」
と短く告げられ口を動かすと僕の大好きなチョコレート。思わず笑みが零れた。
会長は僕の表情にフッと笑うと「助かった。」と僕の頭を撫で、自分は再び机に向かう。
僕は会長の謎の行動に疑問を持ちつつ生徒会室を後にした。
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