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20. 副委員長
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次の日、僕は馬車で学校へ向かう道中、オール様に渡すクッキーを鞄に入れ、ルート様のことを考えていた。
「(今日は確かルート様とヒロインが初めて顔を合わせる日…今回も僕は立ち会えないけど、ルート様には頑張ってほしいな…。まぁルート様は皆に平等な人だから大丈夫とは思うけどヒロインが行き過ぎた行動をとったらいくら温厚なルート様でもどうなるか分からない。本来、ルート様は腹黒キャラだったはず…その生い立ちから外面をとても良く作っており、他の人に腹の中を見せる様な人じゃない。しかし、僕が介入したことによってその腹黒さが少しは緩和されてると願いたいんだけど…。最もヒロインが大人しく、さらにブルーマリーが悪役令嬢らしく振舞っていたら自ずとあの没落ルートが出現するんだけどね…でも今はそうはいかない。僕はゲームの設定を捻じ曲げてまでブルーマリーとルート様をくっ付けたいんだ。正直、ヒロインは2人の中を邪魔しなければどうでもいい。だからルート様だけは狙わないでくれ!)」
と僕はそんなことを思いながら今日もイモーテルの膝を借りていた。
学校に着くと昨日とは反対にご機嫌なブルーマリーと不機嫌そうなヒロインが座っている。
ご機嫌なブルーマリーは多分、今日クッキーをルート様に渡す為、ウキウキとしているんだろう。対するヒロインは眉間に皺を寄せ、何やら考え込んでいる。
僕は声を掛けようか迷い、結局声を掛けなかった。
その日のHRの際、先生から委員長、副委員長の立候補はないかと聞かれる。
僕は正直、そういうのは面倒だと感じてしまう為、その動向を静かに眺めていた。
しかし、先生が「では、委員長の立候補はいないか?」という言葉を発した時、隣に座っているヒロインがバッと手を挙げる。
「私、立候補します!」
僕はそれを見ながら内心「(えぇ~…。)」と溜息を吐いた。
何故ならヒロインの動向を見張る為に僕も副委員長に立候補しなければならないからだ。
「(ヒロイン…絶対会長目当てだよね?)」とその目的が分かってしまう僕は、これから起こるであろうトラブルに自分も巻き込まれるのかと思うと気が重たくなった。
「…では、次に副委員長を決めます。」
なんとスムーズに委員長が決まってしまった。
これもゲーム仕様だと思う。
普通、あの人気の会長だ、会長に気のある人は誰だって近付こうと委員長になるはず。しかし、誰1人立候補しないのだ。だから必然的にヒロインが委員長になる。
僕はなんともスムーズに決まるHRに違和感を覚えた。
そして次は副委員長だ。どうしよう…なるしかないのか?
僕は先生の問いに静かに手を挙げると「僕が立候補します。」と告げる。
ヒロインはさほど気にした様子も無く「宜しくお願い致します。」と声を掛けてきた。
その日の放課後、僕は先程の出来事に落ち込みながらオール様の元へと向かう。
「(はぁ~…副委員長になんてなりたくなかった…いくらヒロインの監視の為とはいってもそれとこれは別なんだよ…。)」
と悪態をつきながら図書館へと続く渡り廊下を歩く。
すると中庭を歩いている会長とその隣には入学式で出会ったあの人が肩を並べていた。
「(あっ!あの人!会長と仲良さげだな…副会長か?)」と詮索する。
そこでふと、あの人が目線を上に向けた。そしてバチッと目が合う。
「(あぁ!見ていたのバレたかな!?)」
と焦りながら、僕はペコッと頭を下げると逃げる様にその場を後にした。
「(今日は確かルート様とヒロインが初めて顔を合わせる日…今回も僕は立ち会えないけど、ルート様には頑張ってほしいな…。まぁルート様は皆に平等な人だから大丈夫とは思うけどヒロインが行き過ぎた行動をとったらいくら温厚なルート様でもどうなるか分からない。本来、ルート様は腹黒キャラだったはず…その生い立ちから外面をとても良く作っており、他の人に腹の中を見せる様な人じゃない。しかし、僕が介入したことによってその腹黒さが少しは緩和されてると願いたいんだけど…。最もヒロインが大人しく、さらにブルーマリーが悪役令嬢らしく振舞っていたら自ずとあの没落ルートが出現するんだけどね…でも今はそうはいかない。僕はゲームの設定を捻じ曲げてまでブルーマリーとルート様をくっ付けたいんだ。正直、ヒロインは2人の中を邪魔しなければどうでもいい。だからルート様だけは狙わないでくれ!)」
と僕はそんなことを思いながら今日もイモーテルの膝を借りていた。
学校に着くと昨日とは反対にご機嫌なブルーマリーと不機嫌そうなヒロインが座っている。
ご機嫌なブルーマリーは多分、今日クッキーをルート様に渡す為、ウキウキとしているんだろう。対するヒロインは眉間に皺を寄せ、何やら考え込んでいる。
僕は声を掛けようか迷い、結局声を掛けなかった。
その日のHRの際、先生から委員長、副委員長の立候補はないかと聞かれる。
僕は正直、そういうのは面倒だと感じてしまう為、その動向を静かに眺めていた。
しかし、先生が「では、委員長の立候補はいないか?」という言葉を発した時、隣に座っているヒロインがバッと手を挙げる。
「私、立候補します!」
僕はそれを見ながら内心「(えぇ~…。)」と溜息を吐いた。
何故ならヒロインの動向を見張る為に僕も副委員長に立候補しなければならないからだ。
「(ヒロイン…絶対会長目当てだよね?)」とその目的が分かってしまう僕は、これから起こるであろうトラブルに自分も巻き込まれるのかと思うと気が重たくなった。
「…では、次に副委員長を決めます。」
なんとスムーズに委員長が決まってしまった。
これもゲーム仕様だと思う。
普通、あの人気の会長だ、会長に気のある人は誰だって近付こうと委員長になるはず。しかし、誰1人立候補しないのだ。だから必然的にヒロインが委員長になる。
僕はなんともスムーズに決まるHRに違和感を覚えた。
そして次は副委員長だ。どうしよう…なるしかないのか?
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「(はぁ~…副委員長になんてなりたくなかった…いくらヒロインの監視の為とはいってもそれとこれは別なんだよ…。)」
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「(あっ!あの人!会長と仲良さげだな…副会長か?)」と詮索する。
そこでふと、あの人が目線を上に向けた。そしてバチッと目が合う。
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