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18. クッキー
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早速ブルーマリーを誘って厨房へ向かう。
料理長やその他料理人は僕とブルーマリーの登場にいくらか驚いていたが、直ぐに手を動かし始める。
「トルー様、ブルーマリー様、如何なさいましたか?」
料理長のフランさんが声を掛けてくる。
「フランさん、お仕事中すみません。少し厨房の隅とどなたかお手隙の方を1人、貸して頂けませんか?」
「えっ…あっ…はい。私で良ければお手伝い致しますが、何を…?」
「今からチョコクッキーを作りたいと思いまして。僕も姉様も初心者な者ですから、お手伝いして頂こうと思って…大丈夫ですか?」
「ええ、そんなに材料は使いませんし…。」
とフランさんは快く了承してくれたが、その顔は「何故、急に…?」と物語っていた。
とりあえず事情説明は後回しにして先に作り始める。クッキーを焼いている間に説明はしたら良いだろう。
「まずは材料を計量し、ボールに入れ混ぜ合わせます。あとは形成して焼くだけです。とても簡単なので初心者でも出来ると思います。」
フランさんのその声を聞き、僕は「姉様、さぁやりますよ!」と促した。
姉様はフリフリのドレスの袖を捲りあげ、ヘラをグルグルと掻き混ぜながら生地を作っていく。
「ふぅ~。」と言いながら生地が完成した為、そこからは僕も手伝って型を取る。
基本は丸型で何個かだけハートを作る。
「姉様、これが上手く焼けたらルート様にお渡ししましょうね。」
「ええ…ルート様、喜んでくれるといいけど…。」
僕はその光景を見ながら「(ブルーマリーって悪役令嬢だけど、ヒロインがルート様と仲良くならなかったらそんなに言うほどキツイ性格でもないのか…?いや、でもこれ乙女ゲームだしな…なんだかんだ事件は起きるんだろ…。)」と溜息を吐いた。
僕はクッキーが焼き上がったら声を掛けるということにして姉様には部屋に戻ってもらう。
姉様の姿が見えなくなるとフランさんに「トルー様?ブルーマリー様はどうされたんですか?」と心配される。
「急にゴメンね、フランさん。最近、姉様がルート様とあまり上手くいってなくてね…。だから姉様手作りのプレゼントをあげたら少しは修復されるかな、って。これを機にまたデートとかしてくれたらいいんだけど…。」
「…そうでしたか、それを聞いて納得しました。とても良いことですね。きっとルート様も喜んでくれるでしょう。」
「フランさんもそう思う?良かったぁ…。」
と僕はホッとする。
「あっ、そうだ!手伝ってくれたお礼をしなきゃだね?大事な材料も使っちゃったし…何かある?フランさん?」
「えぇ…そんないいですよ、私は材料を揃えただけですし…。」とフランさんは手をぶんぶんと振って拒否する。
その時、チンッ!とオーブンの音が鳴り、クッキーが出来上がった。
僕は冗談で「じゃあクッキーをアーンしてあげようか?」と笑うとフランさんはカァァと顔を赤くする。
「(40代の髭面のおじさんの赤面って可愛いな。)」とマジマジと見ていると「じゃあ、それでお願いします…。」と恥ずかしそうに言われた。
「えっ!?そんなことでいいの?」
「えっ…ええ…トルー様が良ければ…。」
「ん…分かった。じゃあ夕食後、僕の部屋に来てくれる?僕も本当は今すぐクッキー食べたいんだ。でも今からクッキー食べちゃうと折角の夕食を残してしまいそうだし…夕食後なら心置きなく食べれるよ!」
すると、フランさんは「トルー様の部屋にですか!?」と驚き、またもや赤面する。
僕は「お互いにアーンしようね!」と笑いながら告げると姉様を呼びに戻ることにする。
「(フランさん、可愛かったなぁ!あんなに赤面するなんて。てか、こんな地味顔の僕でゴメンよ、きっともっと美人に言われたいだろうに。まぁアーンに関しては冗談だから置いといて、食後は美味しいクッキーと紅茶を堪能しますか!)」と意気揚々とブルーマリーの部屋に向かった。
その後は厨房で冷ましたクッキーをラッピングし、いくつかの袋に分けた。
ブルーマリーは勿論、ルート様の分。
僕は形の悪い物と残りを貰い、袋詰めしていく。
「(サンバックの分、イモーテルの分、オール様の分…あとは父様、母様の分と。よし!あとの形の悪いのはフランさんと食べよーと。)」
そして、夕食を食べ終え入浴を済ました頃、部屋の扉がノックされる。
「はーい。」と返事をして扉を開けるとワゴンを押して来たフランさんが立っていた。
「えっ?どうしたんですか?この準備…?」
「あの…クッキーを食べるということだったので紅茶の準備をして来ました。」
「わぁ!ありがとうございます!僕、ちょうど飲みたかったんです!さぁさぁ、中へどうぞ!」
とフランさんを中に招き入れる。
フランさんは所在無さげに入り口付近に立ち尽くしていた。
「フランさん、リラックスして下さい。僕達しかいないんですよ?」
「あぁ…はい…。」とフランさんは余計にカチコチした動きでソファーへ座る。
僕は早速、紅茶の準備に取り掛かったが、いつもイモーテルが準備してしまう為、イマイチやり方が分からない…。
「あのぉ…フランさん…申し訳ないのですが、紅茶の淹れ方、教えてもらえませんか?」
料理長やその他料理人は僕とブルーマリーの登場にいくらか驚いていたが、直ぐに手を動かし始める。
「トルー様、ブルーマリー様、如何なさいましたか?」
料理長のフランさんが声を掛けてくる。
「フランさん、お仕事中すみません。少し厨房の隅とどなたかお手隙の方を1人、貸して頂けませんか?」
「えっ…あっ…はい。私で良ければお手伝い致しますが、何を…?」
「今からチョコクッキーを作りたいと思いまして。僕も姉様も初心者な者ですから、お手伝いして頂こうと思って…大丈夫ですか?」
「ええ、そんなに材料は使いませんし…。」
とフランさんは快く了承してくれたが、その顔は「何故、急に…?」と物語っていた。
とりあえず事情説明は後回しにして先に作り始める。クッキーを焼いている間に説明はしたら良いだろう。
「まずは材料を計量し、ボールに入れ混ぜ合わせます。あとは形成して焼くだけです。とても簡単なので初心者でも出来ると思います。」
フランさんのその声を聞き、僕は「姉様、さぁやりますよ!」と促した。
姉様はフリフリのドレスの袖を捲りあげ、ヘラをグルグルと掻き混ぜながら生地を作っていく。
「ふぅ~。」と言いながら生地が完成した為、そこからは僕も手伝って型を取る。
基本は丸型で何個かだけハートを作る。
「姉様、これが上手く焼けたらルート様にお渡ししましょうね。」
「ええ…ルート様、喜んでくれるといいけど…。」
僕はその光景を見ながら「(ブルーマリーって悪役令嬢だけど、ヒロインがルート様と仲良くならなかったらそんなに言うほどキツイ性格でもないのか…?いや、でもこれ乙女ゲームだしな…なんだかんだ事件は起きるんだろ…。)」と溜息を吐いた。
僕はクッキーが焼き上がったら声を掛けるということにして姉様には部屋に戻ってもらう。
姉様の姿が見えなくなるとフランさんに「トルー様?ブルーマリー様はどうされたんですか?」と心配される。
「急にゴメンね、フランさん。最近、姉様がルート様とあまり上手くいってなくてね…。だから姉様手作りのプレゼントをあげたら少しは修復されるかな、って。これを機にまたデートとかしてくれたらいいんだけど…。」
「…そうでしたか、それを聞いて納得しました。とても良いことですね。きっとルート様も喜んでくれるでしょう。」
「フランさんもそう思う?良かったぁ…。」
と僕はホッとする。
「あっ、そうだ!手伝ってくれたお礼をしなきゃだね?大事な材料も使っちゃったし…何かある?フランさん?」
「えぇ…そんないいですよ、私は材料を揃えただけですし…。」とフランさんは手をぶんぶんと振って拒否する。
その時、チンッ!とオーブンの音が鳴り、クッキーが出来上がった。
僕は冗談で「じゃあクッキーをアーンしてあげようか?」と笑うとフランさんはカァァと顔を赤くする。
「(40代の髭面のおじさんの赤面って可愛いな。)」とマジマジと見ていると「じゃあ、それでお願いします…。」と恥ずかしそうに言われた。
「えっ!?そんなことでいいの?」
「えっ…ええ…トルー様が良ければ…。」
「ん…分かった。じゃあ夕食後、僕の部屋に来てくれる?僕も本当は今すぐクッキー食べたいんだ。でも今からクッキー食べちゃうと折角の夕食を残してしまいそうだし…夕食後なら心置きなく食べれるよ!」
すると、フランさんは「トルー様の部屋にですか!?」と驚き、またもや赤面する。
僕は「お互いにアーンしようね!」と笑いながら告げると姉様を呼びに戻ることにする。
「(フランさん、可愛かったなぁ!あんなに赤面するなんて。てか、こんな地味顔の僕でゴメンよ、きっともっと美人に言われたいだろうに。まぁアーンに関しては冗談だから置いといて、食後は美味しいクッキーと紅茶を堪能しますか!)」と意気揚々とブルーマリーの部屋に向かった。
その後は厨房で冷ましたクッキーをラッピングし、いくつかの袋に分けた。
ブルーマリーは勿論、ルート様の分。
僕は形の悪い物と残りを貰い、袋詰めしていく。
「(サンバックの分、イモーテルの分、オール様の分…あとは父様、母様の分と。よし!あとの形の悪いのはフランさんと食べよーと。)」
そして、夕食を食べ終え入浴を済ました頃、部屋の扉がノックされる。
「はーい。」と返事をして扉を開けるとワゴンを押して来たフランさんが立っていた。
「えっ?どうしたんですか?この準備…?」
「あの…クッキーを食べるということだったので紅茶の準備をして来ました。」
「わぁ!ありがとうございます!僕、ちょうど飲みたかったんです!さぁさぁ、中へどうぞ!」
とフランさんを中に招き入れる。
フランさんは所在無さげに入り口付近に立ち尽くしていた。
「フランさん、リラックスして下さい。僕達しかいないんですよ?」
「あぁ…はい…。」とフランさんは余計にカチコチした動きでソファーへ座る。
僕は早速、紅茶の準備に取り掛かったが、いつもイモーテルが準備してしまう為、イマイチやり方が分からない…。
「あのぉ…フランさん…申し訳ないのですが、紅茶の淹れ方、教えてもらえませんか?」
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