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9. 入学式
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8年後ー。
「お父様!お母様!お洋服は変じゃないかしら?」
「ああ、よく似合ってるよ、ブルーマリー。」
「ええ、凄く可愛らしいわ。」
今日はブルーマリーにとって待ちに待った魔法学校の入学式。
僕はそれを見ながら、これから訪れるであろう災難に頭を悩ませていた。
あれから8年、僕はブルーマリーの性格が歪まないように必死にやってきたつもりだ。しかしゲーム設定が強いのか、ブルーマリーの持って生まれた物なのか、多少マシになったというレベルに留まってしまった。
ブルーマリーは一度、そうだと思うと周りを顧みず突っ走ることがある、これが魔法学校に入り、更にヒロインが現れると悪化するのだろう。
一方、僕はというとあれから必死に勉強を頑張り見事、飛び級を果たした。よって僕も今日はブルーマリーと共に入学式に参加する。
あの日から僕は勉強に関しては相当頑張ったと思う。こちらの世界の文字が全く読めなかった僕にとって勉強は地獄の様だった。なんせ生前の記憶が邪魔をし変な偏見を持っている為、なかなか単語が頭に入らないのだ。
最初はイモーテルのおかげで文字は覚えることが出来たが、ある文字と文字が組み合わさると文字が変形したり"橋・端・箸"のように同じ読み方だが、使う場所が違うなど、僕にとっては未知の世界だった。
それによって、この世界の単語を覚えるのに数年かかり、僕は始め劣等生として扱われていた。
しかし、僕は没落ルート回避に必死に頑張り、なんとかブルーマリーと同時期に入学式を迎えることが出来た。
「(はぁ…ここまで長かった…。けど、今日から更に気合いを入れないと大変なことになる…!)」と決意し、両親とブルーマリーと共に魔法学校へと向かった。
僕は馬車の中でこれからのことを考える。
「(確か…入学式でヒロインは道に迷ったところを攻略対象である1人に助けられるんだよね…。)」
僕が「ゔーん…。」と唸っているとブルーマリーに「どうしたの?」と声を掛けられる。
「あっ…いや…緊張して…。
(これからのことに悩んでたなんて言えないし…。)」
と苦笑いで答える。
するとブルーマリーはフフンッという顔で「緊張だなんて…トルー…まだまだお子様ね。」と笑った。
「…そういえば、トルー…貴方、もう13歳だというのに私より身長が低いわね。私、姉として恥ずかしいわ。学校ではあまり話し掛けないで頂戴。」と告げる。
「(えぇ~…。)」と僕が思っていると父様が「ブルーマリー…そんなこと言ってはいけない、学校では公爵家として恥ずかしくない態度を取らないとダメだぞ。」とブルーマリーは窘められる。
それに「はーい。」と納得いかない表情で答えるブルーマリーだった。
ブルーマリーが僕の容姿を卑下するのには理由がある。
この世界は乙女ゲームということで脇役は兎も角、出演する人々が美形もしくは美人なのだ。ルート様を始め、ブルーマリーもサンバックもそうだ。
一方、僕は茶髪、蒼眼という点では父様の遺伝子を受け継いでいるがパーツに関しては中の上、良くて上の下くらいの扱いだ。元々この世界にいることのなかった僕だから、そういう扱いなんだろう。
元の世界なら割とモテるはずの容姿だが、この世界は上の上ばかり…理不尽だ…。
そんなこともあってブルーマリーは成長していくにつれて僕に対する風当たりも強くなっていく。
「着いてこないで!」
「貴方の顔なんて見たくない!」
など、様々な誹謗中傷を陰で言われ続けたが僕としては十分な容姿なので気にしていない。言われた時は「わかった。」と言い姿を消す。しかし、後からコソコソと着いていく、というのが流れになっていた。
暫くして、馬車が止まった。
僕は入学式前にヒロインが道に迷う場所に行かなければならないので、早々に馬車を降りる。
「「トルー!?」」
と両親の驚く声が聞こえたが、僕は聞いてないフリをして駆け出した。
「お父様!お母様!お洋服は変じゃないかしら?」
「ああ、よく似合ってるよ、ブルーマリー。」
「ええ、凄く可愛らしいわ。」
今日はブルーマリーにとって待ちに待った魔法学校の入学式。
僕はそれを見ながら、これから訪れるであろう災難に頭を悩ませていた。
あれから8年、僕はブルーマリーの性格が歪まないように必死にやってきたつもりだ。しかしゲーム設定が強いのか、ブルーマリーの持って生まれた物なのか、多少マシになったというレベルに留まってしまった。
ブルーマリーは一度、そうだと思うと周りを顧みず突っ走ることがある、これが魔法学校に入り、更にヒロインが現れると悪化するのだろう。
一方、僕はというとあれから必死に勉強を頑張り見事、飛び級を果たした。よって僕も今日はブルーマリーと共に入学式に参加する。
あの日から僕は勉強に関しては相当頑張ったと思う。こちらの世界の文字が全く読めなかった僕にとって勉強は地獄の様だった。なんせ生前の記憶が邪魔をし変な偏見を持っている為、なかなか単語が頭に入らないのだ。
最初はイモーテルのおかげで文字は覚えることが出来たが、ある文字と文字が組み合わさると文字が変形したり"橋・端・箸"のように同じ読み方だが、使う場所が違うなど、僕にとっては未知の世界だった。
それによって、この世界の単語を覚えるのに数年かかり、僕は始め劣等生として扱われていた。
しかし、僕は没落ルート回避に必死に頑張り、なんとかブルーマリーと同時期に入学式を迎えることが出来た。
「(はぁ…ここまで長かった…。けど、今日から更に気合いを入れないと大変なことになる…!)」と決意し、両親とブルーマリーと共に魔法学校へと向かった。
僕は馬車の中でこれからのことを考える。
「(確か…入学式でヒロインは道に迷ったところを攻略対象である1人に助けられるんだよね…。)」
僕が「ゔーん…。」と唸っているとブルーマリーに「どうしたの?」と声を掛けられる。
「あっ…いや…緊張して…。
(これからのことに悩んでたなんて言えないし…。)」
と苦笑いで答える。
するとブルーマリーはフフンッという顔で「緊張だなんて…トルー…まだまだお子様ね。」と笑った。
「…そういえば、トルー…貴方、もう13歳だというのに私より身長が低いわね。私、姉として恥ずかしいわ。学校ではあまり話し掛けないで頂戴。」と告げる。
「(えぇ~…。)」と僕が思っていると父様が「ブルーマリー…そんなこと言ってはいけない、学校では公爵家として恥ずかしくない態度を取らないとダメだぞ。」とブルーマリーは窘められる。
それに「はーい。」と納得いかない表情で答えるブルーマリーだった。
ブルーマリーが僕の容姿を卑下するのには理由がある。
この世界は乙女ゲームということで脇役は兎も角、出演する人々が美形もしくは美人なのだ。ルート様を始め、ブルーマリーもサンバックもそうだ。
一方、僕は茶髪、蒼眼という点では父様の遺伝子を受け継いでいるがパーツに関しては中の上、良くて上の下くらいの扱いだ。元々この世界にいることのなかった僕だから、そういう扱いなんだろう。
元の世界なら割とモテるはずの容姿だが、この世界は上の上ばかり…理不尽だ…。
そんなこともあってブルーマリーは成長していくにつれて僕に対する風当たりも強くなっていく。
「着いてこないで!」
「貴方の顔なんて見たくない!」
など、様々な誹謗中傷を陰で言われ続けたが僕としては十分な容姿なので気にしていない。言われた時は「わかった。」と言い姿を消す。しかし、後からコソコソと着いていく、というのが流れになっていた。
暫くして、馬車が止まった。
僕は入学式前にヒロインが道に迷う場所に行かなければならないので、早々に馬車を降りる。
「「トルー!?」」
と両親の驚く声が聞こえたが、僕は聞いてないフリをして駆け出した。
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