34 / 48
第1章
34. 出発
しおりを挟む
狡い選択?
側から見たらそう思われるかもしれないが人間誰しも嫌われたくない、それは僕にも当て嵌まる。
お兄様…ごめんなさい。
僕は心の中でそっと謝罪をするとそれ以降、罪悪感を感じながら残りの日数を過ごすことにした。
それからさらに数日が経ち、いよいよ僕が旅に出発する日を迎えた。
「お父様、お母様そしてお兄様、お姉様、今までお世話になりました、オリバー・シェフィールド行って参ります!」
僕はリュックに最低限の荷物を入れ旅支度をし、元気よく挨拶をした。お父様とお母様は和かに、しかしお兄様とお姉様は横で号泣している。
「ゔぅっ…オリバー…!行かないでぇ…!」
そう言ってお姉様が抱き着いてきた。反対には僕の手を握って離さないお兄様がいる。
「やっぱり嫌だ~!オリバー!ずっと一緒にいてくれ~!」
二人にそこまで引き留められて嬉しくないわけがない。
「ありがとうございます、そう言ってもらえると凄く嬉しいです。また近況を手紙に認めますのでそんなに落ち込まないで下さい。ではお父様、お母様お身体に気を付けて。」
「ああ、オリバー。お前こそ身体に気を付けて行っておいで。」
「オリバー、必ず手紙を書いて下さいね、待ってますよ。」
僕は二人をやんわりと振り解くと両親に頭を下げ出発した。あまり長居してしまうと旅に出る気持ちが揺らぎそうになるからだ。
よし!ここからは僕1人での冒険だ!気を引き締めて頑張ろう!あぁそうだ!ノア様の所に行かないと!
そう気合を入れ直すと僕はノア様の家に向かって歩き出した。そして途中で馬車に乗り込みノア様の屋敷を目指す。
そういえば何か贈り物をしたいって言ってたなぁ、何なんだろう?
不思議に思いながら馬車に揺られていると早々に馬車が止まる。もう着いたのかと僕が馬車を降りるとノア様が出迎えてくれた。
「ノア様⁉︎どうしてここに?わざわざ外におられなくても僕から訪ねましたのに…。」
あれ?いつもと服装が…。
ノアの服装はいつもと違って簡素な出で立ちである。
「いやいや、私がそうしたかっただけだから気にしないで。それよりも今日出発なんだよね?」
「はい、そうです。この後、ノア様と話した通り隣の街まで行くつもりです。」
「そっか、良い判断だね。それであれから剣や魔法の技術は上がったの?」
「兄と姉が指導して下さいましたので人並み程度には向上したかと…。」
僕がそう答えるとノア様の片眉がピクッと動く。
「人並み程度…?人並み程度なんてまだまだ駄目だよ。私が護衛を雇えとは言ったけど護衛の隙を突かれたら魔物や魔獣に襲われてしまう。自分の身を守れるのは自分しかいないんだから。」
「はっはい、すみません…。」
えっなんで僕怒られてるの…?
「だからね、そんなオリバーにとっておきの護衛兼指導係を紹介しようと思って今日は来てもらったんだ。」
「はいっ⁉︎」
えっえっ?どういうこと、なんでそんな…。
「早速誰か教えるね、それは………私です!」
側から見たらそう思われるかもしれないが人間誰しも嫌われたくない、それは僕にも当て嵌まる。
お兄様…ごめんなさい。
僕は心の中でそっと謝罪をするとそれ以降、罪悪感を感じながら残りの日数を過ごすことにした。
それからさらに数日が経ち、いよいよ僕が旅に出発する日を迎えた。
「お父様、お母様そしてお兄様、お姉様、今までお世話になりました、オリバー・シェフィールド行って参ります!」
僕はリュックに最低限の荷物を入れ旅支度をし、元気よく挨拶をした。お父様とお母様は和かに、しかしお兄様とお姉様は横で号泣している。
「ゔぅっ…オリバー…!行かないでぇ…!」
そう言ってお姉様が抱き着いてきた。反対には僕の手を握って離さないお兄様がいる。
「やっぱり嫌だ~!オリバー!ずっと一緒にいてくれ~!」
二人にそこまで引き留められて嬉しくないわけがない。
「ありがとうございます、そう言ってもらえると凄く嬉しいです。また近況を手紙に認めますのでそんなに落ち込まないで下さい。ではお父様、お母様お身体に気を付けて。」
「ああ、オリバー。お前こそ身体に気を付けて行っておいで。」
「オリバー、必ず手紙を書いて下さいね、待ってますよ。」
僕は二人をやんわりと振り解くと両親に頭を下げ出発した。あまり長居してしまうと旅に出る気持ちが揺らぎそうになるからだ。
よし!ここからは僕1人での冒険だ!気を引き締めて頑張ろう!あぁそうだ!ノア様の所に行かないと!
そう気合を入れ直すと僕はノア様の家に向かって歩き出した。そして途中で馬車に乗り込みノア様の屋敷を目指す。
そういえば何か贈り物をしたいって言ってたなぁ、何なんだろう?
不思議に思いながら馬車に揺られていると早々に馬車が止まる。もう着いたのかと僕が馬車を降りるとノア様が出迎えてくれた。
「ノア様⁉︎どうしてここに?わざわざ外におられなくても僕から訪ねましたのに…。」
あれ?いつもと服装が…。
ノアの服装はいつもと違って簡素な出で立ちである。
「いやいや、私がそうしたかっただけだから気にしないで。それよりも今日出発なんだよね?」
「はい、そうです。この後、ノア様と話した通り隣の街まで行くつもりです。」
「そっか、良い判断だね。それであれから剣や魔法の技術は上がったの?」
「兄と姉が指導して下さいましたので人並み程度には向上したかと…。」
僕がそう答えるとノア様の片眉がピクッと動く。
「人並み程度…?人並み程度なんてまだまだ駄目だよ。私が護衛を雇えとは言ったけど護衛の隙を突かれたら魔物や魔獣に襲われてしまう。自分の身を守れるのは自分しかいないんだから。」
「はっはい、すみません…。」
えっなんで僕怒られてるの…?
「だからね、そんなオリバーにとっておきの護衛兼指導係を紹介しようと思って今日は来てもらったんだ。」
「はいっ⁉︎」
えっえっ?どういうこと、なんでそんな…。
「早速誰か教えるね、それは………私です!」
0
お気に入りに追加
825
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
【完結】「アンティーク・ベア」のいる店へようこそ!〜ならない秘密のオルゴール〜
ayame
ファンタジー
亡き大伯母から、経営していた骨董屋を継いで欲しいと手紙を受け取った16歳のエレーン。意気揚々と乗り込んだお店には、4匹のテディベアがいた。
「嘘でしょ!? なんであんたたち、しゃべるの? 動くの?」
個性豊かなアンティーク・ベアたちとともに送る、骨董品にまつわる不思議な物語。
昔昔に書いていたものを、登場人物を増やしてリメイクしてみました。他作品と違い、かなりのゆるふわ設定で、現実味は薄めです。ツッコミどころが多いことをご了承の上、お付き合いくださいませ。完結しておりますので毎日更新です。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
ふたなり治験棟
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる