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第1章
20. ノア様との別れ
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その後、なんとかノア様に納得してもらえるように説明に説明を重ねた僕はやっと2時間後に解放された。勿論、休憩を挟んでの2時間なのでこんなものと言われればそうかもしれないが、ノア様を納得させるのがこれほどまで難しいとは思ってもみなかった。最後まで護衛のことを渋っていた彼だったが「まだ出発までに半年はありますし…。」という僕の言葉に何故か大いに納得し、そこから話がトントン拍子に進んでいった。何故、そこでそんなにも納得がいったかは分からないが、それによって時間が大幅に短縮できたのは嬉しい誤算である。
「ノア様、今日はお忙しい中、時間を割いて頂きありがとうございました。それでは失礼致します。」
そう言って立ち上がるとノア様が「玄関まで送るよ。」と一緒に立ち上がった。さすがにそこまでしてもらうのは悪いと思い、それを断ったが彼は「いいから。」と笑顔で僕の背中を押して玄関へと向かった。
「あの、本当に今日はありがとうございました。そしてご迷惑ばかりお掛けして申し訳ございませんでした。」
僕は自身の馬車を留めている僅かな道中でも再度謝罪を口にする。
「ううん、もう謝らなくてもいいよ、気にしてないから。」
彼は微笑みながら馬車へ乗ろうとする僕の手を掴み、腰を支えながらエスコートしてくれる。僕が座椅子の腰掛け、窓から彼を見下ろしてもなお、彼は笑みを絶やさないでいた。
やっぱり、なんでこんな良い人が僕なんかに…。
そんな想いが更に強くなった僕は言わなくてもいい台詞を言ってしまう。
「ノア様、貴方はとても素敵な方です。僕が言える立場ではありませんが、きっと貴方に相応しい方が現れるはすです。なので僕のことは忘れて新しい奥様を迎えて下さい…。それでは長時間お付き合い頂きましてありがとうございました。」
僕の別れの挨拶の後、馬車が走りだした。
別れる直前、彼が驚いた顔をしていたのは一体何故だろう。
「ノア様、今日はお忙しい中、時間を割いて頂きありがとうございました。それでは失礼致します。」
そう言って立ち上がるとノア様が「玄関まで送るよ。」と一緒に立ち上がった。さすがにそこまでしてもらうのは悪いと思い、それを断ったが彼は「いいから。」と笑顔で僕の背中を押して玄関へと向かった。
「あの、本当に今日はありがとうございました。そしてご迷惑ばかりお掛けして申し訳ございませんでした。」
僕は自身の馬車を留めている僅かな道中でも再度謝罪を口にする。
「ううん、もう謝らなくてもいいよ、気にしてないから。」
彼は微笑みながら馬車へ乗ろうとする僕の手を掴み、腰を支えながらエスコートしてくれる。僕が座椅子の腰掛け、窓から彼を見下ろしてもなお、彼は笑みを絶やさないでいた。
やっぱり、なんでこんな良い人が僕なんかに…。
そんな想いが更に強くなった僕は言わなくてもいい台詞を言ってしまう。
「ノア様、貴方はとても素敵な方です。僕が言える立場ではありませんが、きっと貴方に相応しい方が現れるはすです。なので僕のことは忘れて新しい奥様を迎えて下さい…。それでは長時間お付き合い頂きましてありがとうございました。」
僕の別れの挨拶の後、馬車が走りだした。
別れる直前、彼が驚いた顔をしていたのは一体何故だろう。
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