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第1章
6. 紹介
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そもそも僕とノア様は殆ど話したことさえない。お貴族のパーティーなどがあった際は顔を合わすことはあったが、挨拶程度でそれ以上はない。
まともに話したことがない相手にあそこまで熱心に求婚するだろうか…?本人は否定していたが、やはり僕がふたなりだから?それしか考えられない。
そして自宅に戻った僕に待ち受けていた災難はそれだけではなかった。
「オ・リ・バー!!!」
そこには般若の顔をしたお父様が立っていた。
「おっお父様⁉︎」
「謹慎しておきなさいと言ったのを忘れたのか!期間を延長するから覚悟しておきなさい!」
怒り心頭のお父様はプンプンと怒りながら僕を部屋に閉じ込めた。なんともタイミングが悪い。ノア様に改めて交際を申し込まれた僕はお父様からすれば喜ばしいことかもしれないが、謹慎していると彼が訪ねて来たときに逃げられない。
僕はベッドに倒れるように項垂れると謹慎期間を平和に過ごせるように心の中でそっと祈った。
2日後ー。
やはり僕の平穏は崩れ去ることとなる。
「やぁオリバー。お父様に許しをもらったので会いに来たよ。」
和かに現れたのは案の定ノア様だった。
「ノア様…こんにちは。わざわざご足労いただきありがとうございます。」
「いや、愛しのオリバーに会うためならこんなこと苦でもなんでもないよ、さぁ出掛けよう。」
そう言ってノア様は僕の手を掴み立ち上がらせた。
「あの!僕は今、謹慎中で…!」
「分かっているよ、でもその理由は私だろう?お父様にだってきちんと説明しているから大丈夫さ。」
「そうなのですか?でも、どちらへ…?」
若干、この前から強引な誘いをしてくる彼だが身分の上の彼には正当な理由がないと逆らうことは出来ない。
「私がオススメの場所を案内しよう、いいかい?」
「はっはい…。」
半分、引き摺られる様な形でノア様に連れて行かれた場所はなんと彼の実家だった。
「あの…ノア様、ここは…。」
「ああ、私の家だよ。私の両親が"たまたま"仕事が休みだったからオリバーを紹介しようと思って。」
「えっ…しかし僕は…。」
「大丈夫、オリバーのことは友人として紹介するから。」
「いや、でも…。」
結局、僕のことを無視したノア様はそれでも大丈夫と言い中に入って行く。慌てて着いて行くと談話室のような所に壮年の男女がお茶をしている姿が見えた。
まさか…。
「父さん、母さん、連れて来たよ。」
その声に反応した2人はこちらを振り返りニッコリと微笑む。
アボット侯爵様…。
慌てて挨拶をする為に前に出る。
「はっ初めまして。私はジョージ・シェフィールドが息子オリバー・シェフィールドと申します。突然の訪問、お許し下さい。」
まともに話したことがない相手にあそこまで熱心に求婚するだろうか…?本人は否定していたが、やはり僕がふたなりだから?それしか考えられない。
そして自宅に戻った僕に待ち受けていた災難はそれだけではなかった。
「オ・リ・バー!!!」
そこには般若の顔をしたお父様が立っていた。
「おっお父様⁉︎」
「謹慎しておきなさいと言ったのを忘れたのか!期間を延長するから覚悟しておきなさい!」
怒り心頭のお父様はプンプンと怒りながら僕を部屋に閉じ込めた。なんともタイミングが悪い。ノア様に改めて交際を申し込まれた僕はお父様からすれば喜ばしいことかもしれないが、謹慎していると彼が訪ねて来たときに逃げられない。
僕はベッドに倒れるように項垂れると謹慎期間を平和に過ごせるように心の中でそっと祈った。
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やはり僕の平穏は崩れ去ることとなる。
「やぁオリバー。お父様に許しをもらったので会いに来たよ。」
和かに現れたのは案の定ノア様だった。
「ノア様…こんにちは。わざわざご足労いただきありがとうございます。」
「いや、愛しのオリバーに会うためならこんなこと苦でもなんでもないよ、さぁ出掛けよう。」
そう言ってノア様は僕の手を掴み立ち上がらせた。
「あの!僕は今、謹慎中で…!」
「分かっているよ、でもその理由は私だろう?お父様にだってきちんと説明しているから大丈夫さ。」
「そうなのですか?でも、どちらへ…?」
若干、この前から強引な誘いをしてくる彼だが身分の上の彼には正当な理由がないと逆らうことは出来ない。
「私がオススメの場所を案内しよう、いいかい?」
「はっはい…。」
半分、引き摺られる様な形でノア様に連れて行かれた場所はなんと彼の実家だった。
「あの…ノア様、ここは…。」
「ああ、私の家だよ。私の両親が"たまたま"仕事が休みだったからオリバーを紹介しようと思って。」
「えっ…しかし僕は…。」
「大丈夫、オリバーのことは友人として紹介するから。」
「いや、でも…。」
結局、僕のことを無視したノア様はそれでも大丈夫と言い中に入って行く。慌てて着いて行くと談話室のような所に壮年の男女がお茶をしている姿が見えた。
まさか…。
「父さん、母さん、連れて来たよ。」
その声に反応した2人はこちらを振り返りニッコリと微笑む。
アボット侯爵様…。
慌てて挨拶をする為に前に出る。
「はっ初めまして。私はジョージ・シェフィールドが息子オリバー・シェフィールドと申します。突然の訪問、お許し下さい。」
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