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第1章
3. 兄
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「はぁ…流石にもう断れないかな…。」
今までのお見合い話をすでに3回は断っている。勿論、同じ人物からではないがこんな平々凡々な僕に求婚してくるなど、とんだ物好きがいるものだ。
「なんでほっといてくれないんだ~。」
明日はこの国の王様の就任20年のパレードがある。そこには皇子のジャック様も一緒だという。僕のここ数年の推しはそのジャック様なのだ。ジャック様は所謂俺様タイプの皇子様で爽やか好青年のタイプとは違う皇子様だ。その点でいうとジャック様の幼馴染であるルイ様がその爽やか皇子に当てはまる。様々な式典でもジャック様とルイ様はいつも近くで親しげにお話されている。僕は腐男子というわけではないが見目麗しいお二人が仲良さげにお話されている姿は眼福だと思う。
パレードでも近くにいるんだろうな~。
と顔を緩ませているとコンコンとノックする音が聞こえた。
謹慎中の僕に何の用だろう。
そう思いながら扉を開けるとハリーお兄様が立っていた。お兄様は見上げる僕を心配そうに見つめ「オリバー…可哀想に。オリバーは何も悪くないよ、嫌なものは嫌なんだよね?これからも嫌だと思うなら父様にそう言いなさい。」と両肩を掴まれた。
ハリーお兄様は僕より2歳年上で僕と違って超がつくほど良い人だ、そして心配性。
僕は美形は苦手だが兄弟ということもあってハリーお兄様は大丈夫。まぁ主に観賞対象ではあるけど。お兄様は当たり前だが、前世の記憶がない。よってこの世界、この世で普通に暮らしている。僕と違ってこの子爵家の跡取りとして恥ずかしくない生活を送っている人だ。
「うん…僕には勿体ない人だったから…。もっとこう…僕に合うような平凡な人がいいんだ。」
僕のその言葉に珍しくお兄様が声を荒げる。
「何言ってるんだ!オリバーはこんなに可愛いんだからもっと良い人と一緒になってもいいんだよ⁉︎」
いや…僕の顔、中の中…。
「それにオリバーは珍しい両性なんだから相手を選ぶ権利があるんだよ!」
そうなのだ、この世の両性はその珍しさから相手を選ぶ権利がある。といってもかなり希少であるわけではないので奥さんに娶れたらラッキーだね、くらい。両性が産んだ子供は類稀なる才能を持って生まれると言われている為、そういう目的で両性の相手を求める人もいる。今までのお見合いも全部そんな感じだった。今回のお見合い相手ノア様もそれが目的…らしい。らしいというのも両性相手じゃないと!とあからさまに雰囲気を醸し出す人はあまりいない為、今回もそうだとは言い切れないが僕の前にも違う両性の人にお見合いを打診したとかしないとか…。まぁ情報は曖昧なのだが、そんなことはどうでもいい。結局、ノア様も顔がいいので僕の範疇外だ。
今までのお見合い話をすでに3回は断っている。勿論、同じ人物からではないがこんな平々凡々な僕に求婚してくるなど、とんだ物好きがいるものだ。
「なんでほっといてくれないんだ~。」
明日はこの国の王様の就任20年のパレードがある。そこには皇子のジャック様も一緒だという。僕のここ数年の推しはそのジャック様なのだ。ジャック様は所謂俺様タイプの皇子様で爽やか好青年のタイプとは違う皇子様だ。その点でいうとジャック様の幼馴染であるルイ様がその爽やか皇子に当てはまる。様々な式典でもジャック様とルイ様はいつも近くで親しげにお話されている。僕は腐男子というわけではないが見目麗しいお二人が仲良さげにお話されている姿は眼福だと思う。
パレードでも近くにいるんだろうな~。
と顔を緩ませているとコンコンとノックする音が聞こえた。
謹慎中の僕に何の用だろう。
そう思いながら扉を開けるとハリーお兄様が立っていた。お兄様は見上げる僕を心配そうに見つめ「オリバー…可哀想に。オリバーは何も悪くないよ、嫌なものは嫌なんだよね?これからも嫌だと思うなら父様にそう言いなさい。」と両肩を掴まれた。
ハリーお兄様は僕より2歳年上で僕と違って超がつくほど良い人だ、そして心配性。
僕は美形は苦手だが兄弟ということもあってハリーお兄様は大丈夫。まぁ主に観賞対象ではあるけど。お兄様は当たり前だが、前世の記憶がない。よってこの世界、この世で普通に暮らしている。僕と違ってこの子爵家の跡取りとして恥ずかしくない生活を送っている人だ。
「うん…僕には勿体ない人だったから…。もっとこう…僕に合うような平凡な人がいいんだ。」
僕のその言葉に珍しくお兄様が声を荒げる。
「何言ってるんだ!オリバーはこんなに可愛いんだからもっと良い人と一緒になってもいいんだよ⁉︎」
いや…僕の顔、中の中…。
「それにオリバーは珍しい両性なんだから相手を選ぶ権利があるんだよ!」
そうなのだ、この世の両性はその珍しさから相手を選ぶ権利がある。といってもかなり希少であるわけではないので奥さんに娶れたらラッキーだね、くらい。両性が産んだ子供は類稀なる才能を持って生まれると言われている為、そういう目的で両性の相手を求める人もいる。今までのお見合いも全部そんな感じだった。今回のお見合い相手ノア様もそれが目的…らしい。らしいというのも両性相手じゃないと!とあからさまに雰囲気を醸し出す人はあまりいない為、今回もそうだとは言い切れないが僕の前にも違う両性の人にお見合いを打診したとかしないとか…。まぁ情報は曖昧なのだが、そんなことはどうでもいい。結局、ノア様も顔がいいので僕の範疇外だ。
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