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67. 真実
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「ヨースケ、しなければいけないこととはなんだ!?」
「あっ…うっ…その…!」
と僕はその質問に言い淀む。
クローブさんに聞かれたとはいえ、内容が内容なだけにハッキリと言うことが出来なかった。
その間にも王様は「侵入者を捕らえよ。」と指示を出し、僕の腕を掴んでいたクローブさんは無理矢理何処かに連れて行かれそうになる。
僕はクローブさんの身を案じ「クローブさん!」と叫ぶ。
しかし王様が「お前が大人しくしておけば、アイツには手出ししない。」と言ったことで僕は泣く泣く押し黙った。
クローブさんは僕の姿が見えなくなるまで僕の名前を叫び続け、僕は居たたまりのなさから下を向いた。
部屋には僕と王様だけが残る。
「…アイツがお前の言ってた結婚を約束した相手か。」
「…。」
「…まぁいい…明日は計画通り行うからな。」
と言って王様は部屋を出て行こうとする。しかし、僕は慌てて王様を呼び止めるとクローブさんに会えるようお願いした。
「駄目だ、お前達が何を計画するか分からん。」
「お願いです!僕の状況を説明しないとクローブさんも納得しません!それこそさっきみたいに強硬手段をとるかもしれません。だから僕から説明して帰ってもらいます…だから…!お願いします!」
と僕を頭を下げ、懸命に頼む。
王様はしばらく黙ると「私も同席するなら許可しよう。」と許してくれた。
次の日の朝、僕は王様と共にクローブさんが捕らえられている牢へと向かう。地下へと続く階段を降り、カビ臭い廊下を歩くと1番奥の牢にクローブさんは居た。
「ヨースケ!!!」
「クローブさん!無事ですか!?何もされてませんか?」
僕は牢の外からクローブさんの手を握り締める。
王様は僕の背後でクローブさんに見えないところで待機していた。
「…ああ、大丈夫だ。何もされていない…それよりヨースケ…お前はここで嫌なことをされてないか…?俺はそれが心配で仕方なかった…。」
「…いえ…大丈夫です…クローブさんが心配するようなことはされていませんから安心して下さい。」と微笑む。
僕は王様にされたあの一件のことをどうしても言う事が出来なかった。
「そうか…しかし、お前が何かここでしなければ帰れないのだろう…?」
とクローブさんの純粋なその問いに僕は覚悟を決め、昨晩考えついた残酷な嘘を告げる。
「…あの…クローブさん…僕…初めてクローブさん達に会ったとき、なんでこの世界に来たのか理由が分からないって言いましたよね…?それがこの王宮に来て分かった気がするんです…僕…僕は…王様の子供を産まないといけない使命があるんじゃないかって…。」
クローブさんは僕の発言に一瞬、言葉に詰まると「そんなこと誰が決めた!」と叫ぶ。
「ヨースケがこの世界に来た理由があろうとなかろうと俺はそんなこと、どうだっていい!ヨースケが側にいてくれるだけでそれだけでいいんだ…!ヨースケ!ヨースケはどうしたい!?このままこの王宮で一生暮らすのか!?それとも俺のところに戻って来るのか!?」
僕は申し訳なくてボロボロと涙を流しながらクローブさんを見つめ「僕は…クローブさんの元に戻りたい…!でもその為には王様の子供を産まないと帰れないんです…。」と答える。
クローブさんは泣きそうなそれでいて悔しそうな顔をしながら牢をガシャンッと殴る。そして静かに「…王様…そこにいるんだろう…。」と呟く。
王様は「やはり気付いていたか。」と顔を覗かせると「よくもこんな残酷なことをっ!」とクローブさんは叫ぶ。
しかし、王様は何も答えない。
終いにクローブさんは諦めた様に「本当は…絶対にそんなことをヨースケにはさせたくない…しかし、そうしないとヨースケが帰ってこれないというのなら、俺はこの件に目を瞑ろう…だが!ヨースケを少しでも傷つけてみろ!どんなことをしてもお前を殺してやる!」とクローブさんは牢を殴る。
王様は静かに「…今日の午後にでも牢から出してやろう。」と告げると僕の腕を取り地下室から引っ張り上げた。
僕は泣きじゃくりながら王様と部屋へと戻る。
「うっ…ぐずっ…。」
僕の様子に「そんなに哀しいか…?」と王様は聞いてきた。しかし、それに僕が応えずにいると王様はソファーに腰掛け、1人話し始めた。
「我々一族は他の種族より血が濃い…その為、異種間での繁殖が行えず、昔から兄弟…もしくは親子でも番うことがよくあった…そして一族で残ったのが私の両親だけになったとき…私の両親…父は私と代が変わるときに亡くなった…いや…実際は私が殺したのだ。我々、王族は代替わりをする際、先代を新しく王座に就いたものが殺すことになっている。だから私はこの決まりに乗っ取って父を殺した。その後、夫であり兄を失った母は私を置いて自ら命を絶ち、私は本当に1人になった…信頼できる仲間も同族もおらず、ただ1人この王宮で政治を行うだけ…フッ…なんて寂しいのだろうな…。ヨースケ…今回のことは本当にすまないと思っている…しかし私も自身の為に跡継ぎを設け、もうこの長い年月に終止符を打ちたいのだ…。」
と王様は今までにないような泣きそうな表情で告げた。
「あっ…うっ…その…!」
と僕はその質問に言い淀む。
クローブさんに聞かれたとはいえ、内容が内容なだけにハッキリと言うことが出来なかった。
その間にも王様は「侵入者を捕らえよ。」と指示を出し、僕の腕を掴んでいたクローブさんは無理矢理何処かに連れて行かれそうになる。
僕はクローブさんの身を案じ「クローブさん!」と叫ぶ。
しかし王様が「お前が大人しくしておけば、アイツには手出ししない。」と言ったことで僕は泣く泣く押し黙った。
クローブさんは僕の姿が見えなくなるまで僕の名前を叫び続け、僕は居たたまりのなさから下を向いた。
部屋には僕と王様だけが残る。
「…アイツがお前の言ってた結婚を約束した相手か。」
「…。」
「…まぁいい…明日は計画通り行うからな。」
と言って王様は部屋を出て行こうとする。しかし、僕は慌てて王様を呼び止めるとクローブさんに会えるようお願いした。
「駄目だ、お前達が何を計画するか分からん。」
「お願いです!僕の状況を説明しないとクローブさんも納得しません!それこそさっきみたいに強硬手段をとるかもしれません。だから僕から説明して帰ってもらいます…だから…!お願いします!」
と僕を頭を下げ、懸命に頼む。
王様はしばらく黙ると「私も同席するなら許可しよう。」と許してくれた。
次の日の朝、僕は王様と共にクローブさんが捕らえられている牢へと向かう。地下へと続く階段を降り、カビ臭い廊下を歩くと1番奥の牢にクローブさんは居た。
「ヨースケ!!!」
「クローブさん!無事ですか!?何もされてませんか?」
僕は牢の外からクローブさんの手を握り締める。
王様は僕の背後でクローブさんに見えないところで待機していた。
「…ああ、大丈夫だ。何もされていない…それよりヨースケ…お前はここで嫌なことをされてないか…?俺はそれが心配で仕方なかった…。」
「…いえ…大丈夫です…クローブさんが心配するようなことはされていませんから安心して下さい。」と微笑む。
僕は王様にされたあの一件のことをどうしても言う事が出来なかった。
「そうか…しかし、お前が何かここでしなければ帰れないのだろう…?」
とクローブさんの純粋なその問いに僕は覚悟を決め、昨晩考えついた残酷な嘘を告げる。
「…あの…クローブさん…僕…初めてクローブさん達に会ったとき、なんでこの世界に来たのか理由が分からないって言いましたよね…?それがこの王宮に来て分かった気がするんです…僕…僕は…王様の子供を産まないといけない使命があるんじゃないかって…。」
クローブさんは僕の発言に一瞬、言葉に詰まると「そんなこと誰が決めた!」と叫ぶ。
「ヨースケがこの世界に来た理由があろうとなかろうと俺はそんなこと、どうだっていい!ヨースケが側にいてくれるだけでそれだけでいいんだ…!ヨースケ!ヨースケはどうしたい!?このままこの王宮で一生暮らすのか!?それとも俺のところに戻って来るのか!?」
僕は申し訳なくてボロボロと涙を流しながらクローブさんを見つめ「僕は…クローブさんの元に戻りたい…!でもその為には王様の子供を産まないと帰れないんです…。」と答える。
クローブさんは泣きそうなそれでいて悔しそうな顔をしながら牢をガシャンッと殴る。そして静かに「…王様…そこにいるんだろう…。」と呟く。
王様は「やはり気付いていたか。」と顔を覗かせると「よくもこんな残酷なことをっ!」とクローブさんは叫ぶ。
しかし、王様は何も答えない。
終いにクローブさんは諦めた様に「本当は…絶対にそんなことをヨースケにはさせたくない…しかし、そうしないとヨースケが帰ってこれないというのなら、俺はこの件に目を瞑ろう…だが!ヨースケを少しでも傷つけてみろ!どんなことをしてもお前を殺してやる!」とクローブさんは牢を殴る。
王様は静かに「…今日の午後にでも牢から出してやろう。」と告げると僕の腕を取り地下室から引っ張り上げた。
僕は泣きじゃくりながら王様と部屋へと戻る。
「うっ…ぐずっ…。」
僕の様子に「そんなに哀しいか…?」と王様は聞いてきた。しかし、それに僕が応えずにいると王様はソファーに腰掛け、1人話し始めた。
「我々一族は他の種族より血が濃い…その為、異種間での繁殖が行えず、昔から兄弟…もしくは親子でも番うことがよくあった…そして一族で残ったのが私の両親だけになったとき…私の両親…父は私と代が変わるときに亡くなった…いや…実際は私が殺したのだ。我々、王族は代替わりをする際、先代を新しく王座に就いたものが殺すことになっている。だから私はこの決まりに乗っ取って父を殺した。その後、夫であり兄を失った母は私を置いて自ら命を絶ち、私は本当に1人になった…信頼できる仲間も同族もおらず、ただ1人この王宮で政治を行うだけ…フッ…なんて寂しいのだろうな…。ヨースケ…今回のことは本当にすまないと思っている…しかし私も自身の為に跡継ぎを設け、もうこの長い年月に終止符を打ちたいのだ…。」
と王様は今までにないような泣きそうな表情で告げた。
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