ビッチな僕が過保護獣人に囲われている件について。

ミイ

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6. 長身の男

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家に戻ってきた僕は充てがわれた部屋で着替えを探す。しかし、ロータスさんには先程の服しか渡されていないため日本で着てたTシャツ1枚しかない。

「(仕方ない…コレを着て戻るか…。)」

僕はそれを着ると先程の場所に急いで戻った。すると先程の人が仁王立ちで待っている。

「あっ…すみません!お待たせしました!」

「ちょっ…ちょっと待て!」

5m程離れた所で叫ばれたので僕はその場に立ち止まった。

「あの…何か…?」

「そんな軽装で何を考えている!」

彼は自分の上着脱ぐと顔を逸らしながら僕に掛けてくれる。

「えっ…ダメでしたか?」

「そっ…そんな庇護欲をそそるような顔されても許さんからな…。」

「(…?)」

「それよりも!お前は誰だ?この敷地内はロータスの敷地だろう?侵入者の場合は処罰する。」

「あの僕はヨースケと言います。昨日、ロータスさんに保護されて暫くお世話になることになりました。」

「…そうなのか?まぁ嘘だとしてもそんな体格じゃ私にとっては脅威ではない…。それでお前は何の種族だ?特徴が見当たらないが…。」

そう言いながらジロジロと見てくる。

「(コレ…ヒトって言っていいのかなぁ…?でもロータスさんにも構えられたし、この人のことまだ信用できるか分からないから…とりあえず誤魔化そう。)
僕は猿です。」

「猿…?確かに耳は丸いが…体毛が薄いな…希少種か?」

「(マズイ…バレちゃう…。)
あの!僕はまだ20歳なのでこれから成長するのかもしれないです!」

「そうか、まだ20歳ならそれだけ小さいのも頷ける。」

うん、うんと先程の疑い深い顔から打って変わって納得してくれた。

「(そもそもこの人誰なんだろう…。)
あの、すみません、貴方は誰なんですか?」

「…ああ、すまない。私はリナロエという。ロータスと共に騎士団に所属していてこの辺りを巡回中、空から見慣れない人影を見つけたので降りてきたというわけだ。」

「(じゃあこの人は空を飛べるのか、凄い!)
そうなんですね、あのリナロエさんの種族は何か聞いてもいいですか?」

「私は鷲だ。」

「鷲!?凄い!だから体格が立派なんですね!」

「そうか…?鷲は大きな翼が特徴だからな、大きくて当たり前だ。」

普段褒められ慣れていないのか、フンッと恥ずかしそうに横を向いた。

僕はその翼の美しさにジリジリと近付く。

「あの…翼を触ってもいいですか?触ったことないんです…!」

すると、彼は真っ赤な顔で「それがどういう意味か分かって言ってるのか!?」と僕から距離を取った。

僕はまた何かやらかしてしまったのだろうか…?
分からず首を傾けるとリナロエさんは咳払いをしながら

「…子供の言った戯言だと聞き流しても良いのだが、今後の為に注意しといてやろう…多種族の特徴であるものに触れたい、という発言は貴方に寄り添いたい、共にいたい、という告白の一種なんだ、だからお前にそういう気がないなら今後は言わない方がいい。」

と律儀に説明してくる。

「(へぇ~そうなんだ。じゃあ気安くケモ耳触らせて、とか尻尾触らせて、って言えないんだ…残念。でも、あの翼はホントに綺麗なんだよなぁ…どうにか触れないかな…?)
わかりました…気を付けます。でもリナロエさんはそう言いたくなる程、魅力的な翼をお持ちですね。」

「なっ…なんだ。子供が一丁前なことを言うんじゃない。」

「普段、特別なお手入れとかされてるんですか?」

さり気無く手を伸ばす。

「(あと、もうちょっと…!)」

僕の手がリナロエさんの翼に触れそうになった時、リナロエさんが自慢の翼を広げて見せた為、余りの大きさにビックリして手を止めてしまった。リナロエさんは僕が翼に触れようとしたことには気付かず「そんなに綺麗か…?特別な手入れはしてないが…。」と嬉しそうに翼をバタバタと動かす。

「それはきっと現状が満たされてるからだと思います。身体と心が満たされてると細かい部分にその特徴が現れるって聞いたことがありますし。」

「そうか…現状に満足しているということだな。しかし、仕事面の環境には恵まれているとは思うが普段は恋人もいない、ただの独身男ってだけだが…。」

「(えぇ?この人も独身なの?この世界の人達って独身が多いの?それに恋人もいないとか…。)
そうなんだ…。皆、見る目がないなぁ…。」

改めて彼をマジマジと見つめる。

「(この世界は顔面偏差値が高いんだな、だからみんな理想が高いとか…。)」

うん、うんとそんなことを考えているとお腹がグゥ~となり空腹を感じた為、彼に帰宅すること告げる。

すぐに背を向けてしまった僕はまたしても気付かなかった…リナロエさんが僕のその発言で身悶えてるとは…。
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