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第二部
15 二人の間
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城で療養中のウルスラの部屋を窓から覗き見ているオカメンコインと、ガロンは意識を共有した。その視界に見えたのは、部屋に案内されたラーティが、ベッドで半身を起こした女と丁度会っているところだった。
複数の警護兵を引き連れ現れたラーティに、女が頭を下げる。
「初めてお目もじ致します。わたくしはエストラザの女王ロザリンドの娘、ウルスラにございます」
年齢は一見しただけでは分からないが、見た目は十七、八といったところか。
血の気のない疲れた顔をしているが、本来ならその陶器のように白く滑らかな柔肌は、ほんのりと薄紅色に染まっているのだろう。女性らしい魅惑的な曲線を描く体に、長く艶やかな漆黒の髪に黒い瞳の、ウルスラは美しい女だった。
同盟国イーグリッドからの襲撃に、民達を逃がすため殿を務めたウルスラは、ラスクールに着いた当初は体に多くの傷を負っていたそうだ。城の治療師が付ききりで対応していたお陰で、今ではほとんどの傷は癒えたと、ラーティは粛々と感謝を述べられていた。
「母は常々『我が友を信じろ』とおっしゃっておりました。今我が国がもっとも信用し、その窮地を救えるのはラスクールのみ……」
無理にベッドから出ると、ウルスラはよろめきながら床に両膝を折る。その後ろで「ウルスラ様!? まだ起き上がってはなりません!」と後ろに控えていた城のメイド達が慌てて止めに入るも、彼女は聞かない。
「どうか力をお貸しください」と改めて頭を垂れる。それからゆっくりと顔を上げたウルスラの、気概を感じさせる気の強そうな顔付き、立ち振る舞い。何よりその異色に、ガロンはウルスラがただの姫ではないと気付いた。
ルーカスも黒髪に黒い瞳だが、ウルスラの色彩とはまるで質が違う。ルーカスのは飽くまでも一般的な人が持ち得る性質であり、対する彼女の性質は純粋な魔の属性にあって、人では持ち得ない純黒で出来ている。
魔力そのものが体にも染み出でた、魔女の性質だ。
「姫、そのように無理をしては体に障る」
ラーティが床に片膝をつき、手を差し出すと、ウルスラは潤んだ瞳でラーティを見上げた。
純黒の瞳と間近で目を合わせたラーティが、程なくして涙を滲ませたウルスラを抱き上げたのを見て、ガロンは頭を痛くする。
そうだった。根っから王子様のラーティが、弱ったお姫様を床の上に放っておくなどできるはずもなかった。
こんな場面、とてもルーカスに報告などできない。しかも、ラーティがウルスラをベッドに丁寧に下ろすと、あろうことか彼女はラーティの腕を掴んだのだ。
その先を想像してガロンはげんなりするも、ルーカスにラーティとウルスラの面会をそれとなく探ってほしいと頼まれていたガロンのすることは決まっていた。すでにラーティと目を合わせてしまった手前、バレてはいるが、せめてこのまま様子を見ることだ。
「このようなときに不謹慎ということは分かっております。ですが……これは、わたくしがずっと願っていたことですわ」
「姫?」
「お会いしたいと思っておりました。お慕いしております。ラーティ様……」
ラーティを一心に思う気持ちの強さ、そうして巧みにラーティの腕に豊満な胸を押し付けるウルスラ。
──カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンッ
だからそう、これはカンカンに怒っているという意味ではなく、オカメンコインが啄木鳥のように嘴を使って窓を突いている音だ。五感を共有している使役獣の上下に揺れる視界を暫し無心で体感していたガロンだったが──って、いや、何やってるの? お前。と途中で我に返った。
どうやらオカメンコインは、ガロンのげんなりしていた思念をまともに受け取ってしまったようだ。
シーンと静まり返った室内に、カンカン響くあからさまな妨害音と、流れる異様な空気。
視線を感じて部屋の中に目を移す。今更止めろと指示を送るには遅すぎた。全員に見られている。
そんななか、構わず淡々と妨害を続ける見た目インコの魔獣は、さぞかし肝が据わっているように見えたのだろう。
一定のリズムで無心に頭を上下させるオカメンコインの揺れる視界には「な、何ですか、あのご家庭で飼育されたのが逃げ出したような不可思議なインコは? 早く追い出すのです!」と、ガロンの使役獣だと知らないウルスラが、同じく当惑しているメイド達に指示を出す姿が……
その一方でガロンの使役獣だと知っているラーティ付きの護衛兵達は、最初からラーティ同様覗き見に気付いていたようだ。必死に笑いを堪えている。そして──
「どうやら姫にはもう少し療養が必要なようだ」
流石ラーティだ。ガロンとの付き合いの長さが違う。オカメンコインの発狂ぶりをものともせず、というか見なかったことにしているような気もするけれど、とりあえず危機は去ったようだ。
ラーティがウルスラに抱き付かれていた腕を、唖然とする彼女の手から力が抜けたタイミングで、するりと抜き取った。同時に、心得ている護衛兵達が二人の間に割って入る。
ウルスラに背中を向け、用はないと去っていくラーティ。手を伸ばしても触れられない距離に、ウルスラは慌てた。
「お、お待ちください! 会って間もないうちに御身に触れたご無礼はお詫び致しますわ! ですが、貴方の妻となるようにと、わたくしはそう育てられましたの。それがわたくしの産まれた理由……だというのに、それを急に現われた一時代前の骨董品のような英雄風情に奪い取られるなど……! それも男になど、許せるはずがないと思いませんこと?」
なるほど。魔女が治めるエストラザはその人口の大半を女が占める。男への対抗心が他の諸国に比べ相当に強い。ルーカスが男であったことが、彼女の自尊心を傷付けたようだ。
だがウルスラは分かっていない。ラーティはルーカスのために王位継承権を放棄した。そのラーティのもっとも愛する伴侶を侮辱したことの意味に。
「ロザリンド・エス・ハーカーがそう君に言ったというのか?」
ラーティが扉へ向かっていた足を止め、わずかに振り返る。護衛兵達の合間から見えるその眼光の冷たさに、彼の気を引けたと喜ぶウルスラは気付かない。
「いいえ、あの方は何も……ですが、わたくしは周りからそうなるようにと言い含められ育てられましたの。それが叶わないなど理不尽なことと思いませんこと? わたくしはこんなに美しく有能ですのに……」
護衛兵達に阻まれ、打つ手のないウルスラは必死だ。それもラーティが足を止めたことで、彼がウルスラの話に気持ちを動かされたのだと、彼女は勘違いをしている。
「確かに姫は美しいが、今のところ私は貴女からその有能さとやらを微塵も感じていない」
──そんな見せ掛けの品位など、本物の足元にも及ばない。
相手の伴侶への配慮を怠り、一時代前の骨董品のような英雄などと、自分の親をも貶める発言を平然とする女に、ラーティが魅力を感じるはずがなかった。
いつになく冷たく言い放ったラーティのつまらない物を見る目に、そこでようやくウルスラは彼の怒りを買ってしまったのだと、自身の失態を理解したようだ。息を呑み、顔を青くする。
弱ったお姫様の立場を有効利用し、賛同を求め、女の武器を使い言葉巧みに訴えるウルスラの言葉には中身がない。軽いのだ。まるで真剣にラーティに恋をしているわけではないような、上辺だけの薄っぺらい台詞。
ここまでくると、想定通りの反応過ぎて気味が悪いくらいだ。
だからか。ガロンは何か、ウルスラに言い様のない違和感を覚えた。その疑問を、しかし紐解いたのはウルスラ本人だった。
「……うふふ。普通の姫君方ならこういう反応をするのでしょうね」
ウルスラのあっさり手の平を返した口調に、対するラーティは今度こそ扉に向けていた体の向きを、完全に彼女の方へと戻した。
ラーティが自身の後方へ警護兵を下がらせると、青ざめ俯きがちだったウルスラが、ゆっくりと顔を上げた。先程までの彼女とは別人のような生きた表情にガロンはハッとする。
相見える形でラーティとウルスラが向かい合う。
先に口を開いたのはラーティだった。
「ところで、ルーカス一筋の貴女がいつから私を慕うようになったのか、お聞きしたいところだ」
腕を組み、普段滅多に表情を出さないラーティが、目を眇めた。
「ラーティ様、お久しぶりです。相変わらずルーカス様一筋でいらっしゃいますのね」
「姫も相変わらずだな。あのまま茶番を続けるのであれば、本当に帰らせてもらうところだった」
「ふふふ、今後の参考までに、先程のことはご留意下さいませ。ラーティ様は少し鈍感なところがございますから……わたくしの愛するルーカス様のためにも」
「私への教訓にしては随分と手が込んでいることだ……」
やれやれと呆れ口調のラーティと、親しげな様子のウルスラ。
…………え? どういうこと? と、訳知り顔の二人の前で、ガロンは首を傾げる。正確には妨害を止めて様子を見守っていたオカメンコインの首を傾げる、だが。
「騙したりして申し訳ございませんでしたわ。インコちゃんの……魔獣さん? ラーティ様とルーカス様がご結婚された今だから言えますけれど。わたくしとラーティ様はルーカス様を愛する者同士という、秘密を共有していた仲でしたの」
ご家庭で飼育されたのが逃げ出したような不可思議なインコの正体が魔獣だとバレていた。
それも、他の姫達が来る前の、いい予行演習になりましたでしょ? と、綺麗な笑みを浮かべるウルスラ。
「二人って知り合いだったの?」と、唖然とするインコ(ガロン)とその他大勢。
思わず「あんたら上辺だけでさっきまでやりあってたのかよっ!?」と、硝子を突くだけじゃなく、ガンガンに頭突きしてやればよかった。なんて考えたのが悪かった。
オカメンコインがガロンの思考を忠実に反映し「よっこいしょー」と、止めの一発を硝子にかました瞬間、ピシッと音がした。
複数の警護兵を引き連れ現れたラーティに、女が頭を下げる。
「初めてお目もじ致します。わたくしはエストラザの女王ロザリンドの娘、ウルスラにございます」
年齢は一見しただけでは分からないが、見た目は十七、八といったところか。
血の気のない疲れた顔をしているが、本来ならその陶器のように白く滑らかな柔肌は、ほんのりと薄紅色に染まっているのだろう。女性らしい魅惑的な曲線を描く体に、長く艶やかな漆黒の髪に黒い瞳の、ウルスラは美しい女だった。
同盟国イーグリッドからの襲撃に、民達を逃がすため殿を務めたウルスラは、ラスクールに着いた当初は体に多くの傷を負っていたそうだ。城の治療師が付ききりで対応していたお陰で、今ではほとんどの傷は癒えたと、ラーティは粛々と感謝を述べられていた。
「母は常々『我が友を信じろ』とおっしゃっておりました。今我が国がもっとも信用し、その窮地を救えるのはラスクールのみ……」
無理にベッドから出ると、ウルスラはよろめきながら床に両膝を折る。その後ろで「ウルスラ様!? まだ起き上がってはなりません!」と後ろに控えていた城のメイド達が慌てて止めに入るも、彼女は聞かない。
「どうか力をお貸しください」と改めて頭を垂れる。それからゆっくりと顔を上げたウルスラの、気概を感じさせる気の強そうな顔付き、立ち振る舞い。何よりその異色に、ガロンはウルスラがただの姫ではないと気付いた。
ルーカスも黒髪に黒い瞳だが、ウルスラの色彩とはまるで質が違う。ルーカスのは飽くまでも一般的な人が持ち得る性質であり、対する彼女の性質は純粋な魔の属性にあって、人では持ち得ない純黒で出来ている。
魔力そのものが体にも染み出でた、魔女の性質だ。
「姫、そのように無理をしては体に障る」
ラーティが床に片膝をつき、手を差し出すと、ウルスラは潤んだ瞳でラーティを見上げた。
純黒の瞳と間近で目を合わせたラーティが、程なくして涙を滲ませたウルスラを抱き上げたのを見て、ガロンは頭を痛くする。
そうだった。根っから王子様のラーティが、弱ったお姫様を床の上に放っておくなどできるはずもなかった。
こんな場面、とてもルーカスに報告などできない。しかも、ラーティがウルスラをベッドに丁寧に下ろすと、あろうことか彼女はラーティの腕を掴んだのだ。
その先を想像してガロンはげんなりするも、ルーカスにラーティとウルスラの面会をそれとなく探ってほしいと頼まれていたガロンのすることは決まっていた。すでにラーティと目を合わせてしまった手前、バレてはいるが、せめてこのまま様子を見ることだ。
「このようなときに不謹慎ということは分かっております。ですが……これは、わたくしがずっと願っていたことですわ」
「姫?」
「お会いしたいと思っておりました。お慕いしております。ラーティ様……」
ラーティを一心に思う気持ちの強さ、そうして巧みにラーティの腕に豊満な胸を押し付けるウルスラ。
──カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンッ
だからそう、これはカンカンに怒っているという意味ではなく、オカメンコインが啄木鳥のように嘴を使って窓を突いている音だ。五感を共有している使役獣の上下に揺れる視界を暫し無心で体感していたガロンだったが──って、いや、何やってるの? お前。と途中で我に返った。
どうやらオカメンコインは、ガロンのげんなりしていた思念をまともに受け取ってしまったようだ。
シーンと静まり返った室内に、カンカン響くあからさまな妨害音と、流れる異様な空気。
視線を感じて部屋の中に目を移す。今更止めろと指示を送るには遅すぎた。全員に見られている。
そんななか、構わず淡々と妨害を続ける見た目インコの魔獣は、さぞかし肝が据わっているように見えたのだろう。
一定のリズムで無心に頭を上下させるオカメンコインの揺れる視界には「な、何ですか、あのご家庭で飼育されたのが逃げ出したような不可思議なインコは? 早く追い出すのです!」と、ガロンの使役獣だと知らないウルスラが、同じく当惑しているメイド達に指示を出す姿が……
その一方でガロンの使役獣だと知っているラーティ付きの護衛兵達は、最初からラーティ同様覗き見に気付いていたようだ。必死に笑いを堪えている。そして──
「どうやら姫にはもう少し療養が必要なようだ」
流石ラーティだ。ガロンとの付き合いの長さが違う。オカメンコインの発狂ぶりをものともせず、というか見なかったことにしているような気もするけれど、とりあえず危機は去ったようだ。
ラーティがウルスラに抱き付かれていた腕を、唖然とする彼女の手から力が抜けたタイミングで、するりと抜き取った。同時に、心得ている護衛兵達が二人の間に割って入る。
ウルスラに背中を向け、用はないと去っていくラーティ。手を伸ばしても触れられない距離に、ウルスラは慌てた。
「お、お待ちください! 会って間もないうちに御身に触れたご無礼はお詫び致しますわ! ですが、貴方の妻となるようにと、わたくしはそう育てられましたの。それがわたくしの産まれた理由……だというのに、それを急に現われた一時代前の骨董品のような英雄風情に奪い取られるなど……! それも男になど、許せるはずがないと思いませんこと?」
なるほど。魔女が治めるエストラザはその人口の大半を女が占める。男への対抗心が他の諸国に比べ相当に強い。ルーカスが男であったことが、彼女の自尊心を傷付けたようだ。
だがウルスラは分かっていない。ラーティはルーカスのために王位継承権を放棄した。そのラーティのもっとも愛する伴侶を侮辱したことの意味に。
「ロザリンド・エス・ハーカーがそう君に言ったというのか?」
ラーティが扉へ向かっていた足を止め、わずかに振り返る。護衛兵達の合間から見えるその眼光の冷たさに、彼の気を引けたと喜ぶウルスラは気付かない。
「いいえ、あの方は何も……ですが、わたくしは周りからそうなるようにと言い含められ育てられましたの。それが叶わないなど理不尽なことと思いませんこと? わたくしはこんなに美しく有能ですのに……」
護衛兵達に阻まれ、打つ手のないウルスラは必死だ。それもラーティが足を止めたことで、彼がウルスラの話に気持ちを動かされたのだと、彼女は勘違いをしている。
「確かに姫は美しいが、今のところ私は貴女からその有能さとやらを微塵も感じていない」
──そんな見せ掛けの品位など、本物の足元にも及ばない。
相手の伴侶への配慮を怠り、一時代前の骨董品のような英雄などと、自分の親をも貶める発言を平然とする女に、ラーティが魅力を感じるはずがなかった。
いつになく冷たく言い放ったラーティのつまらない物を見る目に、そこでようやくウルスラは彼の怒りを買ってしまったのだと、自身の失態を理解したようだ。息を呑み、顔を青くする。
弱ったお姫様の立場を有効利用し、賛同を求め、女の武器を使い言葉巧みに訴えるウルスラの言葉には中身がない。軽いのだ。まるで真剣にラーティに恋をしているわけではないような、上辺だけの薄っぺらい台詞。
ここまでくると、想定通りの反応過ぎて気味が悪いくらいだ。
だからか。ガロンは何か、ウルスラに言い様のない違和感を覚えた。その疑問を、しかし紐解いたのはウルスラ本人だった。
「……うふふ。普通の姫君方ならこういう反応をするのでしょうね」
ウルスラのあっさり手の平を返した口調に、対するラーティは今度こそ扉に向けていた体の向きを、完全に彼女の方へと戻した。
ラーティが自身の後方へ警護兵を下がらせると、青ざめ俯きがちだったウルスラが、ゆっくりと顔を上げた。先程までの彼女とは別人のような生きた表情にガロンはハッとする。
相見える形でラーティとウルスラが向かい合う。
先に口を開いたのはラーティだった。
「ところで、ルーカス一筋の貴女がいつから私を慕うようになったのか、お聞きしたいところだ」
腕を組み、普段滅多に表情を出さないラーティが、目を眇めた。
「ラーティ様、お久しぶりです。相変わらずルーカス様一筋でいらっしゃいますのね」
「姫も相変わらずだな。あのまま茶番を続けるのであれば、本当に帰らせてもらうところだった」
「ふふふ、今後の参考までに、先程のことはご留意下さいませ。ラーティ様は少し鈍感なところがございますから……わたくしの愛するルーカス様のためにも」
「私への教訓にしては随分と手が込んでいることだ……」
やれやれと呆れ口調のラーティと、親しげな様子のウルスラ。
…………え? どういうこと? と、訳知り顔の二人の前で、ガロンは首を傾げる。正確には妨害を止めて様子を見守っていたオカメンコインの首を傾げる、だが。
「騙したりして申し訳ございませんでしたわ。インコちゃんの……魔獣さん? ラーティ様とルーカス様がご結婚された今だから言えますけれど。わたくしとラーティ様はルーカス様を愛する者同士という、秘密を共有していた仲でしたの」
ご家庭で飼育されたのが逃げ出したような不可思議なインコの正体が魔獣だとバレていた。
それも、他の姫達が来る前の、いい予行演習になりましたでしょ? と、綺麗な笑みを浮かべるウルスラ。
「二人って知り合いだったの?」と、唖然とするインコ(ガロン)とその他大勢。
思わず「あんたら上辺だけでさっきまでやりあってたのかよっ!?」と、硝子を突くだけじゃなく、ガンガンに頭突きしてやればよかった。なんて考えたのが悪かった。
オカメンコインがガロンの思考を忠実に反映し「よっこいしょー」と、止めの一発を硝子にかました瞬間、ピシッと音がした。
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