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番外編
⑧ウサちゃん!-Ⅴ
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まさか、セックスが物足りないと言われるとは思わなかった。エルフリーデがずっと口を噤んで言いづらそうにしていたのも納得がいく。
そうして茫然と言葉を失っているジュードの様子を見て流石に悪いと思ったのか。エルフリーデはいじいじと頭に付けたウサ耳を触りながら、何とかフォローしようと試みた。が、完全に失敗した。
「あっ! ちっ違うのよ? エッチが下手とかそういうことを言っているんじゃないの! 他の人としたことないから比べようがないんだけど、ジュードとエッチしてるときはいつも気持ち良過ぎて困るくらいだし。多分すごく上手だと思うの。でも、その、ね? ……ちょっと優し過ぎて刺激が足りないというか。──ってあのぉ~ジュード? ど、どうしてそんな目で見るのよぅっ!?」
当たり前だ。他の人間とそんなことされてたまるか。ましてや比べられる何て冗談じゃない。ジュードの中にそれまで眠っていた闇の感情がひょっこりと顔を出す。天使の顔に悪魔のようなドス黒い感情が上塗りされて。まるで魔王と対峙しているかのような迫力にエルフリーデは半泣き状態で自身の身体を自分で抱き締めている。
圧倒的な何かがジュードの身体を覆い始めていることをエルフリーデは敏感に感じとっていた。
「リー、以前僕に壁際で抱かれたとき、怖がって泣いてたよね?」
「あ、あのときはその……激しくてビックリしたけど怖かったんじゃなくて、気持ち良すぎて身体も頭の中も全部おかしくなりそうでどうしたらいいのか分からなくて……でも、その……ジュードはすごく沢山欲しがって抱いてくれたからそれが嬉しくて色々と考えてたら泣いちゃって……」
「……リーは泣き虫だもんね」
「あっあのね? わたしあのときみたいに抱いて欲しいなって時々思ってて……」
それでジュードがエルフリーデを気遣って優しくしていたセックスに刺激が足りないから、こうしてバニーガールの格好で自ら誘ってしまったと言われては男としての立場がない。ジュードの下に組み敷かれて身動きが取れない状態のエルフリーデは、まるで捕らわれた小動物のようにおどおどした目をこちらに向けてくる。その怯えた視線にすら怒りを覚えてジュードは妻の細腰に回した手にグッと力を入れた。
前々から気になっていたことがある。エルフリーデはジュードのことを綺麗だとか可愛いだとか、男として見ていないような発言と雰囲気を小さい頃から時折見せることがあった。優しくエルフリーデに接していたことでジュードを安全圏と勘違いして結果、男として認識していないような部分があるとは思っていたのだが……
男としてのプライドを悉く打ち砕くエルフリーデの無自覚で無慈悲な所業にジュードはにっこり作り笑いを浮かべながら、ゆっくりと呼吸を整えて息を吐き出した。
「じゅ、ジュードぉ……?」
ジュードは一見天使のような微笑みをエルフリーデに向けているが内心全く笑っていなかった。
エルフリーデが泣きそうな顔で頭に付けたウサ耳を両手で引っ張って気を紛らわしている。その怖がっている姿すら愛しく感じるくらいジュードはエルフリーデを愛していた。
──なるほど、どうやらこれが彼女にとって最大限の行為へのお誘い手段だったらしい。
バニーガールの格好をしてジュードを誘っていたエルフリーデが、実は前にもその格好をしてジュードのところへ行こうとしていたことをジュードは知らなかった。その事実を知っているのはエルフリーデ付きのメイド、マリアだけだ。
エルフリーデにとってバニーガールの格好は本当に可愛くて大好きな、思い入れのある衣装だったからその姿でジュードを誘惑したいと思った。正直で嘘のない真っ直ぐにジュードを慕う気持ちからの行動だったのに。あまりにも一般的なお誘い手段とそれは異なっていたから、ジュードはその純粋な思いに気付けなかった。
──可愛いな……でも、どうしても今回ばかりは許せない。
それが何に対しての怒りなのか、半ば八つ当たりにも似た感情のままにジュードは動いた。
「……そっか、分かったよ」
「な、なにが分かったの?」
「これからちゃんと抱いてあげるってことかな?」
「えと、な、なに? ちゃんとって……」
どういうこと? と不思議そうにジュードの下で首を傾げているエルフリーデを眺めながら、ベッドの上でビクビクと怯えたようにこちらの様子を窺っているエルフリーデの衣服をジュードは脱がせ始めた。
「ひゃんっ!」
エルフリーデの衣服を脱がせるジュードの熱い指先が身体中を刺激して思わず身体を小さく丸めて縮こまるエルフリーデの身体をジュードは丹念に愛撫を繰り返しながら溶かしていく。
愛しい妻の身体は始めのうちは何時も緊張して強張るのをジュードはよく分かっている。そうして慣れた手付きで身体を開いていく夫にエルフリーデはビクビクしながら徐々に心と身体を預けていく。
そうしている間にもバニーガールの衣装はあっという間に脱がされて、残っているのは頭に付けたウサ耳のカチューシャだけになった。
「リー、おいで」
完全に主導権を握られて言われるがままにエルフリーデがそろそろとその引き締まった背中に手を回すと、両足の太股を掴まれて大きく左右へ開かされた。そして次の瞬間、ジュードの熱い肉棒が愛撫によって蜜を流し溶けた花弁を押し開いて一気に入って来た。
「きゃぁっ」
早すぎる展開にジュードの背中に回した手に力を入れて必死にしがみつきながら、エルフリーデは泣きながら嫌々と首を横へ振った。けれどジュードは容赦無くエルフリーデを貫いて最深部まで到達してしまう。
「きゃんっ! ふぁっ……ぁっ……やっ……」
ぐじゅっと膣内で動き出した太く熱い肉棒に可愛く悲鳴を上げるエルフリーデを満足した表情で見つめながら、ジュードは自身の背中に回されているエルフリーデの両腕をつかみ取ってその指と指を絡めるとキュッと両の手を繋ぎ合わせた。
そうして茫然と言葉を失っているジュードの様子を見て流石に悪いと思ったのか。エルフリーデはいじいじと頭に付けたウサ耳を触りながら、何とかフォローしようと試みた。が、完全に失敗した。
「あっ! ちっ違うのよ? エッチが下手とかそういうことを言っているんじゃないの! 他の人としたことないから比べようがないんだけど、ジュードとエッチしてるときはいつも気持ち良過ぎて困るくらいだし。多分すごく上手だと思うの。でも、その、ね? ……ちょっと優し過ぎて刺激が足りないというか。──ってあのぉ~ジュード? ど、どうしてそんな目で見るのよぅっ!?」
当たり前だ。他の人間とそんなことされてたまるか。ましてや比べられる何て冗談じゃない。ジュードの中にそれまで眠っていた闇の感情がひょっこりと顔を出す。天使の顔に悪魔のようなドス黒い感情が上塗りされて。まるで魔王と対峙しているかのような迫力にエルフリーデは半泣き状態で自身の身体を自分で抱き締めている。
圧倒的な何かがジュードの身体を覆い始めていることをエルフリーデは敏感に感じとっていた。
「リー、以前僕に壁際で抱かれたとき、怖がって泣いてたよね?」
「あ、あのときはその……激しくてビックリしたけど怖かったんじゃなくて、気持ち良すぎて身体も頭の中も全部おかしくなりそうでどうしたらいいのか分からなくて……でも、その……ジュードはすごく沢山欲しがって抱いてくれたからそれが嬉しくて色々と考えてたら泣いちゃって……」
「……リーは泣き虫だもんね」
「あっあのね? わたしあのときみたいに抱いて欲しいなって時々思ってて……」
それでジュードがエルフリーデを気遣って優しくしていたセックスに刺激が足りないから、こうしてバニーガールの格好で自ら誘ってしまったと言われては男としての立場がない。ジュードの下に組み敷かれて身動きが取れない状態のエルフリーデは、まるで捕らわれた小動物のようにおどおどした目をこちらに向けてくる。その怯えた視線にすら怒りを覚えてジュードは妻の細腰に回した手にグッと力を入れた。
前々から気になっていたことがある。エルフリーデはジュードのことを綺麗だとか可愛いだとか、男として見ていないような発言と雰囲気を小さい頃から時折見せることがあった。優しくエルフリーデに接していたことでジュードを安全圏と勘違いして結果、男として認識していないような部分があるとは思っていたのだが……
男としてのプライドを悉く打ち砕くエルフリーデの無自覚で無慈悲な所業にジュードはにっこり作り笑いを浮かべながら、ゆっくりと呼吸を整えて息を吐き出した。
「じゅ、ジュードぉ……?」
ジュードは一見天使のような微笑みをエルフリーデに向けているが内心全く笑っていなかった。
エルフリーデが泣きそうな顔で頭に付けたウサ耳を両手で引っ張って気を紛らわしている。その怖がっている姿すら愛しく感じるくらいジュードはエルフリーデを愛していた。
──なるほど、どうやらこれが彼女にとって最大限の行為へのお誘い手段だったらしい。
バニーガールの格好をしてジュードを誘っていたエルフリーデが、実は前にもその格好をしてジュードのところへ行こうとしていたことをジュードは知らなかった。その事実を知っているのはエルフリーデ付きのメイド、マリアだけだ。
エルフリーデにとってバニーガールの格好は本当に可愛くて大好きな、思い入れのある衣装だったからその姿でジュードを誘惑したいと思った。正直で嘘のない真っ直ぐにジュードを慕う気持ちからの行動だったのに。あまりにも一般的なお誘い手段とそれは異なっていたから、ジュードはその純粋な思いに気付けなかった。
──可愛いな……でも、どうしても今回ばかりは許せない。
それが何に対しての怒りなのか、半ば八つ当たりにも似た感情のままにジュードは動いた。
「……そっか、分かったよ」
「な、なにが分かったの?」
「これからちゃんと抱いてあげるってことかな?」
「えと、な、なに? ちゃんとって……」
どういうこと? と不思議そうにジュードの下で首を傾げているエルフリーデを眺めながら、ベッドの上でビクビクと怯えたようにこちらの様子を窺っているエルフリーデの衣服をジュードは脱がせ始めた。
「ひゃんっ!」
エルフリーデの衣服を脱がせるジュードの熱い指先が身体中を刺激して思わず身体を小さく丸めて縮こまるエルフリーデの身体をジュードは丹念に愛撫を繰り返しながら溶かしていく。
愛しい妻の身体は始めのうちは何時も緊張して強張るのをジュードはよく分かっている。そうして慣れた手付きで身体を開いていく夫にエルフリーデはビクビクしながら徐々に心と身体を預けていく。
そうしている間にもバニーガールの衣装はあっという間に脱がされて、残っているのは頭に付けたウサ耳のカチューシャだけになった。
「リー、おいで」
完全に主導権を握られて言われるがままにエルフリーデがそろそろとその引き締まった背中に手を回すと、両足の太股を掴まれて大きく左右へ開かされた。そして次の瞬間、ジュードの熱い肉棒が愛撫によって蜜を流し溶けた花弁を押し開いて一気に入って来た。
「きゃぁっ」
早すぎる展開にジュードの背中に回した手に力を入れて必死にしがみつきながら、エルフリーデは泣きながら嫌々と首を横へ振った。けれどジュードは容赦無くエルフリーデを貫いて最深部まで到達してしまう。
「きゃんっ! ふぁっ……ぁっ……やっ……」
ぐじゅっと膣内で動き出した太く熱い肉棒に可愛く悲鳴を上げるエルフリーデを満足した表情で見つめながら、ジュードは自身の背中に回されているエルフリーデの両腕をつかみ取ってその指と指を絡めるとキュッと両の手を繋ぎ合わせた。
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