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本編

44.手出しされたら

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 そんな綺麗な幼なじみを前にエルフリーデはやっと視線を合わせられたことに少しホッとして涙をこぼしてお願いした。

「ジュードおねがい……もうやめて……」

 そうして動きを止めている間も重ねられている互いの肌からは、ドクドクと激しく脈打つ音が聞こえてくる。裸体は酷く汗ばんでいて。身体には長時間の愛撫による熱がともっている。それが解消されていない状態で、熱が冷めないうちにエルフリーデがやめるようにジュードの髪を引っ張って止めてしまったものだから、当然ジュードは容赦ようしゃしなかった。

「リー……ごめん」 

 切なく名前を呼んで。起き上がると顔をしかめてジュードはエルフリーデをベッドに押し倒した。
 ジュードの熱い肉棒が花弁に擦れる度に二チャッと糸を引くそこにいよいよ入れられようとしている。その事実に恐怖してエルフリーデは子供のような声を上げて涙ぐんだ瞳をジュードに向けた。するとジュードは気遣うようにコツンとおでこをくっつけてきた。小さい頃からずっと一緒だったから知っている。その仕草しぐさはエルフリーデが傷付いたり不安になったりちょっと落ち込んだりした時に決まってしてくれる。

「リー、力を抜いて傷付けたくない」
「ジュード……?」

 長時間の愛撫あいぶによって熱く熟した入り口にジュードは自身の熱い肉棒をあてがった。そうしてゆっくりと花弁を押し開いて入ってくる。

「ぁっ! やぁっジュードぃやぁっ!」

 怖くてエルフリーデは必死に身体の上に覆い被さっているジュードを見上げた。ジュードに押さえられて大きく開かされている両足の付け根にあるさらされた秘所は愛液とジュードの愛撫で溶かされしっとりとれている。すんなりとジュードの肉棒を受け入れてしまうくらい慣らされたそこに、どんどん入ってくるジュードの熱すぎる肉塊がギチギチとエルフリーデの中を一杯にしていく。そのあまりの圧迫感としびれるような痛みにエルフリーデはしくしくと泣き出してしまった。

「ひっく、やだぁっジュードやぁっ」
「ごめん、リー」
「いやっていって、ひっく、のに……」

 膣内の一番深いところまで来てやっとジュードは動きを止めた。
 初めてを奪われて、怖くて泣いているエルフリーデの頭をジュードは優しくでて、エルフリーデの頬を濡らす涙を舌先で優しくからめとる。

「……ごめんね。初めてなのに怖い思いさせて。なるべく優しくするから」
「やぁっ、ジュードおねがい、ひっく、これ、ぬいてほしぃの……」
「それは駄目だよ。これからもっとリーを抱くから。抜けない」
「ひっく、もっ、むりなのにぃ~! ジュードのバカぁっ!」
「リーごめんね……」

 何度もエルフリーデに謝罪するジュードに泣きながら小さい子供のように文句を言ってエルフリーデが怒ると、ジュードはエルフリーデの小さな輪郭をでながらその鼻先や頬、目尻や額に次々と口づけていく。そして最後に唇を合わせて深く口づけられた。

「……ん……ぁ」

 口づけが終わった後も、涙を流すエルフリーデをジュードは優しく抱き締めた。エルフリーデの身体を開いてようやく自分のものに出来たジュードの表情はとても穏やかで。エルフリーデをもっと抱きたいと思っている欲望を抑えつけて、不安に怖がって泣いているエルフリーデをあやすように抱き締めながらジュードが気遣わしげに少し困った様子で顔を近づけてくる。頬に手をしっとりと当てられて愛情深い仕草しぐさで瞳をのぞき込まれた。

「リー……まだ怖い?」
 
 大丈夫? と、ギリギリの状態でそれでもエルフリーデを優先するジュードの優しい気持ちに、エルフリーデは心を打たれた。覗き込まれた時にエルフリーデを見下ろすジュードの金髪が額にかかってちょっとだけくすぐったい。愛おしさを感じてエルフリーデは首を横に振って目を閉じた。

「……大丈夫もう怖くないから」

 愛おしくてどうしようもなくて、ジュードの柔らかい綺麗な金髪に手を伸ばして触れていたらジュードにその手を掴まれて唇を押し当てられた。エルフリーデのことをすごく心配していることが、触れられている場所から伝わってくる。一つ一つの動作にエルフリーデを好きだと表現されて。大切にされて。エルフリーデはジュードの腕の中で愛される行為に身をゆだねた。
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