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本編
8.手出しさせてやろうじゃないの!
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エルフリーデはどうしてもジュードに構ってほしいから、ついついそう無理難題を言ってジュードを困らせてしまう。困っているジュードにソファーの上で抱き寄せられながらエルフリーデは切なさに胸を痛めた。
……だって大好きなんだもの。
でもどうしてジュードはわたしに手を出してくれないの?
今までだってずっとジュードはキス以上のことはしてくれないし……
もしかして本当はわたしのこと女として興味ないの? 妹だと思ってる?
嫌われてはいない。好かれてはいる。それは分かる。でももしかしたら女として見られていないのかもしれなかった。エルフリーデとジュードは同い年で二人とも今年で18になる。
公爵令嬢という地位にあるエルフリーデは王子様のジュードにとっても釣り合いの取れる、丁度よいお相手に思えるのだが……
「リー……」
ジュードがエルフリーデを呼んだ。それでもエルフリーデが答えないから、最終的にジュードはエルフリーデの細腰に慣れた様子で手を回してエルフリーデを一層強く引き寄せた。互いの額に額をコツンと合わせて言い聞かせるように瞳を覗き込まれて、またも「うっ……」とエルフリーデは言葉に詰まった。どうやらそろそろ潮時らしい。降参する頃合いを見計らってエルフリーデはジュードの要求を聞くことにした。そうしないとエルフリーデは本当に自分がジュードに興味を持って貰えなくなってしまうのではないかとちょっと怖かったからだ。
「駄目だよ? 分かった?」
言い聞かせるようにまた瞳を覗き込まれる。
「わ、わかったわよ。……でも1つお願い聞いてくれる?」
「いいよ。何でも言ってごらん?」
「キスして」
甘えるようにジュードの首に手を回してキスをねだるとジュードはくすりと笑って啄むような軽い口づけをしてくれた。
「もっとして」
「もっとって?」
「舌をからませたり大人のキスがしたいの」
「駄目だよ、僕達は婚約してるけどそう言うのは結婚してからじゃないと」
「頭固い……」
「どういわれても駄目なものは……──っ!?」
あんまりしてくれないからエルフリーデから思いっきり噛みつくようなキスをした。舌を差し入れると温かいジュードの舌に触れて心地いい。だから嫌がるジュードの唇に深々と唇を押し付ける。最初は動揺してジュードも対応出来ていなかったけれど、結局すぐに引き剥がされてしまった。
「……っ……こらっリー! 駄目だって言ってるでしょ!」
「やぁっ! したいのにどうしてダメなの?」
無理矢理引き剥がされて。エルフリーデは涙目でジュードを非難した。だってまだ全然思いを伝えきれていない。もっと沢山ジュードに触れていたかった。
「リー……」
「もっとしたい」
「良い子だから言うことを聞いて? これ以上は駄目だよ?」
「どうして? わたしたち婚約者同士なのに……そういうことしても公認の仲なんだから誰にも文句は言われないのに?」
「でもね。そういうことは結婚した後じゃないと駄目なの。それがけじめだからね」
「結婚した後って……わたしたちの結婚式まであと3ヶ月もあるんだけど、それも祭事が終わったちょうど翌日だったわよね?」
「もう3ヶ月しかないって、リーは思わないの?」
「すっっっっっごく長いと思うわ」
「そっか。でも3ヶ月待てばいいだけなんだから、そのくらいリーも我慢できるよね?」
「……ジュードは平気なの?」
「僕は平気だけど?」
その綺麗な顔にニッコリと天使の笑みを浮かべて、サラッと軽やかな口調で返された。欲望とは無縁です。と言わんばかりのキラキラした笑顔が眩しすぎる。が、手出ししなくても平気だと言われたも同然の言葉にエルフリーデの声が低くなる。
「……じゃあつまり、ジュードは結婚するまでわたしに絶対手を出さないってこと?」
「そういうことになるかな?」
爽やかな笑みで、3ヶ月くらいたいしたことではない。とでも言うかのようにまたもサラッと返されて。その無関心な様子にエルフリーデはものすごく頭にきた。
なぁ、なっ、な、な、なぁんですってぇぇぇぇぇぇぇえッ!?
わたしがこんなにジュードに触りたいのを我慢してるっていうのに? と、プルプルと震える肩と怒りで爆発しそうな感情を必死に抑えながらエルフリーデは決意した。
結婚するまで手を出さない? なら手出しさせてやろうじゃないの!
この日から、エルフリーデに手を出させるためにあらゆる手段を使ってジュードを誘惑するという、エルフリーデの(無謀な)戦いが始まった。
……だって大好きなんだもの。
でもどうしてジュードはわたしに手を出してくれないの?
今までだってずっとジュードはキス以上のことはしてくれないし……
もしかして本当はわたしのこと女として興味ないの? 妹だと思ってる?
嫌われてはいない。好かれてはいる。それは分かる。でももしかしたら女として見られていないのかもしれなかった。エルフリーデとジュードは同い年で二人とも今年で18になる。
公爵令嬢という地位にあるエルフリーデは王子様のジュードにとっても釣り合いの取れる、丁度よいお相手に思えるのだが……
「リー……」
ジュードがエルフリーデを呼んだ。それでもエルフリーデが答えないから、最終的にジュードはエルフリーデの細腰に慣れた様子で手を回してエルフリーデを一層強く引き寄せた。互いの額に額をコツンと合わせて言い聞かせるように瞳を覗き込まれて、またも「うっ……」とエルフリーデは言葉に詰まった。どうやらそろそろ潮時らしい。降参する頃合いを見計らってエルフリーデはジュードの要求を聞くことにした。そうしないとエルフリーデは本当に自分がジュードに興味を持って貰えなくなってしまうのではないかとちょっと怖かったからだ。
「駄目だよ? 分かった?」
言い聞かせるようにまた瞳を覗き込まれる。
「わ、わかったわよ。……でも1つお願い聞いてくれる?」
「いいよ。何でも言ってごらん?」
「キスして」
甘えるようにジュードの首に手を回してキスをねだるとジュードはくすりと笑って啄むような軽い口づけをしてくれた。
「もっとして」
「もっとって?」
「舌をからませたり大人のキスがしたいの」
「駄目だよ、僕達は婚約してるけどそう言うのは結婚してからじゃないと」
「頭固い……」
「どういわれても駄目なものは……──っ!?」
あんまりしてくれないからエルフリーデから思いっきり噛みつくようなキスをした。舌を差し入れると温かいジュードの舌に触れて心地いい。だから嫌がるジュードの唇に深々と唇を押し付ける。最初は動揺してジュードも対応出来ていなかったけれど、結局すぐに引き剥がされてしまった。
「……っ……こらっリー! 駄目だって言ってるでしょ!」
「やぁっ! したいのにどうしてダメなの?」
無理矢理引き剥がされて。エルフリーデは涙目でジュードを非難した。だってまだ全然思いを伝えきれていない。もっと沢山ジュードに触れていたかった。
「リー……」
「もっとしたい」
「良い子だから言うことを聞いて? これ以上は駄目だよ?」
「どうして? わたしたち婚約者同士なのに……そういうことしても公認の仲なんだから誰にも文句は言われないのに?」
「でもね。そういうことは結婚した後じゃないと駄目なの。それがけじめだからね」
「結婚した後って……わたしたちの結婚式まであと3ヶ月もあるんだけど、それも祭事が終わったちょうど翌日だったわよね?」
「もう3ヶ月しかないって、リーは思わないの?」
「すっっっっっごく長いと思うわ」
「そっか。でも3ヶ月待てばいいだけなんだから、そのくらいリーも我慢できるよね?」
「……ジュードは平気なの?」
「僕は平気だけど?」
その綺麗な顔にニッコリと天使の笑みを浮かべて、サラッと軽やかな口調で返された。欲望とは無縁です。と言わんばかりのキラキラした笑顔が眩しすぎる。が、手出ししなくても平気だと言われたも同然の言葉にエルフリーデの声が低くなる。
「……じゃあつまり、ジュードは結婚するまでわたしに絶対手を出さないってこと?」
「そういうことになるかな?」
爽やかな笑みで、3ヶ月くらいたいしたことではない。とでも言うかのようにまたもサラッと返されて。その無関心な様子にエルフリーデはものすごく頭にきた。
なぁ、なっ、な、な、なぁんですってぇぇぇぇぇぇぇえッ!?
わたしがこんなにジュードに触りたいのを我慢してるっていうのに? と、プルプルと震える肩と怒りで爆発しそうな感情を必死に抑えながらエルフリーデは決意した。
結婚するまで手を出さない? なら手出しさせてやろうじゃないの!
この日から、エルフリーデに手を出させるためにあらゆる手段を使ってジュードを誘惑するという、エルフリーデの(無謀な)戦いが始まった。
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