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第二章~恋人扱編~

♀051 俺のものⅢ

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 度々たびたび意識を失いながらもフェルディナンを感じてその巨大なモノの形を覚えることを強要された身体は日夜問わず彼を受け入れ続けることでフェルディナンに完全に慣らされてしまっていた。
 初めてフェルディナンに抱かれてから数日の間、あれからもずっとフェルディナンの部屋を出ることを許されずベッドの上でフェルディナンに組み敷かれながら、朝も昼も関係なく私は彼に抱かれ続けていた。その行為の最中さなかにフェルディナンから与えられるモノの激しさに意識を失って。何度も繰り返しフェルディナンの腕の中で目を覚ます。
 目を覚ますと何時いつも隣にフェルディナンがいて私を優しく抱きしめながら唇を合わせて身体を深くつながれる。その繰り返しの合間あいまにベッドの横に備え付けられたサイドテーブルにいつの間にか用意されている飲み物や食べ物を口に含んで、少しの休憩を取ってまた行為を再開する。終わらない行為と途切れない身体のつながりにフェルディナン無しではいられない身体にされてしまっていることに私は抱かれながら段々と気が付き始めていた。

「……ん……っ……」

 今回もまたそれと同じ気を失うような眠りについて。ようやく目が覚めたといったところだった。ボーと周りを見渡して眠い目をこすりながら身体を起こそうとしたけれど、余りにも深くフェルディナンを感じ過ぎた身体は気怠けだるい甘さと重さで動けない。仕方なく私は起きたばかりの気怠けだるさに逆らわずに身体をいたわってベッドの上に横になったまま天井を見上げていた。覚醒していないボウッとした頭で天井を眺めること数分。ようやく意識がハッキリしてきたのでフェルディナンの腕が巻き付いた身体からその腕を外して、気付かれないようにその腕の中から抜け出したところで下半身の違和感に身体がビクッと反応した。

「っぅ……ぁ……えっ? あっ……まだ」

 まだ完全につながりを解かれていない局部の結合にどうすればいいのか分からなくて途方に暮れてしまう。フェルディナンは本当に言葉通り私がフェルディナンの形を覚えるまで、その巨大なモノを抜かずに抱き続けて最低限の必要な時以外は入れっぱなしのまま交わり続けた。余りにも深くフェルディナンを感じ続ける事を強要されて、自分のものではないモノが身体の中にある違和感に寝起きと言うことも重なって気付くのが遅れてしまった。

 隣で静かに寝息を立てているフェルディナンを起こさないようにそれを身体からゆっくりと出す。ズルッと花弁から引き抜かれていく愛液にまみれてねっとりとれている巨大なモノを、声が出ないように手で口を押さえながらどうにか全部体外へ出すことに成功して安堵あんどの溜息が自然と口からこぼれた。
 そして次にふらつく足腰に鞭打っていつくばるようにしてベッドから身体を勢いよく浮かせたら、身体にからまっていた毛布に引っ張られてボスッと頭からベッドの上に突っ込んだ。

「わっきゃぁあっっっつ!?」

 覚醒した頭に身体が完全に付いていっていなかった。頭をしたたかに打ってもろに直撃した額を押さえながら、涙目で身体に巻き付いている毛布にうらみがましい目を向ける。逆戻りしてしまった自分の間抜けさが嫌になる。

「ぃっ! っう~~」

 ……いくら身体が動かないからって、こんなの間抜けすぎでしょ。何やってるんだか……

 額の痛みにうなり声を上げながら何とも言えないむなしさを薄める為にポスッと今度は自ら毛布に身体を沈めて、泣きたくなる心境に一人で落ち込んでいると隣からくすくすと笑い声が聞こえた。

「大丈夫か?」

 最愛の恋人がベッドに半ば顔を埋めながら少し眠たそうな顔でこちらを見ている。そのフェルディナンの優しい眼差まなざしと余裕に満ちた大人の風格ふうかくにときめいてしまいそうな程の魅力を感じながらも、今の私はフェルディナンとは逆にそれを素直に受け止めていられる余裕はなかった。

「み、みてたの……? いつから?」
「君が眠そうに天井を眺めていた時からだな」
「私が起きたときから見てたの?」
「そうだな」
「……あの、怒ってないの?」

 逃げようとしていた訳ではないけれど。フェルディナンのモノを抜いて彼から離れようとしていたのは確かだった。

「どうしてそう思う?」
「それは……」

 フェルディナンの大人の落ち着いた声。それもとても穏やかな表情でいるけれどコレばかりは確認をおこたる訳にはいかなかった。それというのもベッドに肩肘かたひじを付いて私を見ているフェルディナンの嫉妬深さと執着心しゅうちゃくしんの強さを今まで嫌と言うほど体感させられてきたからだ。油断していたらまた嫌と言うほど身体にその想いを刻み込まれることになる。フェルディナンを怒らせたくはない。ここ数日ずっとベッドの上で過ごしていたから少しだけ気分転換で室内を歩きたかっただけだったのに、どうしてこう面倒なことになるのだろう。

「おいで」
 
 フェルディナンはふっと笑って私を呼んだ。ベッドで横になったままのフェルディナンの元へおずおずと遠慮がちに戻る。そして手前まで来たところでフェルディナンにグイッと腕を引かれてそのたくましい胸元にスッポリとおさめられてしまった。

「きゃっ!」
「やっと少し素直になってきたな」

 今までおいでと言われても言い訳ばかり並び立てて逃げるばかりで素直に自ら近づく事があまりなかったぶん、こうして恐る恐るでも自分から近づいてくるようになった私の変化がフェルディナンには嬉しいようだった。
 互いに一糸いっしまとわぬ姿でベッドに横になりながらじかに肌を触れ合わせる。フェルディナンのなめらかな肌のぬくもりが気持ちよくて少しだけ警戒をいてスリスリと身体を寄せると、いとおしそうに腰と背中に手を回されて更に強く引き寄せられた。ピッタリと身体を合わせられて互いの唇が触れ合う位近くの距離で真意しんいを探り合うような視線を交わす。
 この近すぎる距離にどうにも我慢が出来なくなって私は自らフェルディナンの唇にアムッと噛みついた。求めるように唇に吸い付くとそのままゆっくりとフェルディナンに押し倒されて互いの両手の指をからめ合わせられる。そうしてフェルディナンは私の両足を割って身体を入れてきた。
 身体の中心にフェルディナンを受け入れるような格好で押し倒されながら彼のずっしりとした重みを身体に感じてフェルディナンを見上げると。恋人を温かく見守るような熱っぽい眼差なまざしがそそがれていた。

 ……あっこの目知ってる。私を欲しいって思ってる時の目だ。

 そう思った時には先ほどやっとの思いで引き抜いた巨大なモノを私はまたフェルディナンに挿入されていた。フェルディナンを受け入れることに慣らされた身体はすんなりとそれを受け入れて飲み込んでもっと欲しいとせがむように局部が熱をびてそれを締め付けてしまった。するとフェルディナンがくすりと笑って私を見た。

「欲しいのか?」
「……っ!」

 真っ赤になってそんなこと言えないと無言でそっぽを向くと耳元でそっとささやかれた。

「君の言葉が聞きたい。前に一度言ってくれたように俺が欲しいと言ってくれ」
「やっ……そんなこと、いえな……ぃ」

 気恥ずかしさに拒否して目をつぶる。そうして視覚をつと私の秘所に埋まっているフェルディナンの巨大な肉塊からドクンドクンと波打つような音を何時いつもより強く感じてしまって、意識がどうしてもそちらに向いてしまう。みっちりと秘所に埋まってそのまま動かないのを不思議に思ってフェルディナンの方を見ると、穏やかな顔をして私の言葉を待っていた。それも絶対に私からその言葉が聞けるまで動かないという意思が伝わってくるような意地の悪いニッコリとした笑みで話しかけてくる。

「君が俺を欲しいと言うまで俺は動かないぞ?」
「……いじわるっ!」
「どうとでも好きなように言えばいい。君の可愛さが増すだけで特に痛くもかゆくもない。そんな君を上から眺めているのもそれもまた一興いっきょうだからな。俺は君からその言葉を聞くまでこの状態を続けるぞ? 初めて男を知ったばかりの初心うぶな君がこの状態で何時いつまでもつか見物だな」
「フェっ、フェルディナンのバカ――ッ!」
 
 こんな状態で放置されるなんてそれこそ地獄だった。両手を握られていなければその胸元を叩いて泣き喚いてベッドから飛び出しているところだ。

「それで、どうするんだ? こうしている間にも君の此処ここれてきているようだが」

 フェルディナンに花弁を割られて結合している場所からは大量の愛液がにじみ出してシーツを汚し始めていた。したたり落ちる愛液にすべりをよくしたフェルディナンの巨大なモノが少しだけ動いて思わずキュッと締め上げてしまった。

「……ふぁっ……んっ……あっやぁっつ、なん、で……フェルディナンはこういうことするとき、いじわるになるの?」

 涙目で聞き返すと困ったようにフェルディナンは目を細めた。

「月瑠、俺を欲しいと言ってくれ」
「やだっ!」
「月瑠……」
「いやっ!」
「……強情だな」
「だってはずかしぃ……」
「俺は君の言葉が聞きたい」

 段々と切ない声でがれるように私の言葉を欲するフェルディナンに私は根負けしてしまった。

「……し……ぃ」
「月瑠……?」
「わたし……フェルディナンがほしい。あなたがほしい。あいしてるから、フェルディナンがすきだから、すごくフェルディナンがほしい。フェルディナンしかいらないの。だからおねがいもう――ひっ!」

 言葉を言い終わる前に、フェルディナンの巨大なモノにズンッと一気に奥まで突き上げられて言葉を失ってしまう。巨大なモノを花弁に無理矢理くわえ込まされながら、フェルディナンはそのままの勢いでパンパンと音が立つ位に激しく突き上げを開始した。ズッズッと容赦なく出し入れと射精を繰り返すフェルディナンの余りの激しさに私は悲鳴を上げて泣き出してしまった。

「ひぁっ! ひっあぁっ、ぃやぁっ……まって、こんなはげしっひぃっ! いやぁあっ」

 嫌々と首を横に振って泣いている私を見下ろしながらフェルディナンはそれを無視して、深々と秘所にそれを埋め込み続けている。そうして暫くの間、無言のままフェルディナンが強行するねっとりとした激しい性交が続いた。やがて互いの股間が行為によって酷くれそぼり動く度に水音が立つようになった頃。私が上げる悲鳴と泣き声に反応してフェルディナンが何度目かの射精を行ってようやく動きを少しやわらげた。

「ひうっ、あっもうやぁっ」

 フェルディナンはずっと私と手をつなぎながら、秘所に巨大なモノをくわえ込むように強要して激しい出し入れをひたすら繰り返して静かに私を見下ろしていた。その表情はうつろで何を考えているのか分からなくて少し怖い。

「おねがっい、ひぁっ、やさしく、してっぁあっ」

 泣きながらフェルディナンを見上げると。それまで行為を止めずに私が泣いている姿を眺めながら額に汗を流して腰を動かし続けていたフェルディナンがその動きを止めてやっと口を開いた。

「くそっ! 君の事が欲しすぎて……君にその台詞せりふを言わせたこっちがおかしくなりそうだっ!」

 こんなはずではなかったと言うような想定外の出来事に戸惑っているようなフェルディナンらしからぬ怒りを含んだ物言いにびっくりして涙が止まる。

「あ、の……?」
「すまない……我を忘れた。君が無自覚に人をあおることを忘れていた」
「わたし、が? えっと……ごめんなさい。よく、わからな……」
「いいんだ。君は分からなくていい。これは油断していた俺が悪い」
 
 私の股間と膣内はフェルディナンの精液によってドロドロに汚されていた。激しすぎる行為に上気じょうきした頬は汗と涙でれて、乱れた長い黒髪が肌に張り付いて身体のいたる所にフェルディナンに付けられたキスマークが散乱している。赤いあとがいたる所に残された身体は乱れきってぐちゃぐちゃの状態にされていた。そしてそんな私をフェルディナンは改めて抱き始めた。
 
 今度はゆっくりと腰を動かしながら私の花弁を割って挿入したそれを突き上げるフェルディナンの動きは凄く優しい。からめ合わせたフェルディナンの指先に力がもってギュッと握られる。

「あっ……フェル、ディナン……すき」
「――月瑠愛してる」

 みっちりと私の秘所に埋まっている巨大なモノの大きさが増していくのを感じて身体がビクッと反応して少し腰が浮いてしまう。フェルディナンに握り込められている両手の指に力を入れて抵抗するように握り返すと、逆に更に力を込められて強くベッドに両手を押しつけられてしまった。

「……っつぁ……ぁっまって、まだ……おおきく、しちゃやぁっ……」

 私が涙目で訴えるとフェルディナンはそれに答える代わりに優しく私の唇を甘噛みした。それでも泣いて嫌々を繰り返すと深く唇を吸われて息が出来なくなる。
 そうして私の気を他にまぎらわしている間にフェルディナンは私の花弁には大きすぎるそれを慣らす為に上下させて更に奥まで深くに到達するように動きながら、徐々じょじょに突き上げの激しさを増していく。
 濃厚のうこうな口づけが終わった後もフェルディナンが腰を動かして結合した部分をぐちゅっと突き上げる度に、汗ばみ熱をびたフェルディナンの肌が私の身体にこすれて重なって、互いの汗を混じらせながらより密着していくその熱さと気持ち良さにおかしくなりそうだ。
 私を逃がさないように握られた大きな大人の男の手の感触と、股間を力強く突き上げる雄の部分から伝わってくるフェルディナンの強すぎる私への独占欲を感じ過ぎてくるおしい程の快楽に飲み込まれていく。

「あっ……いやぁんっ……フェルディナン……やめて……あっ……」
「月瑠……」

 全身を火照ほてらせながら私はふるふると首を振ってフェルディナンに動きを止めるように懇願こんがんした。涙目で上目遣うわめづかいに懇願こんがんする私を見て、おすの男の顔のままフェルディナンは更に強く花弁を割って突き上げた。

「あぁっ! やぁっつ」

 元の穏やかな顔に戻らないまま身体を密着みっちゃくさせてフェルディナンは結合をこうとしない。フェルディナンにどれ程愛されているのかを私は先刻せんこくの行為と今の状態から思い知らされた。

 

*******



 あれから数刻すうこくち、行為が終わった後の疲れ切った肉体を横にして私とフェルディナンは休憩を取っていた。互いにベッドで横になりながら甘い時間を過ごしているといえば聞こえは良いが。休憩に入った瞬間に繰り出した私の質問はこれだった。

「あの、本当に怒ってないの?」

 確かめるように大分だいぶ時間がってから再度聞かれた質問に、よしよしと私の頭をでながらフェルディナンは少し意地の悪い顔をしてからかうように紫混じった青い瞳を細めた。

「ようやく目を覚ましたと思って様子を見ていたら無断で身体から引き抜いて。挙げ句、俺の腕から抜け出して何処どこかへ行こうとしたら盛大に転んで一人可愛く隣で落ち込まれて。その上、素直に俺を欲しいと言ったと思ったら平気で男をあお台詞せりふ羅列られつを吐き出して。我を忘れて君を抱き潰しそうになったのは俺の落ち度だ。此処ここまできたら怒る気も失せる」

 フェルディナンのあきれた声色こわいろに傷付きつつも何の反論も出来ない。

「あのね、そのぉ~目が覚めた時にフェルディナンのを身体から出したのはちょっと歩きたかっただけで逃げるつもりはなかったんだよ?」
「……君はどれだけ長い時間俺に抱かれ続けていたと思ってるんだ? そんな状態で歩けると思っているのか? 立ち上がった瞬間に出るぞ?」
「えっ? 出るって何が?」

 キョトンとした顔で聞き返すとフェルディナンは物知らぬ生徒に教授きょうじゅする面倒見の良い先生のように振る舞った。

「……試してみるか?」

 そう言ってフェルディナンは私の身体をフワッと抱き上げた。馬乗りにフェルディナンの身体の上に乗せられて下を向いた下半身からトロッと白濁した液体が流れ出してきた。秘所から流れ出たそれは馬乗りになっているフェルディナンの膝上ひざうえを汚しながらドロドロと止めどなく流れ出ている。一向に止まる気配のないそれを放心して見守っていた私はそのとんでもなく恥ずかしい事態にようやく気が付いた。

「キャ――――ッ!!」
 
 悲鳴を上げて慌てて顔を真っ赤にさせながら下半身を押さえて涙目でフェルディナンを見ると、それを出した当の本人は楽しそうにくすくす笑っている。はじめは自分の身体の中で何が起こっているのか分かっていなかったから思わずそのまま見入ってしまっていた。それもフェルディナンと一緒に。

「フェルディナンひどいっ!」
「君がこういう事を知らなさすぎるんだろう」
「だって! フェルディナンとその、……セ、セックスしてから今まで移動する時は必ずフェルディナンに抱き上げられてたからそんなこと気が付かなかった……の」

 何て恥ずかしいことを言わせるんだと赤い顔を更に赤くして、熟したトマトのような顔色になりながらフェルディナンを見上げるといとおしそうな視線をそそがれた。

「そうか」
「フェルディナンってすごいエッチだと思う」
「一般的な基準はよく分からないが、好きな相手がいたら抱きたいと思うのは普通だろう」
「……あの、でもね。普通はここまで激しいのはしないと思うの多分」
「そうなのか?」
「そうなんですよ――ってどうしてそんななだめるみたいに優しい目で見てくるの!? そんなに私もう子供じゃないよ?」

 エッチだと言われてもどうでもよさそうで、そんなことよりも私を好きなことを伝えてくるこの最愛の恋人は冷静な時は酷く私に甘い。一つ一つの私に対する仕草しぐさや行動がとにかく甘いのだ。

「君が子供だとはもう思ってない。ただ、そんな初歩的な事に気が付かないくらいずっと君が逃げずに大人しく俺に抱かれていたと思うと少しな」
「あの、逃げようにもフェルディナンもすっかり捕獲癖が付いてるから逃げられないというか……あっ! でももう逃げるつもりは多分ないです、よ? 多分……」
「悪いが君の逃げ癖をなかったことにして、曖昧あいまいな言葉を信用出来るほど俺はお人好しじゃない」
「…………」

 痛いところを突かれてぐうのも出ない。

「それよりも君はまだ俺の形を覚え切れていないだろう? それに今ので大分だいぶ流れてしまったからまた入れなおしだな」
「いっ、入れなおし、って……? ――きゃぁっ!」

 フェルディナンがさらっと凄いことを言って突然ベッドに押し倒してきた。両腕を強くつかまれてまた行為を再開されそうになる。

「あの、まさか……またするの? だってさっきあんなに……」
 
 ギョッとしたように声を震わせて恐る恐る尋ねると返事を返さずにフェルディナンは私の閉じた両足の内側に手をわせてそれからその先にある花弁に触れてくる。

「きゃっ! ――ちょっまって!」
「嫌か?」
「い、いやというかその、そういうことじゃなくて……」

 や、やっぱりフェルディナンものすごくエッチだ――ッ!

 ギクリと身を強張らせながら私は必死にまくし立てた。

「あっ、あのね! 覚えたっ! ちゃんと覚えたから! あれだけしたらもう十分だからっ! だからもうっ……あっ! お風呂! あのっわたしお風呂入りたい! さっきのでフェルディナンのひざもだいぶ汚れちゃったしそのっ、だから、ね? ここはいったん休憩ということで」
「逃げるのか?」
「ち、ちがうっ! 違います!」
「……いまいち信用出来ないんだが」 

 フェルディナンから疑うような目線を向けられて思わず目線を外してしまう。そしてそこである名案がひらめいた。ひらめと言っても何だかろくでもない事になりそうな気がしたのだけれど、フェルディナンに激しく挿入をされてそれを延々と繰り返されるよりは少しはましなような気がしていたのだから仕方がない。

「……わたしがいれる」
「……は?」

 流石のフェルディナンも驚きに目を見張って唖然あぜんとした表情を浮かべている。それも言葉が出ないと言った様子だ。

「わたしがっ……わたしがいれる! だからフェルディナンは大人しくしていて」
「……本気か?」
 
 そう聞いてくるフェルディナンは物凄く本気で心配そうな顔をして私を見ている。コクリと覚悟を決めてうなずいた私にフェルディナンはハァッと深い溜息を付いて私を押さえつけていた両手を離すと私の身体の上からどいた。頭を押さえて疲れたような顔をしている。そのフェルディナン姿が逆に私の反抗心に火を付けた。

「無理はしなくていい」
「無理じゃないよ!」
「だが、男を知ったばかりの君が自ら引き入れる何て無理というか無謀むぼうだとしか言い様がないんだが……」
「大丈夫やります! 出来るから! とにかくフェルディナンはその……大人しくしてて」

 驚いているフェルディナンを置き去りに私はフェルディナンの上に思い切って馬乗りになった。

「おいっ!?」

 止めようと手を出してくるフェルディナンの手を逆につかんでそれを唇に押しつけた。

「お願いやらせて」
「……どうなっても知らないぞ?」
「うん、大丈夫だから。でもちょっと恥ずかしいからこっちは見ないでね」
「……分かった」

 仕方ないなとフェルディナンは余り納得していない様子で、それでも私が言うとおりに横を向いた。フェルディナンの上に馬乗りになっている私と上半身を起こして両手をベッドについて横を向いているフェルディナンという何だか妙な絵面えずらになったけれど、とりあえず入れると言ったからにはフェルディナンの巨大なモノをつかまなくてはならないわけだが。正直なところ直接手で触れたことがなかったのでかなり緊張していた。恐る恐る手を伸ばして意を決してそっと触れてみると、フェルディナンの身体がピクリと反応した。けれどそれは一瞬でフェルディナンは相変わらず涼しい顔をして横を向いている。
 無関心を装っているような表情のフェルディナンが表情を崩す姿が少しだけ見たくなってきて、私はそれをちゃんと両手でつかんだ。両手でつかんでも余るんじゃないかと思えるくらいに立派過ぎるフェルディナンのモノは愛液と精液でしっとりとれていて、これならすんなりと入るのではないかと思われた。私は楽観的な気持ちでそれを自分の秘所にあてがった。

 そしていざ入れようとして……入らない。それも入るどころか愛液と精液で濡れたそれは入れようとする度に私の局部の周りをクネクネと酷くすべってしまう。入るどころかひたすら花弁をこすって私の股間で逃げ回るようにすべってどうしても入らない。それも花弁をこする刺激に身体が反応してしまいそうになる。

「きゃぁっ! っぅ……ひぁっぁんっ」
「月瑠無理はしなくていい」
「あっ、あのっ! ちょっと待って直ぐ入れるから! ――きゃっ!」
「月瑠……」
「う~、っっひぅっあっぁ……だ、だいじょうぶだからっ!」
「…………」

 その状態が十数分ほど続いて目の前の巨大なモノをつかんで入れようと躍起やっきになっていた私は、変にフェルディナンのモノに刺激されて身体が熱くなってしまっていた。欲しくてどうしようもないという冗談ではない状態にまで追い詰められているのに、どうやっても入れられなくて段々と涙目になってきたところでふとあることに気が付いた。
 必死過ぎてじかにモノを触られているフェルディナンが今どんな状態になっているのかをすっかり忘れていた。フェルディナンがどんな顔をしているのか想像しただけでも恐ろし過ぎる。でも見ないわけにはいかなくて。私はゴクリと唾を飲み込んで顔を上げた。するとそこには先刻せんこくと同じ顔を横に向けたフェルディナンがジッと耐えるように口元に手を当てて大人しく待機していた。
 気持ちが少しほっとしたところでまじまじとフェルディナンの顔を見ると。うっすらと頬を朱に染めて耳まで赤くなっている。そして苦しそうに眉をしかめてグッとこらえているような表情を浮かべていた。口元に当てていない方の手がベッドのシーツを強く握っているのが見えて。私は自分でももうどうしたらいいのか分からなくて、フェルディナンの巨大なモノに刺激されて火照ほてり熱をもった身体をそのままにとにかく泣きながら謝った。

「う~、ごめんなさい……ひっく、あのっ、やりたいんだけど、どうしてもできな……くて、ひっく」
「……まさか君にもてあそばれるとは思っていなかった」

 そう言ったフェルディナンの表情は本当にもう切なさを通り越して痛々しくて、私はごめんなさいとひたすら謝罪を繰り返すしかなかった。
 それも今回どうにかされたのは私ではなくフェルディナンの方で。最終的には共倒れに等しかった。
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