26 / 39
第23話モブちゃんとの楽しさ皆無な会話
しおりを挟む
少し奴隷の子達と話したいのだが、そんなことに気遣ってくれる筈も無く…
「さて、では授業を続ける」
軍人を多く輩出するだけあって、私語厳禁という雰囲気が凄い。
「今日は陰陽師と魔法の関連性についてだ。魔法とは魔力で魔法陣を作り、そこに言霊を吹き込む事により発動する。詠唱は長く遅い方が安定し威力も上がるが、戦闘時はそんな事をしている暇は殆ど無い。よって詠唱を省略し魔法の威力を落とさず安定させるのが必須条件だ。無詠唱というのもあるが、あれは魔力のコントロールが達人の域に達しないと無理だ。お前達にはまだ早い。即効魔法は魔法の名前自体が詠唱のため発動迄数秒だ。ここまでで質問は?」
俺に視線を向けながら聞いて来る先生。
殆どの貴族は家庭教師がいるため教養があるが、平民はいないから理解出来ているか心配なのだろう。
取り敢えず大丈夫という意を込めて軽く首を縦に振る。
「…続ける。今回見つかった陰陽師という職業は、札や手印、風水と呼ばれる決まった配置の呪具など、これは儀式魔法に近いな。これらを触媒にして発動している。これは我々の使う魔法とは似て異なる。私達が魔法陣を書くのは、魔法陣に沿って魔力を流し素早く魔法陣を構築するためである…が、陰陽師は魔法陣を別の形…声や札指の形に似たてて魔法陣とは全く違う物を媒介としている。そのため…」
長いのでそろそろ右から左へ流れ出した。…眠い。
✳︎
結果から言えば船漕いだ。魔法撃たれた。電撃。痺れた。怒られた。
…厳しい。
授業が終わり、奴隷の子達は俺の部屋(エリスの希望により相部屋)に送られた。
その後わかった事は授業は移動教室の時は大抵実技(但し今回の様な講座もある)で、移動教室が無い時は皆んな普通にお喋りしてる。
昼放課になったらアリスとアンジェに人が群がり、俺には視線(殺意・敵意・好奇心etc…)が集まる。
俺は暇だったのでモブに気になった事を聞きに行った。
「なあモブ」
「おい貴様次その呼び方で俺の名を呼んだら焼き殺すぞ」
「わかったよ。で、聞きたい事があるんだが…」
「ふっ。良いだろう。何でも聞くと良い」
?素直だな…。
「俺だけ奴隷を貰った件について、何故反感が一つも無いんだ?お前辺りが一番突っかかって来そうだが…」
「失敬な。俺だって場の雰囲気くらい察するさ。お前は気付かなかったのか?アレは学校からお前へのプレゼントだ」
「プレゼントだったら普通に渡せばよくね?」
「学校は『平等』にこだわっているんだ。あの問題も俺達には解けず、お前だけに解ける様に工夫されていた。そもそも黒髪、黒眼の人間なんて聞いたことがない。あの2人を見ればお前と何かしらの関係がある事がわかる」
なるほど、だからプレゼントか。
「で、何で俺にだけプレゼント?」
この質問にモブは苦笑しながら答える。
「お前貴族じゃ無いだろ?つまり付き人がいない訳だ。この学校では付き人がいないと出来ない事もあるからな」
ゴーンゴーンゴーン
丁度昼放課終了の鐘が鳴った。
俺は席に戻った。モブはまだ何か話してるけど大丈夫なのか…あ、痺れてる。
✳︎
全ての授業が終わりエリスと帰ろうと思ったら、エリスはまだ囲まれていた。アンジェも同様だ。
俺は先に帰ることにした。
「さて、では授業を続ける」
軍人を多く輩出するだけあって、私語厳禁という雰囲気が凄い。
「今日は陰陽師と魔法の関連性についてだ。魔法とは魔力で魔法陣を作り、そこに言霊を吹き込む事により発動する。詠唱は長く遅い方が安定し威力も上がるが、戦闘時はそんな事をしている暇は殆ど無い。よって詠唱を省略し魔法の威力を落とさず安定させるのが必須条件だ。無詠唱というのもあるが、あれは魔力のコントロールが達人の域に達しないと無理だ。お前達にはまだ早い。即効魔法は魔法の名前自体が詠唱のため発動迄数秒だ。ここまでで質問は?」
俺に視線を向けながら聞いて来る先生。
殆どの貴族は家庭教師がいるため教養があるが、平民はいないから理解出来ているか心配なのだろう。
取り敢えず大丈夫という意を込めて軽く首を縦に振る。
「…続ける。今回見つかった陰陽師という職業は、札や手印、風水と呼ばれる決まった配置の呪具など、これは儀式魔法に近いな。これらを触媒にして発動している。これは我々の使う魔法とは似て異なる。私達が魔法陣を書くのは、魔法陣に沿って魔力を流し素早く魔法陣を構築するためである…が、陰陽師は魔法陣を別の形…声や札指の形に似たてて魔法陣とは全く違う物を媒介としている。そのため…」
長いのでそろそろ右から左へ流れ出した。…眠い。
✳︎
結果から言えば船漕いだ。魔法撃たれた。電撃。痺れた。怒られた。
…厳しい。
授業が終わり、奴隷の子達は俺の部屋(エリスの希望により相部屋)に送られた。
その後わかった事は授業は移動教室の時は大抵実技(但し今回の様な講座もある)で、移動教室が無い時は皆んな普通にお喋りしてる。
昼放課になったらアリスとアンジェに人が群がり、俺には視線(殺意・敵意・好奇心etc…)が集まる。
俺は暇だったのでモブに気になった事を聞きに行った。
「なあモブ」
「おい貴様次その呼び方で俺の名を呼んだら焼き殺すぞ」
「わかったよ。で、聞きたい事があるんだが…」
「ふっ。良いだろう。何でも聞くと良い」
?素直だな…。
「俺だけ奴隷を貰った件について、何故反感が一つも無いんだ?お前辺りが一番突っかかって来そうだが…」
「失敬な。俺だって場の雰囲気くらい察するさ。お前は気付かなかったのか?アレは学校からお前へのプレゼントだ」
「プレゼントだったら普通に渡せばよくね?」
「学校は『平等』にこだわっているんだ。あの問題も俺達には解けず、お前だけに解ける様に工夫されていた。そもそも黒髪、黒眼の人間なんて聞いたことがない。あの2人を見ればお前と何かしらの関係がある事がわかる」
なるほど、だからプレゼントか。
「で、何で俺にだけプレゼント?」
この質問にモブは苦笑しながら答える。
「お前貴族じゃ無いだろ?つまり付き人がいない訳だ。この学校では付き人がいないと出来ない事もあるからな」
ゴーンゴーンゴーン
丁度昼放課終了の鐘が鳴った。
俺は席に戻った。モブはまだ何か話してるけど大丈夫なのか…あ、痺れてる。
✳︎
全ての授業が終わりエリスと帰ろうと思ったら、エリスはまだ囲まれていた。アンジェも同様だ。
俺は先に帰ることにした。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
今度のヒーローは……悪の組織の戦闘員!?
marupon_dou
ファンタジー
時は現代。世には悪の秘密結社"フェイスダウン"が夜の闇に潜み人々を襲っていた。
人造人間"フェイス"戦闘員を擁し、人間が持つ感情エナジーを奪う彼らと戦うのは――
その"フェイス"戦闘員だった!
精霊の力を宿した、不屈の戦士《ヒーロー》・アルカー。
彼と肩を並べ戦う、正義に目覚めた悪の戦闘員《ヒーロー》、ノー・フェイス!
人々を守り、フェイスダウンに狙われた少女を守る戦闘員の物語が今、始まる――。
※最初の五話は挿絵がつきますが、以後は不定期(ときたま)になります。
※第一部は毎日連載します。
※90~00年代のライトノベルの作風を目指して執筆中です。
※イメージの源流は特撮ヒーローですが、パロディ・オマージュ作品ではありませんので
パロディ・オマージュ・お約束などは非常に薄めです。
※第一章~第二章は以下のサイトでも公開しております。
カクヨム:https://kakuyomu.jp/works/1177354054883360465
エブリスタ:http://estar.jp/_novel_view?w=24664562
Pixiv:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8269721
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる