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第二章
作戦会議
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「な、なにいって‥」
「ふざけるなよ。お前。」
「カイさん‥」
カイらスマホを乱暴に掴み睨み付ける。そりゃ。そうだよな。いきなり電話してきて【人が沢山死ぬ】なんて未来を予言すれば。
『‥何よ。私は仕事を果たしただけ。悪態つかれる理由はないわ』
「今の今まで仕事をサボっていた癖に今更か?しかも一ヶ月に起こる災いで街が滅ぶ?。ならお前が降りて手伝えよ。門を開けたのはお前だろ?」
『な、なによ。なによ!!。そうやって私を責めて楽しい?!楽しいでしょうね!!‥死んじまえ!!お前なんか!!』
‥‥これが女神?。いま目の前で正論吐かれて逆上してるこいつが?。嘘だろ、信じたくない。ミューエも隣で下唇を噛み締めて怒りを露わにしている。
「対策は?」
『‥そんなのアンタらで考えなさいよ。私は教えない』
「対策」
『だから!!おし「対策」
『ね、ねぇ「早く」
初めて圧を感じた。背は後ろを向いているから分からないけど、カイはいまどんな顔をしているんだろう。知りたいような、知りたくないような。
『‥ません』
「聞こえない」
『ありません‥』
「いつから知っていた」
『つい‥先日です』
「バレバレの嘘つくな。お前鏡覗くの忘れてただろ」
『っ‥‥!!』
か、鏡?覗く?何だそれ。よく分からないけど、女神を黙らせるて凄いな。
「もういい。対策はこちらで考える。お前は引き続きアストに状況を伝えろ。どうせ、降りてこいて言っても来ないんだろ?」
『‥‥‥死ね!!』
「切りやがった」
体が冷たくなる感覚を覚える。最後の最後まで駄々をこねる子供のような女神。まるで当たり前のように死ねという不謹慎極まりない言葉を投げかける女神に吐き気を催した。
「嘘だ‥信じない。あんな、あんな、女神だったなんて‥」
「ミューエ‥」
ミューエはその場にうずくまり肩を震わせている。信じたくない気持ちは分かる。けれどアレが本性なのだろう。なんて声をかければいいのか分からない。
「カイ?」
「スマホ、悪い。画面割った」
「え?おぉ‥これはまた酷い。あ、でもフィルムが割れてるだけだから気にしないで」
「‥‥ああ」
小さく呟くと彼は玄関まで歩いていく。俺はミューエに「行こ?」と声をかけた。顔を上げた彼女の瞳は涙を溜めており、今にでも泣き出しそうだった。
◇
朝日と少しの霧に覆われた街の中を俺達は歩いていた。人は疎だが、皆店の準備をしたり、眠そうに欠伸をしている。平和だ。けれどその平和もあと一ヶ月で‥‥
二人の顔には影が見える。ミューエは俺の袖を震える手で掴み引っ張られているように歩いてる。カイは背筋を伸ばし、しっかりと歩いているように見えるけれど必死に打開策を練っているようだ。何か、何か出来る事はないだろうか。
そりゃ俺はただの一般人だ。チートとか可能性すら与えられていない。けど、何かの役に立ちたい。女神の神託を聞くだけじゃなくてもっと‥ああ。くそ。言葉が出ない。そうこうしてるうちに目的の場所についた。
お洒落な雑貨屋のような風貌をしている木製の建物。入り口には【close】の掛け札が掛かっている。カイはポケットから銀色の鍵でドアを開け「入れ」と言うので、お邪魔させてもらう。
「わぁぁ‥」
電気はついてないけれど、色とりどりな雑貨が売っている。天井には紫の女性が小さな子供を抱き抱えているステンドグラスの窓が付けられている。ステンドグラスは太陽の光を受け床に綺麗な影を作っている。
「‥綺麗ですよね。」
「うん。すげぇ、綺麗」
キラキラと輝く影を見ていると心にかかったモヤがほんの少し晴れていくようだ。
「服ごめんなさい。伸びちゃいましたよね」
「ん?いいよ別に。買い直せばいいし」
「二人ともこっちだ」
カイが階段から顔を覗かせ俺達を呼ぶ。俺とミューエは同時に踏みだしていく。おっし、最悪の結末を避けるために───作戦会議だ!!
「ふざけるなよ。お前。」
「カイさん‥」
カイらスマホを乱暴に掴み睨み付ける。そりゃ。そうだよな。いきなり電話してきて【人が沢山死ぬ】なんて未来を予言すれば。
『‥何よ。私は仕事を果たしただけ。悪態つかれる理由はないわ』
「今の今まで仕事をサボっていた癖に今更か?しかも一ヶ月に起こる災いで街が滅ぶ?。ならお前が降りて手伝えよ。門を開けたのはお前だろ?」
『な、なによ。なによ!!。そうやって私を責めて楽しい?!楽しいでしょうね!!‥死んじまえ!!お前なんか!!』
‥‥これが女神?。いま目の前で正論吐かれて逆上してるこいつが?。嘘だろ、信じたくない。ミューエも隣で下唇を噛み締めて怒りを露わにしている。
「対策は?」
『‥そんなのアンタらで考えなさいよ。私は教えない』
「対策」
『だから!!おし「対策」
『ね、ねぇ「早く」
初めて圧を感じた。背は後ろを向いているから分からないけど、カイはいまどんな顔をしているんだろう。知りたいような、知りたくないような。
『‥ません』
「聞こえない」
『ありません‥』
「いつから知っていた」
『つい‥先日です』
「バレバレの嘘つくな。お前鏡覗くの忘れてただろ」
『っ‥‥!!』
か、鏡?覗く?何だそれ。よく分からないけど、女神を黙らせるて凄いな。
「もういい。対策はこちらで考える。お前は引き続きアストに状況を伝えろ。どうせ、降りてこいて言っても来ないんだろ?」
『‥‥‥死ね!!』
「切りやがった」
体が冷たくなる感覚を覚える。最後の最後まで駄々をこねる子供のような女神。まるで当たり前のように死ねという不謹慎極まりない言葉を投げかける女神に吐き気を催した。
「嘘だ‥信じない。あんな、あんな、女神だったなんて‥」
「ミューエ‥」
ミューエはその場にうずくまり肩を震わせている。信じたくない気持ちは分かる。けれどアレが本性なのだろう。なんて声をかければいいのか分からない。
「カイ?」
「スマホ、悪い。画面割った」
「え?おぉ‥これはまた酷い。あ、でもフィルムが割れてるだけだから気にしないで」
「‥‥ああ」
小さく呟くと彼は玄関まで歩いていく。俺はミューエに「行こ?」と声をかけた。顔を上げた彼女の瞳は涙を溜めており、今にでも泣き出しそうだった。
◇
朝日と少しの霧に覆われた街の中を俺達は歩いていた。人は疎だが、皆店の準備をしたり、眠そうに欠伸をしている。平和だ。けれどその平和もあと一ヶ月で‥‥
二人の顔には影が見える。ミューエは俺の袖を震える手で掴み引っ張られているように歩いてる。カイは背筋を伸ばし、しっかりと歩いているように見えるけれど必死に打開策を練っているようだ。何か、何か出来る事はないだろうか。
そりゃ俺はただの一般人だ。チートとか可能性すら与えられていない。けど、何かの役に立ちたい。女神の神託を聞くだけじゃなくてもっと‥ああ。くそ。言葉が出ない。そうこうしてるうちに目的の場所についた。
お洒落な雑貨屋のような風貌をしている木製の建物。入り口には【close】の掛け札が掛かっている。カイはポケットから銀色の鍵でドアを開け「入れ」と言うので、お邪魔させてもらう。
「わぁぁ‥」
電気はついてないけれど、色とりどりな雑貨が売っている。天井には紫の女性が小さな子供を抱き抱えているステンドグラスの窓が付けられている。ステンドグラスは太陽の光を受け床に綺麗な影を作っている。
「‥綺麗ですよね。」
「うん。すげぇ、綺麗」
キラキラと輝く影を見ていると心にかかったモヤがほんの少し晴れていくようだ。
「服ごめんなさい。伸びちゃいましたよね」
「ん?いいよ別に。買い直せばいいし」
「二人ともこっちだ」
カイが階段から顔を覗かせ俺達を呼ぶ。俺とミューエは同時に踏みだしていく。おっし、最悪の結末を避けるために───作戦会議だ!!
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