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寝る前の逢瀬
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就寝準備も終え、後は寝るだけになったアレクサンドリアの部屋の扉がノックされ、ユリウスが声をかけて入室を許可されアレクサンドリアの客室へと入ってきた。
「…アリア、少しいいかな?」
アレクサンドリアは頷き部屋へと招き入れソファーを勧めた。
「……ありがとう。アリアは、嫉妬する私を嫌になっていない?」
アレクサンドリアは何を言われるのかと身構えていたが、紡がれた言葉に安堵し首を横に振った。
「…私は、カインさんの様に力もなく守りきれないのに?」
ユリウスは不甲斐なさに項垂れ小さく呟いた。
「ユーリは頼りになっていますわ」
「……政略結婚だとは理解している、貴女が可愛かった幼少期の私を好ましく思っていたのも…。強くなる…可愛さのなくなった私の側にいて欲しい……」
俯き膝の上で両手を組み震わせ頼りなさげに呟くユリウスに、アレクサンドリアは伝わっていなかった想いに思わず息を吐いた。
ユリウスは、その吐息に呆れられたかとビクリと肩を震わせた。
「……ユーリが好き、昔から変わらず…いえ昔よりもずっと好きですわ。だから、自信を持って欲しいです」
ユリウスはその言葉に不安気になりながらも、顔を上げ不安気な瞳揺らしアレクサンドリアを見つめた。
「…ユーリ、可愛い」
アレクサンドリアはユリウスを抱きしめ口付けた。
「……ユーリのそんな可愛い顔は私にしか見せないで欲しいですわ。不安になるならいつでも押し倒しますから…」
「っ、口付け以上は結婚後に…だ」
ユリウスは耳まで赤くし視線を逸らした。
「私はユーリになら構いませんわ」
アレクサンドリアの言葉にユリウスは落ち着きを取り戻し、明日はミアとの対面による魅了を、見聞しようとユリウスはアレクサンドリアの部屋から出て行った。
「…アリア、少しいいかな?」
アレクサンドリアは頷き部屋へと招き入れソファーを勧めた。
「……ありがとう。アリアは、嫉妬する私を嫌になっていない?」
アレクサンドリアは何を言われるのかと身構えていたが、紡がれた言葉に安堵し首を横に振った。
「…私は、カインさんの様に力もなく守りきれないのに?」
ユリウスは不甲斐なさに項垂れ小さく呟いた。
「ユーリは頼りになっていますわ」
「……政略結婚だとは理解している、貴女が可愛かった幼少期の私を好ましく思っていたのも…。強くなる…可愛さのなくなった私の側にいて欲しい……」
俯き膝の上で両手を組み震わせ頼りなさげに呟くユリウスに、アレクサンドリアは伝わっていなかった想いに思わず息を吐いた。
ユリウスは、その吐息に呆れられたかとビクリと肩を震わせた。
「……ユーリが好き、昔から変わらず…いえ昔よりもずっと好きですわ。だから、自信を持って欲しいです」
ユリウスはその言葉に不安気になりながらも、顔を上げ不安気な瞳揺らしアレクサンドリアを見つめた。
「…ユーリ、可愛い」
アレクサンドリアはユリウスを抱きしめ口付けた。
「……ユーリのそんな可愛い顔は私にしか見せないで欲しいですわ。不安になるならいつでも押し倒しますから…」
「っ、口付け以上は結婚後に…だ」
ユリウスは耳まで赤くし視線を逸らした。
「私はユーリになら構いませんわ」
アレクサンドリアの言葉にユリウスは落ち着きを取り戻し、明日はミアとの対面による魅了を、見聞しようとユリウスはアレクサンドリアの部屋から出て行った。
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