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異世界再び
明かされていく真実
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勇者が野宿でカゲと食事をしている光景を眺めていた。
そういえば、勇者の時にカゲの食ってた飯が気になってたのを思い出してていた。
確か……カゲの飯と交換しようとしてた気がするんだよな?断られて…どうしたっけ?
そんな事を思い返していたら、勇者がカゲの腕を引っ張っていたのを見て、衝動的に隠し持っていた短剣を勇者目がけて投擲していた。
勇者は相変わらず、俺の気配には気づかなくて投擲にも気づくことなく……。
カゲが勇者に悟られない様に弾いていた。
カゲは投擲の位置から俺の居場所を把握して、勇者に気づかれない様に視線で諭された。
カゲの護衛対象に嫉妬して攻撃したなんて嫌われたって、慌ててその場から姿を消した。
カゲは勇者の護衛任務があるから追いかけては来ないって理解はしていたけど……。
過去の勇者に嫉妬して攻撃なんて、カゲの側にいたいなんて言えないなと…。俺はカゲから離れて隠密だけは忘れずに落ち込んでいた。
近づく気配には気づいたけど、悪意ないから気にする必要もなく膝を抱え込んで俯いていた。
「……誰かいるかと思ったらお前か何してんだ?」
優しく声かけられて顔をあげたらゴウキだった。優しく声かけられて涙零れたのは仕方ないって思う……。
「お、おい?どうした……」
ゴウキは狼狽えながらも俺が落ち着くまで頭撫でてくれた。
「……あの、ゴウキ様は好きな人が他の人に触れるのは平気ですか?」
泣きやみ落ち着いた俺にゴウキの羽織っていたマントを羽織らせてくれた。
「そうだな…理由によるな?」
「……理由ですか。じゃあ、片思いしている相手の護衛対象に攻撃したら嫌われますよね?」
「理由によるだろ?護衛対象は守りはするが、関係性によったら理由は聞くな」
俺は、勇者の行動と心情は覚えているから嫌で嫉妬したって……そんな説明したらカゲは勇者とどうするんだろうって思うと怖かったから、説明なんて出来ないって蒼白な表情で首を振った。
「……言えない理由か?気持ちの整理が着くまで距離置くとかはどうだ?」
距離?と言われて首傾げた。行く場所なんて居場所なんてないから、どうしたらいいか回らない思考で考えた。
「帰る場所とかないのか?……少し待て、聞いてみるから…………」
ゴウキは誰かに連絡をしている様で、連絡を終えると俺の頭撫でてくれた。
「俺の家に好きなだけいていいぜ。一緒に住んでる奴にも許可は得たから。俺達は任務で家にいることは少ないから好きなだけいろよ」
ゴウキの突然の言葉に驚いていると、「気にすんな」としか言われず混乱していたら急に近づいて来る気配を感じた。
「……ちょっと、説明不足だよね?俺とゴウキの家だから好きなだけいていいからな?あ~…なぁ、ゴウキは伝えてるのか?」
「何がだ?言わなくてもわかんねえか??」
「伝えた方がわかると思うよ。ほら、言って居場所作ってあげような」
俺はヒカルとゴウキの会話に混乱していた。
「俺も転生してる……あの勇者は魔王様が執着してるからカゲも口説く事はねえから。勇者を攻撃されて怪我させられるのは俺らも困るからカゲと距離置くなら俺らの家にいていいからな」
俺はヒカルだけじゃなくてゴウキまで転生している事に驚いて、2人が話しやすくて居心地良かった理由がわかった気がした。
「……えっと、魔王様に執着されてる勇者?私は魔王様と面識ないからわからないんですけど…魔王様がどうして??」
「ゴウキは気づいてないから、お前…イチも伝えてくれると話は早いと思う」
「そうなんですか?……えっと、私も転生してます。でも…転生前の私もココにいます」
「……??双子か?分身?」
俺の説明にゴウキ混乱していた。ヒカルが笑いながらゴウキに説明してくれていた。
「……理解はした。勇者はいるけど橋本は転生したって事だな?なあ、聞いていいか?カゲを好きっていつからだ?」
ゴウキはヒカルの説明で理解をして、カゲへの想いについて聞いてきた。
いつだと問われ伏し目がちに視線落として答えた。
「……勇者として召喚されて、ずっと見守ってくれてたって知って…魔王様に会うまでずっと側にいてくれたのは嬉しかったんです。でも……強くならなきゃって思いもあったから、勇者の時は気づかなくて魔王様に出会って魔王様に惹かれたというか……支えなきゃとも思ったけどカゲに会えなくなって寂しかったんです」
「マジか……」
「そうなんだ。……それなら魔王様にはイチは会わない方がいいな?カゲが勇者といるのを見るのは辛いよな?俺らの家で過ごしていいから、少しカゲから離れたらいいんじゃないかな?」
ゴウキとヒカルの提案に俺は悩んだ。カゲの側にはいたいとは思うけど、カゲが勇者の側にいる姿は見たくなかった。
今の俺なら勇者を暗殺する事も出来るけど、過去の自分を暗殺してもいいのかという葛藤もあったから。
「よし、決まりだな。勇者は怪我させられても四天王として困るから!」
「ゴウキが決定するなよな?なぁ、後どれくらいの期間だ?勇者が魔王様と会えるまで……俺達も勇者の強さの予測でもう少ししたら会えるとは思うけど?」
俺は前世を思い返して、旅立ってからの年数と状況の記憶を掘り起こしていた。
「……後、半年くらいです」
「そっか。半年ならカゲと離れるのは我慢出来るか?」
俺は頷いた。ゴウキとヒカルは視線合わせて頷き合い、俺を二人の家へと案内してくれた。
二人の家について、色々考えていた。
転生していると、伝えるのは本人からってヒカルが言ってたのを思い返して。
魔王に会うなって事は魔王は転生してるとだけ聞いてたけど、魔王の前世って考えると会わない方がいいなと心に決めた。
そういえば、勇者の時にカゲの食ってた飯が気になってたのを思い出してていた。
確か……カゲの飯と交換しようとしてた気がするんだよな?断られて…どうしたっけ?
そんな事を思い返していたら、勇者がカゲの腕を引っ張っていたのを見て、衝動的に隠し持っていた短剣を勇者目がけて投擲していた。
勇者は相変わらず、俺の気配には気づかなくて投擲にも気づくことなく……。
カゲが勇者に悟られない様に弾いていた。
カゲは投擲の位置から俺の居場所を把握して、勇者に気づかれない様に視線で諭された。
カゲの護衛対象に嫉妬して攻撃したなんて嫌われたって、慌ててその場から姿を消した。
カゲは勇者の護衛任務があるから追いかけては来ないって理解はしていたけど……。
過去の勇者に嫉妬して攻撃なんて、カゲの側にいたいなんて言えないなと…。俺はカゲから離れて隠密だけは忘れずに落ち込んでいた。
近づく気配には気づいたけど、悪意ないから気にする必要もなく膝を抱え込んで俯いていた。
「……誰かいるかと思ったらお前か何してんだ?」
優しく声かけられて顔をあげたらゴウキだった。優しく声かけられて涙零れたのは仕方ないって思う……。
「お、おい?どうした……」
ゴウキは狼狽えながらも俺が落ち着くまで頭撫でてくれた。
「……あの、ゴウキ様は好きな人が他の人に触れるのは平気ですか?」
泣きやみ落ち着いた俺にゴウキの羽織っていたマントを羽織らせてくれた。
「そうだな…理由によるな?」
「……理由ですか。じゃあ、片思いしている相手の護衛対象に攻撃したら嫌われますよね?」
「理由によるだろ?護衛対象は守りはするが、関係性によったら理由は聞くな」
俺は、勇者の行動と心情は覚えているから嫌で嫉妬したって……そんな説明したらカゲは勇者とどうするんだろうって思うと怖かったから、説明なんて出来ないって蒼白な表情で首を振った。
「……言えない理由か?気持ちの整理が着くまで距離置くとかはどうだ?」
距離?と言われて首傾げた。行く場所なんて居場所なんてないから、どうしたらいいか回らない思考で考えた。
「帰る場所とかないのか?……少し待て、聞いてみるから…………」
ゴウキは誰かに連絡をしている様で、連絡を終えると俺の頭撫でてくれた。
「俺の家に好きなだけいていいぜ。一緒に住んでる奴にも許可は得たから。俺達は任務で家にいることは少ないから好きなだけいろよ」
ゴウキの突然の言葉に驚いていると、「気にすんな」としか言われず混乱していたら急に近づいて来る気配を感じた。
「……ちょっと、説明不足だよね?俺とゴウキの家だから好きなだけいていいからな?あ~…なぁ、ゴウキは伝えてるのか?」
「何がだ?言わなくてもわかんねえか??」
「伝えた方がわかると思うよ。ほら、言って居場所作ってあげような」
俺はヒカルとゴウキの会話に混乱していた。
「俺も転生してる……あの勇者は魔王様が執着してるからカゲも口説く事はねえから。勇者を攻撃されて怪我させられるのは俺らも困るからカゲと距離置くなら俺らの家にいていいからな」
俺はヒカルだけじゃなくてゴウキまで転生している事に驚いて、2人が話しやすくて居心地良かった理由がわかった気がした。
「……えっと、魔王様に執着されてる勇者?私は魔王様と面識ないからわからないんですけど…魔王様がどうして??」
「ゴウキは気づいてないから、お前…イチも伝えてくれると話は早いと思う」
「そうなんですか?……えっと、私も転生してます。でも…転生前の私もココにいます」
「……??双子か?分身?」
俺の説明にゴウキ混乱していた。ヒカルが笑いながらゴウキに説明してくれていた。
「……理解はした。勇者はいるけど橋本は転生したって事だな?なあ、聞いていいか?カゲを好きっていつからだ?」
ゴウキはヒカルの説明で理解をして、カゲへの想いについて聞いてきた。
いつだと問われ伏し目がちに視線落として答えた。
「……勇者として召喚されて、ずっと見守ってくれてたって知って…魔王様に会うまでずっと側にいてくれたのは嬉しかったんです。でも……強くならなきゃって思いもあったから、勇者の時は気づかなくて魔王様に出会って魔王様に惹かれたというか……支えなきゃとも思ったけどカゲに会えなくなって寂しかったんです」
「マジか……」
「そうなんだ。……それなら魔王様にはイチは会わない方がいいな?カゲが勇者といるのを見るのは辛いよな?俺らの家で過ごしていいから、少しカゲから離れたらいいんじゃないかな?」
ゴウキとヒカルの提案に俺は悩んだ。カゲの側にはいたいとは思うけど、カゲが勇者の側にいる姿は見たくなかった。
今の俺なら勇者を暗殺する事も出来るけど、過去の自分を暗殺してもいいのかという葛藤もあったから。
「よし、決まりだな。勇者は怪我させられても四天王として困るから!」
「ゴウキが決定するなよな?なぁ、後どれくらいの期間だ?勇者が魔王様と会えるまで……俺達も勇者の強さの予測でもう少ししたら会えるとは思うけど?」
俺は前世を思い返して、旅立ってからの年数と状況の記憶を掘り起こしていた。
「……後、半年くらいです」
「そっか。半年ならカゲと離れるのは我慢出来るか?」
俺は頷いた。ゴウキとヒカルは視線合わせて頷き合い、俺を二人の家へと案内してくれた。
二人の家について、色々考えていた。
転生していると、伝えるのは本人からってヒカルが言ってたのを思い返して。
魔王に会うなって事は魔王は転生してるとだけ聞いてたけど、魔王の前世って考えると会わない方がいいなと心に決めた。
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