勇者召喚されて召喚先で人生終えたら、召喚前の人生に勇者能力引き継いでたんだけど!?

にゃんこ

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異世界再び

転生?

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薄れたはずの意識から、気づくと全く知らない場所で目覚めた。

病院にしては古くさくて埃っぽく、痛かった体の痛みもなく起き上がれた。

起き上がり、違和感のある体に首を傾げながらも考えていた。


俺……イヤ、私?

えっ、俺は橋本光一だった。

今は、イチと呼ばれる。

魔族で。
人族と魔族の境目にあるすぐ近くの村に住む。
人族に見つからない様に隠密は必須だった。



転生したと気づいてから1週間がたって、村には、ほとんど年寄りばかりで同年代は1人しかいなかった。
隠密が出来ないとここでは暮らせないから、別の村に移動していたからだった。


ここ1週間人族の方が騒がしさを感じていたが、特に攻撃してくる事もなかったから警戒だけしていた。
そんな時、珍しく村に1人の魔族が尋ねて来た。

村の入口付近で長老が話していたんだけど、四天王の1人がだと好奇心旺盛な同年代が見てきた様で教えてくれた。


四天王?って、まさか召喚された異世界に転生したなんて事はないよな?
気になって村の入口の様子を見に行った。


「レオ?」

何で?……本当に召喚された異世界なのか?


じゃあ、カゲもいる?会いたいけど……俺だとは気づかないよな。



隠れるように村の入口の様子をうかがっていた。
レオは長老に話終えると、村としての結論を聞きにまた来ると言っていなくなった。


長老が村の中央に数十人の村人を集めて、四天王レオからの話を伝えてくれた。

要約すると、勇者が召喚されて魔王討伐の旅に出る事になっている。魔王は勇者と争うつもりはなくて人族にも攻撃されない限りは手は出さないと、無抵抗の人族に攻撃をする魔族は反逆者として四天王が反逆者の親族諸共滅ぼすと伝えてきた。

えっ?何だよそれ。つまりは人族と仲良くしろって事だよな……人族は無抵抗の魔族を平気で討伐してたのに?
両親は人族の討伐対象となったのに?無抵抗で優しい両親だったのに、ふざけてるんじゃないか。


長老は人族と和解するならこの村で人族が魔族の領地に入らないように見張ることもないから、安全な村への移動を提案してきた。
同年代は安全な村に家族がいるから移動には賛成してた、俺は……和解には可否はない、でも家族もいない村にも行きたくないからと村からの独り立ちを希望した。


数日後

再び、四天王レオが来て長老から俺以外は家族のいる安全な村へと移動すると伝えた。俺は、人族が攻撃してこない限りは攻撃しないとだけ約束をして、1人旅立つ事にした。


「そうなのね。可愛い女の子みたいだけどこの村にいるなら1人旅立つのも平気よね。ワタシも各村にも行くから出会ったら話しましょうね。頑張ってね」

レオにそう言われて、「わかりました」と頷いた。



村から旅立って、カゲがどこかにいるかと探し回った。

村からでて、半年程過ぎた頃。人族の領地から魔族領地へと勇者が弱いスライムにすら苦戦していると噂を聞いた。


俺は四天王が魔王からの命令で各村に行っていたなら、カゲは勇者を影ながら護衛しているかもしれないと考えた。
俺が召喚された時はそうだったから。

そう思うと、気配も消さずに弱い魔物と苦戦している気配のする方へと向かった。


勇者の顔は見えなかったけど、勇者から離れるように勇者が倒せない魔物を倒していたカゲを見つけた。


特に行先のない旅だったから、勇者を見守るカゲに気づかれない距離でカゲの後を着いて行った。

勇者の顔の確認は出来なかったけど、勇者の行動に既視感を抱きながらも、勇者に討伐出来ない魔物を討伐するカゲの手助けを気づかれないように手伝っていた。


俺に気づかなくても、数度の魔物討伐手助けにカゲに気づかれて警戒され始めたからカゲの前に姿を現すことに決めた。

「……初めまして、四天王のカゲですよね?私、イチって言います」

カゲは気配なく現れた俺に驚いた表情を一瞬浮かべるもすぐに平静取り戻していた。

「あの、邪魔はしないので手伝いしてもいいですか?」

カゲは無言で勇者の見守りに戻った。

そこで、俺は初めて勇者の顔を認識出来る距離に来ていて顔を見て驚いた。

「……勇者って、勇者コウ?どういう事?」


驚いて声に出した俺を静かにしろとカゲに言われた。

「…ごめん。あの、……あの人って勇者コウであってます?異世界召喚された、あの異世界のどこからとかって知ってたりします?」

カゲは黙らない俺に呆れたように溜息吐いて一言話した。

「アイツが寝るまで待て」



勇者が寝るまで大人しく待った。


勇者が寝ると、カゲは勇者の周りに結界を張り一息ついた。

「待たせたな。勇者に興味があるのかは知らないが、勇者に惚れても無駄だからやめておけ。魔王様は勇者に執着してる」

俺はカゲ達のいる異世界に転生しただけじゃなく、時間も戻っているのかと考え始めた。

「……あの、その。私は勇者には惚れてません、惚れるわけないです」

「そうか。それなら問題ないな。それで、俺に何が聴きたいんだ?」

「……わからなくなりました。でも、私はアナタカゲの側にいたいです」

「邪魔だ」

即拒絶されたけど、光一を好きだったカゲじゃないけど、俺は異世界召喚で見守ってくれていたカゲの側にいたかった。

「邪魔はしません。ずっと見守るなら食料調達とか大変ですよね?私がやりますから、側にいさせてください」

「はぁ、邪魔だけはするなよ?」

溜息吐いて承諾されて嬉しくて表情が綻んだ。

「はい。大丈夫です、隠密は得意ですから」

「……いつからいた?」

「3ヶ月前位から。あの…カゲって呼んでもいいですか?」

「好きにしろ。お前の名前なんだった?」

「私、イチです。イチカ・ブリッ……」

名乗ろとしてカゲに口元を抑えられた。

「馬鹿か?真名を名乗るな!…家名まで聞いてないから、これ以上は真名は名乗るな」

「……」

俺は口元抑えられていた為、無言で頷いて口元から手を離された。


「真名名乗ったらダメって何故か聞いてもいいですか?」

そういえば、村の人達も愛称でしか呼び合わず名前知らなかったなと思い返していた。

「……知らないのか?真名は両親と伴侶にしか教えない。真名を教えるのは生涯の伴侶にだけだ」

幼い時に両親なくした為、知らなかった事実に驚きつつも、勇者として召喚されて光一ではなくコウとして名乗らせられた理由を理解した。

「私、カゲの事好きだから真名教えても平気なので気にしないでくださいね」

「そういう話じゃないんだけどな。いいか、真名は名乗るな!それよりも俺を好きって何だ?」

「好きに意味ってあるんですか?好きなんです、側にいたいって思うから邪魔はしないから側にいさせてください」

「邪魔しないなら勝手にしろ」

承諾されて嬉しくて抱きついた。

俺が好きだったのはこっちのカゲなのか、高校生のカゲ透さんなのかわからなくなってたけど、カゲ会えて側にいれる事が嬉しかった。
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