上 下
32 / 60
交差し始める想い

久々の再開

しおりを挟む
全国大会予選も始まり、ヒカルとゴウキも応援に来てくれて久しぶりに会える事になった。


ヒカルとゴウキは同じ大学で、ゴウキは余裕の合格圏内でヒカルがゴウキに勉強を教えてもらいながら必死に頑張って合格したと聞いた。

「そうなんだ?ゴウキよりもヒカルの方が勉強出来るって思ってた」

「よく言われるな、それ」

「高校の時は豪騎は学年1位だったんだよな」

ゴウキの事を嬉しそうにヒカルは語っていた。相変わらずの仲良さに見ていて俺も嬉しくなっていた。

「なあ、舞桜とキスしたってホントか?キスしたのに付き合わないってなんでだ?」

「豪騎!人の恋路に口出しするなって言ったよな?」

ゴウキの問にヒカルが慌てていた。

「舞桜から聞いたんだな。……ゴウキとヒカルになら話してもいいか」

俺は2人に話し始めた。


召喚された異世界の魔王と婚姻して出来た息子がいた事、魔族は寿命が長くて魔王との息子も俺とのハーフといっても魔族の血が流れてるから寿命が俺とは違った事、俺だけ年老いていくのに2人は若く綺麗で年老いて寿命を全うした俺の最後は辛そうにしながらも俺を不安にさせない様にしていて、俺は2人の側にいてあげたいって思ったのに無理な事が辛かった事。

そして、俺が召喚されて魔王の元に行くまで見守って側に居てくれたカゲが魔王と出会って婚姻してから俺の前に姿を見せなくなった事、俺はカゲはずっと側に居てくれると思ったけど離れていって寂しかった事を話した。


「…………だから、俺は選ばない。側にいてあげたいって思う。側にいたいって思うから……選んで離れるなら選ばないで離れられた方がいいから。俺は怖いんだ…悲しむ顔も失う事も……。異世界あっちとは違うって思うけど、俺は…魔王を悲しませたくないし、カゲの側にいたいんだ……カゲが居ると俺は頑張れる、俺は…カゲが好きなんだ…透さんに会いたいって思う、透さんが好きでも、選べない俺が言える気持ちじゃないんだ、だから選ばないって事だよ」

俺の長い話をヒカルとゴウキは黙って最後まで聞いてくれた。

「……つまり、異世界あっちでは舞桜が好き?今は西影さんが好きって事だよな?」

ゴウキは確認のように言葉にしていた。

「そっか。橋本が決めた事なら何も言わないけどさ、西影さんには会いたいなら会いたいって言わないとあの人会ってくれないと思うよ?高校の時も最低限の交流しか俺らとしてこなかったから。……後、西影さんは同性好きって事はないと思うから、秋桜サッカー部ってモテるんだけど部活に専念したいからって断るか、異性よりは同性好きだからって断るかなんだけど……西影さんは同性は断ってたけど異性はフリーなら付き合ってたから」

「……そっか。透さんは優しいしカッコいいから…連絡ないって事は、そうなんだよな。選ばないって決めたから会いたいなんて言えない……」

俺は久しぶりに会ったヒカルとゴウキに謝罪しその場を後にした。




その後のヒカルとゴウキ


「なあ、橋本勘違いしてんじゃねえ?」

「そうかもね。でも、選ばないなら覚悟も必要だと思うんだよね?西影さんはフリーなら断らないのは事実だし、でも好きな人いる時は断ってたけど」

「そうだよな。なあ、西影さんって橋本の前にも好きな人っていたのか?断ってた事あったか?」

「橋本と出会った位から断ってたけど、その前は俺が知る限りは断ってないと思うよ」

「橋本が初恋って事か?あれか、初恋は実らないってやつ?…あれ?お互い好きなのに実らないって変だな??」

「俺らが口出し出来る事じゃないよ。舞桜と西影さんはどっちも大事な元チームメイトだし、どっちかの応援なんて出来ないんだから」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

乙女ゲームが俺のせいでバグだらけになった件について

はかまる
BL
異世界転生配属係の神様に間違えて何の関係もない乙女ゲームの悪役令状ポジションに転生させられた元男子高校生が、世界がバグだらけになった世界で頑張る話。

【完結】雨を待つ隠れ家

エウラ
BL
VRMMO 『Free Fantasy online』通称FFOのログイン中に、異世界召喚された桜庭六花。しかし、それはその異世界では禁忌魔法で欠陥もあり、魂だけが召喚された為、見かねた異世界の神が急遽アバターをかたどった身体を創って魂を容れたが、馴染む前に召喚陣に転移してしまう。 結果、隷属の首輪で奴隷として生きることになり・・・。 主人公の待遇はかなり酷いです。(身体的にも精神的にも辛い) 後に救い出され、溺愛されてハッピーエンド予定。 設定が仕事しませんでした。全員キャラが暴走。ノリと勢いで書いてるので、それでもよかったら読んで下さい。 番外編を追加していましたが、長くなって収拾つかなくなりそうなのでこちらは完結にします。 読んでくださってありがとう御座いました。 別タイトルで番外編を書く予定です。

帝国皇子のお婿さんになりました

クリム
BL
 帝国の皇太子エリファス・ロータスとの婚姻を神殿で誓った瞬間、ハルシオン・アスターは自分の前世を思い出す。普通の日本人主婦だったことを。  そして『白い結婚』だったはずの婚姻後、皇太子の寝室に呼ばれることになり、ハルシオンはひた隠しにして来た事実に直面する。王族の姫が19歳まで独身を貫いたこと、その真実が暴かれると、出自の小王国は滅ぼされかねない。 「それなら皇太子殿下に一服盛りますかね、主様」 「そうだね、クーちゃん。ついでに血袋で寝台を汚してなんちゃって既成事実を」 「では、盛って服を乱して、血を……主様、これ……いや、まさかやる気ですか?」 「うん、クーちゃん」 「クーちゃんではありません、クー・チャンです。あ、主様、やめてください!」  これは隣国の帝国皇太子に嫁いだ小王国の『姫君』のお話。

そばにいてほしい。

15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。 そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。 ──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。 幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け 安心してください、ハピエンです。

姫を拐ったはずが勇者を拐ってしまった魔王

ミクリ21
BL
姫が拐われた! ……と思って慌てた皆は、姫が無事なのをみて安心する。 しかし、魔王は確かに誰かを拐っていった。 誰が拐われたのかを調べる皆。 一方魔王は? 「姫じゃなくて勇者なんだが」 「え?」 姫を拐ったはずが、勇者を拐ったのだった!?

【完結】僕の異世界転生先は卵で生まれて捨てられた竜でした

エウラ
BL
どうしてこうなったのか。 僕は今、卵の中。ここに生まれる前の記憶がある。 なんとなく異世界転生したんだと思うけど、捨てられたっぽい? 孵る前に死んじゃうよ!と思ったら誰かに助けられたみたい。 僕、頑張って大きくなって恩返しするからね! 天然記念物的な竜に転生した僕が、助けて育ててくれたエルフなお兄さんと旅をしながらのんびり過ごす話になる予定。 突発的に書き出したので先は分かりませんが短い予定です。 不定期投稿です。 本編完結で、番外編を更新予定です。不定期です。

神獣様の森にて。

しゅ
BL
どこ、ここ.......? 俺は橋本 俊。 残業終わり、会社のエレベーターに乗ったはずだった。 そう。そのはずである。 いつもの日常から、急に非日常になり、日常に変わる、そんなお話。 7話完結。完結後、別のペアの話を更新致します。

小学生のゲーム攻略相談にのっていたつもりだったのに、小学生じゃなく異世界の王子さま(イケメン)でした(涙)

九重
BL
大学院修了の年になったが就職できない今どきの学生 坂上 由(ゆう) 男 24歳。 半引きこもり状態となりネットに逃げた彼が見つけたのは【よろず相談サイト】という相談サイトだった。 そこで出会ったアディという小学生? の相談に乗っている間に、由はとんでもない状態に引きずり込まれていく。 これは、知らない間に異世界の国家育成にかかわり、あげく異世界に召喚され、そこで様々な国家の問題に突っ込みたくない足を突っ込み、思いもよらぬ『好意』を得てしまった男の奮闘記である。 注:主人公は女の子が大好きです。それが苦手な方はバックしてください。 *ずいぶん前に、他サイトで公開していた作品の再掲載です。(当時のタイトル「よろず相談サイト」)

処理中です...