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第3幕

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アベルは魔王アルフレッドとアンジェリカに説明を求めた。

「どうして、君達があの場にいてここまで、騒ぎを起こしたのかな?」

「余とこの娘らを囲み、1箇所に集めた後。馬鹿な事を言い始めた故に、カイン達が来て見せた方がいいと思っただけじゃ」

アルフレッドは悪びれずに答え話し終えた。

「簡潔過ぎだよな?ねえ、本当やめてくれないかな?ユリアーナ王女に何かあるとウィリアムが隣国から文句言いに来そうなんだから。後、ディアンナならあれくらいなら簡単に倒せるよね?」

グレンが呆れた様にアルフレッドに文句をいい。
アルフレッドは、ディアンナを庇う様に口を挟んだ。

「この娘を止めたのは余だ。戦う為に動けば着飾ったの台無しになるじゃろ?」

「いい心がけじゃが。近づき過ぎておる」

アンジェリカに注意をされ、カインはアルフレッドから引き離すようにディアンナを抱きしめていた。

「ふむ、悪かった。アンは妬く姿も可愛い」

アルフレッドのアンジェリカに対する返しに、アベルとグレンは同じ人物を頭に浮かばせていた。

「突然、過ぎて驚いたけど。お粗末過ぎる内容だったよな?」

グレンが笑いながら言うと、キャンディスとユリアーナが顔を見合わせ頷き合っていた。

「グレン様。お粗末ですが捩れたシナリオの結末だと思いますわ」

ユリアーナの言葉にグレンは首を傾げ説明を求めた。

「私が説明しますわ。予測でしかありませんが、本来なら私が悪役令嬢となる断罪を食い止め、私は存じておりませんでしたがシリーズ2と3もヒロインから悪役令嬢になるべき人を遠ざけ守った、アベル殿下、お兄様、グレン様がシナリオ通りに進めれなかった悪として排除しようとしたのだと思います。ですが、3人を的に回すのは力不足のは為、アンリと魔王様も巻き込まれたのだと思いますわ」

キャンディスの予測という話しにアベルは一理あるかもと頷いた。

「ウィリアムの話だとシリーズは私達の卒業で終えると言っていたから、キャシーは安心して学園生活を送るといい」

カインはキャンディスの頭を撫でた。

「お兄様、ありがとうございます。私なら大丈夫ですわ。ディアンナ様、ユリアーナ様、アンリがいますから。アンジェリカ様は魔王様と国に帰られるのですよね?帰られるても、お友達でいてくれると嬉しいですわ」

キャンディスとアンジェリカは楽しそうに会話を弾ませている姿は微笑ましかった。

「ねえ、ユリアーナ王女はさ帰国しないの?俺は卒業しちゃうから学園にはいないよ?」

「嫌です、離れませんわ。学園を卒業しても学園にいたら会いに行ける距離ですから。帰国したら遠過ぎるし、せっかく仲良くなったキャンディス様と話しに盛り上がれませんわ」

「ウィリアムは君が帰国すると思っていたみたいだよ?帰国してあげなくていいのかな?」

ユリアーナは少し考えるも首を横に振った。

「そう。ウィリアムは転生記憶を思い出したユリアーナ王女に会いたがっていたよ」

「どういう事ですの!?ウィルお兄様かどうしてそんな事を?」

「あれ、伝えてなかったっけ?ウィリアムも転生者でカインの息子だって言ってたんだけど」

グレンは首を傾げ特に気にした様子もなく告げた。

「絶対に帰国しませんわ!!」

「グレンはウィリアムに後で恨まれても知らないからな。ウィリアムは私よりも口うるさかったから、伝えたらこうなる事はわかっていたからアベルも転生者だと伝えずに会いたがっていた、としか言わなかったんだがな?」

ユリアーナはアベルとカインの方を向き文句言いたげな視線を向けながら断言していた。

「帰国は絶対にしませんわ!」

「えっ?俺、ウィリアムに何かされちゃうって事?」

「フォローはするよ」
「間に入って止めはする」

アベルとカインに同時に言われ、グレンは慌てた。

「ウィリアムってそんなシスコンだったっけ?」

「違うな。シスコンと言うよりも、父親的な愛だと思う。私の父様の様にと言えばわかりやすいと思うが?」

「えっ?ちょっと、待って!それってめちゃくちゃ愛情あるって事だよね?うわ~、俺、ユリアーナは隣国王女ってだけで大事にしたらいいと思ってたのに、怖くなってきたんだけど…アベルはどうしてるか聞かせて!」

グレンはアベルに縋りつき、アベルとカインに笑われながらも助けるからと言われ安心していた。
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