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第3幕
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キャンディス、ディアンナ、ユリアーナは部屋に戻るように伝えた。戻らないなら、3人で一緒にいるようにと指示をした。
アベル、カイン、グレンは婚約者をアンソニーに対面させるつもりはなく、3人とアメリアを引き連れてアンソニーのいる部屋へと向かった。
「先に、アメリア・アードレーの方にするかな?」
アンソニーは体の痛みから、起き上がることも出来ずに、入室早々に妹アメリアに冷たい声で告げるアベルに視線だけ動かしていた。
「アメリア・アードレーをどうするか、グレンに任せるよ」
アベルの冷たい声に「俺?」と呆気に取られた口調で返され、アメリアは少なからずホッとしていた。
「まあ、いっか。ねえ、俺を慕っていたのは知ってたんだけどね?何でユリアーナ王女に近づいて仲良くしてたの?ユリアーナ王女を巻き込まなければ、良かったんだけどな?」
「えっ?知って…。違う、近づいたのはそんな理由じゃない!」
「そうなの?じゃあ、もう一つ。オリエンテーションの時は偶然としても、どうしてその後にカインに近づいたの?カインに近づいて、ディアンナに近づかない様に?それとも、カインを心配して俺が付き添うとでも思った?」
グレンの言葉に、アメリアは慌て狼狽えた。
「そっか。俺の考えで合ってるんだね?俺が、どうしてユリアーナに王女をつけて呼んでる意味も理解してないよな。ユリアーナは隣国の第2王女で何か合ったら、友好国の隣国と険悪化しちゃうんだよ?ねえ、俺はね。ユリアーナと仲良くしてるだけだったら、許せたんだけどな?」
「邪魔はしてない。ただ、見てただけで…」
「ふーん。見てるだけだったの?俺がユリアーナに興味ないって思って、少しは期待してなかった?なあ、どうなの?」
グレンはアメリアに近づいて人受けの良い笑みを浮かべて、アメリアの顎に手を添え軽く持ち上げた。
アメリアは近距離でグレンに触れられて、頬染めるも、言われている言葉に怯える様子も見られた。
「バカだよな。見た目と偽りの態度に騙されるんだから。なあ、二度とユリアーナの前に姿見せないで!孤島の教会で生涯過して、今回の行動についてゆっくり考えて。俺の言いたいことは終わったから、次はカインだよな?」
アメリアに対してどうするかを告げた後にアベルを見て、いつも通りの笑み向けカインを見た。
「私か。おい、起きてるな?」
カインはアンソニーを冷たい視線向け見下ろした。
アンソニーは、痛みで動かない体の為視線だけでカインを睨みつけた。
「全く反省してないな。ディアが止めるから殺しはしない」
「お前みたいな奴にディアンナは相応しくないんだ。お前が怖くて言えないだけで、ディアンナは俺が好きなんだ。ディアンナから離れろ!女々しい執着野郎!」
「言いたいことはそれだけか?お前がディアの名を呼ぶだけでもディアが汚れる。静かにしておけ」
カインはアンソニーに一時的に話せなくなる魔法をかけた。
アベルとグレンは、また規格外な事をしているなと何も言わずに眺めていた。
「ディアを怖がらせたりしなければ、私もここまで怒りはしなかった。お前には生涯拷問し続けてやる。拷問することが好きな奴がいるから、そいつに任せるつもりだ。殺しはしないから、生涯拷問受け続けるんだ。死なない様に保護魔法と精神も壊れない様に保護をしてやる。そして、毎日楽しく拷問される様に毎朝完全回復の魔法もかけてやる。感謝するんだな」
カインはディアンナの名を呼べば苦痛を伴う様にし、アンソニーが話せる様に魔法解除した。
「デ、……うっ、くそ!何しやがった!!」
「名を呼ぶな汚れると言ったはずだ。名を呼ぼうとしたら苦痛を感じるだけだ。些細な事だ、名を呼ぶ事は許さない」
「くそ。お前もそこの兄もそんな性格でデ……っ、くそくそ!あの子が怖がるだろ!あの子から離れろ!!」
カインがディアンナを怖がらせる、と言われ黙り込んでしまうと、グレンは話しに割り込むことにした。
「知ってるよ。ディアンナは俺の事もカインの事も薄々気づいてる。ディアンナも騎士の娘だよ。仕えるべき相手が恩情だけしか持たない何て事はない、斬捨てる時は容赦なく斬捨てれる。それが俺の…俺らの家訓だよ」
カインはそう言われて、キャンディスの事を思い出し、キャンディスもアベルの裏の顔も知っていて慕っていた事を思いアベルを見て、落ち着きを取り戻した。
「グレン、ありがとう。お前がディアを語るな!私はディアの言葉を信じる。私が守る!ディアの前にその面を見せるな、ディアを汚すな!!」
カインが言い終えると、アベルが間に入り。
「カイン、グレンお疲れ様。この2人は希望通りにしておくよ。この男の方は、カインはかけたい魔法があるみたいだからそれは後日にしようね?」
カインはアベルの言葉に感謝すると答え頷いた。
「ディア達が部屋に戻らないで、私達を待っている様だが。アベルとグレンも一緒に行かないか?」
「見える様になっても魔力で位置把握出来んだな?もちろん、行く!カインが婚約者に癒やされるって言うのが少しだけわかった気がする。俺の言動にコロコロ表情変わるのは面白いな」
「そうだね。たまには優しくして照れる姿も可愛いかもね」
「アベルは程々にな?キャシーを翻弄させるな」
「それカインが言うなよ?ディアンナにしてるよな?」
和気藹々と話す3人の様子はいつも見慣れていた、楽しそうに優しい姿だった。
アンソニーは何も言わずに動かない体だが悔しそうに手に血が滲む程握りしめていた。
アメリアは、見てるだけのつもりが僅かに希望を抱いた事を見破られた事よりも、目の前で楽しそうに話す姿を見れるのは最後なんだと思い、涙を流し見つめていた。
アベル、カイン、グレンは婚約者をアンソニーに対面させるつもりはなく、3人とアメリアを引き連れてアンソニーのいる部屋へと向かった。
「先に、アメリア・アードレーの方にするかな?」
アンソニーは体の痛みから、起き上がることも出来ずに、入室早々に妹アメリアに冷たい声で告げるアベルに視線だけ動かしていた。
「アメリア・アードレーをどうするか、グレンに任せるよ」
アベルの冷たい声に「俺?」と呆気に取られた口調で返され、アメリアは少なからずホッとしていた。
「まあ、いっか。ねえ、俺を慕っていたのは知ってたんだけどね?何でユリアーナ王女に近づいて仲良くしてたの?ユリアーナ王女を巻き込まなければ、良かったんだけどな?」
「えっ?知って…。違う、近づいたのはそんな理由じゃない!」
「そうなの?じゃあ、もう一つ。オリエンテーションの時は偶然としても、どうしてその後にカインに近づいたの?カインに近づいて、ディアンナに近づかない様に?それとも、カインを心配して俺が付き添うとでも思った?」
グレンの言葉に、アメリアは慌て狼狽えた。
「そっか。俺の考えで合ってるんだね?俺が、どうしてユリアーナに王女をつけて呼んでる意味も理解してないよな。ユリアーナは隣国の第2王女で何か合ったら、友好国の隣国と険悪化しちゃうんだよ?ねえ、俺はね。ユリアーナと仲良くしてるだけだったら、許せたんだけどな?」
「邪魔はしてない。ただ、見てただけで…」
「ふーん。見てるだけだったの?俺がユリアーナに興味ないって思って、少しは期待してなかった?なあ、どうなの?」
グレンはアメリアに近づいて人受けの良い笑みを浮かべて、アメリアの顎に手を添え軽く持ち上げた。
アメリアは近距離でグレンに触れられて、頬染めるも、言われている言葉に怯える様子も見られた。
「バカだよな。見た目と偽りの態度に騙されるんだから。なあ、二度とユリアーナの前に姿見せないで!孤島の教会で生涯過して、今回の行動についてゆっくり考えて。俺の言いたいことは終わったから、次はカインだよな?」
アメリアに対してどうするかを告げた後にアベルを見て、いつも通りの笑み向けカインを見た。
「私か。おい、起きてるな?」
カインはアンソニーを冷たい視線向け見下ろした。
アンソニーは、痛みで動かない体の為視線だけでカインを睨みつけた。
「全く反省してないな。ディアが止めるから殺しはしない」
「お前みたいな奴にディアンナは相応しくないんだ。お前が怖くて言えないだけで、ディアンナは俺が好きなんだ。ディアンナから離れろ!女々しい執着野郎!」
「言いたいことはそれだけか?お前がディアの名を呼ぶだけでもディアが汚れる。静かにしておけ」
カインはアンソニーに一時的に話せなくなる魔法をかけた。
アベルとグレンは、また規格外な事をしているなと何も言わずに眺めていた。
「ディアを怖がらせたりしなければ、私もここまで怒りはしなかった。お前には生涯拷問し続けてやる。拷問することが好きな奴がいるから、そいつに任せるつもりだ。殺しはしないから、生涯拷問受け続けるんだ。死なない様に保護魔法と精神も壊れない様に保護をしてやる。そして、毎日楽しく拷問される様に毎朝完全回復の魔法もかけてやる。感謝するんだな」
カインはディアンナの名を呼べば苦痛を伴う様にし、アンソニーが話せる様に魔法解除した。
「デ、……うっ、くそ!何しやがった!!」
「名を呼ぶな汚れると言ったはずだ。名を呼ぼうとしたら苦痛を感じるだけだ。些細な事だ、名を呼ぶ事は許さない」
「くそ。お前もそこの兄もそんな性格でデ……っ、くそくそ!あの子が怖がるだろ!あの子から離れろ!!」
カインがディアンナを怖がらせる、と言われ黙り込んでしまうと、グレンは話しに割り込むことにした。
「知ってるよ。ディアンナは俺の事もカインの事も薄々気づいてる。ディアンナも騎士の娘だよ。仕えるべき相手が恩情だけしか持たない何て事はない、斬捨てる時は容赦なく斬捨てれる。それが俺の…俺らの家訓だよ」
カインはそう言われて、キャンディスの事を思い出し、キャンディスもアベルの裏の顔も知っていて慕っていた事を思いアベルを見て、落ち着きを取り戻した。
「グレン、ありがとう。お前がディアを語るな!私はディアの言葉を信じる。私が守る!ディアの前にその面を見せるな、ディアを汚すな!!」
カインが言い終えると、アベルが間に入り。
「カイン、グレンお疲れ様。この2人は希望通りにしておくよ。この男の方は、カインはかけたい魔法があるみたいだからそれは後日にしようね?」
カインはアベルの言葉に感謝すると答え頷いた。
「ディア達が部屋に戻らないで、私達を待っている様だが。アベルとグレンも一緒に行かないか?」
「見える様になっても魔力で位置把握出来んだな?もちろん、行く!カインが婚約者に癒やされるって言うのが少しだけわかった気がする。俺の言動にコロコロ表情変わるのは面白いな」
「そうだね。たまには優しくして照れる姿も可愛いかもね」
「アベルは程々にな?キャシーを翻弄させるな」
「それカインが言うなよ?ディアンナにしてるよな?」
和気藹々と話す3人の様子はいつも見慣れていた、楽しそうに優しい姿だった。
アンソニーは何も言わずに動かない体だが悔しそうに手に血が滲む程握りしめていた。
アメリアは、見てるだけのつもりが僅かに希望を抱いた事を見破られた事よりも、目の前で楽しそうに話す姿を見れるのは最後なんだと思い、涙を流し見つめていた。
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