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第3幕

真相の解明と…

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カインへの嫌がらせの実行犯は数人の魔力無しの人物で、元を辿ると1人の人物が指示をし動いていた事を話した。

指示をしていた人物の名をディアンナの前で告げる事に躊躇したが、ディアンナにも警戒をして欲しく話し始めた。

アンソニー・アードレーが魔力が無い事で、学園内で一部の生徒に魔力の無い事で嫌がらせをされていたが、話しかけた切欠は些細な事だったとディアンナから確認はしていた。
ディアンナが話しかけて、その後から話す事も多くなってアンソニーへの嫌がらせ行為がなくなった事。ディアンナのおかげだと、アンソニーはディアンナに惹かれていった事、ディアンナの婚約者が優秀だと聞いても盲目で魔力無し認識出来ないなら、ディアンナを守れないなら身を引けばいいと、追いつめた事。
そして、カインに怒るなよと、一言告げてから話しを続けた。

カインがアンソニーを認識出来ない事をいい事に、アンソニーはディアンナへの過度な接触が多かった事、花やお菓子等残りにくい物の贈り物が多かった事を告げた。

カインはしばらく思考し沈黙していた。

「……ディアはアンソニー・アードレーが好きなのか?」

「いいえ」

ディアンナに即答されカインは安心し表情緩ませた。

「本当、ディアンナが絡むとダメダメになるよな?前にも言ったけど、婚約は家の為とか国の為って事の方が多いからな?好き嫌いで決める事じゃない。好きになれて大事な存在になるのは悪い事じゃないけどな。わかってるか?」

「理解はしている」

「それなら、いいんだけどね?そもそも、騎士団長の息子とは言え3男の俺はともかく、カインが学園入学してから婚約者決めるのも珍しいんだからな?騎士団と魔術師団を纏める総指揮団長の嫡男で実力も伴ってるカインだって理解してるか?お前がディアンナを好きなのは知ってる、でもな。家柄でだと俺の父親はお前の父親と比べたら実力も権力低いから、カインが本気でディアンナと婚約破棄を臨んだら俺の家は頷くしか出来ないんだから。ディアンナもお前を好きで側にいたいって思ってるって忘れるなよ!見えないから不安なのはわかるけど、ディアンナも不安にさせないで」

カインは驚き、家柄、権力の事を考え込みアベルの方を向き尋ねた。

「アベルの方が権力はある思う、では何故?父様はキャシーが望まないなら婚約解消も出来ると言っていた?」

「なるほどね。カインの父親も妻と娘への溺愛強かったね。権力は王家は強いよ、でもね家臣がいてこその王家も存続出来るんだよ。キャンディス嬢を1人幸せに出来ない王家に従う事はしない、総指揮団長の任等いらないって領地に籠もろうとしているのが君の父親なんだよね?キャンディス嬢の事は嫌いじゃないけど、恋焦がれてるかと言われたら違うって答えるよ。こんな僕で幻滅したかな?」

カインは困惑しながらも首を振り

「幻滅はしないが、驚いてはいる」

保健室内の沈黙が続き、カインはディアンナの方へと向き直り

「私の言動はディアを不安にさせていたのか?」

「大丈夫です。私はカイン様を信じていますわ。カイン様も私を信じてください、お兄様から話して貰える内容の事は聞いております。私はカイン様以外をお慕いすることはありません」

カインはディアンナを抱き寄せ抱きしめた。

「ありがとう。…私の考えは他者と違うみたいだ。ディア…入学した頃にディアに会いに行ってたのは迷惑ではなかったか?見えなくなったら、会いに行けばディアの負担になると思い行かなかったが、会いに行ってもいいか?」

ディアンナは抱きしめられた腕の中でコクリと頷いた。見えなくても肌で感じる仕草にカインは嬉しく思い、旋毛と思う位置に口づけた。

「なあ、俺らがいるってわかってんの?」

カインは「もちろんだ」と、答えたがディアンナは慌ててカインから離れた。

「ディアは可愛いな」

カインの言葉にディアンナの頬が真っ赤になっていた事はカインは気づかなくても、アベルとグレンは見て気づくも気づかないフリをしていた。

「話がそれたけど、カインはディアンナ嬢にアンソニー・アードレーが近づいても揺らがない自信を持つんだよ」

アベルにそう言われ、「わかった」と頷いた。

「足の火傷も治療しないとだね?治癒魔法士呼んでくるから待っててね」

「治癒魔法士はいらない。自分で治せる…火傷の範囲を教えて欲しい」

「え?」
「は?」

アベル、グレンは驚き声をあげて驚き、ディアンナは瞬きをし驚きカインを見ていた。

「どうした?早く範囲を教えて欲しいんだが?」

「いやいやいや、治癒魔法って聖属性魔法だよ?何で、使えんの??」

「聖属性魔法は使えない。使えるのは属性以外なら5属性だけだ」

「ちょっと、待って!俺らの知らない5属性なのか?」

「同じだと思うが?私の属性の土と火、風、水、光、闇だ」

「本当、当たり前に答えてるけど!何で治癒魔法使えんの??」

「グレンは落ち着こうね。ねぇ、カイン。普通は治癒魔法は聖属性だから使えないんだよ。どうして使えるのかな?」

グレンはアベルに落ちついてもらい、内心驚きながらも平静装い尋ねた。

「何故とは?魔法は創造だと思うんだが。治癒魔法は…母様やキャシーには絶対に言わないで欲しいんだが、治癒魔法は幼少期によく使って重宝していた。体動かして遊んで、木から落ちたり崖から落ちたりすると怪我をして怒られて外出禁止にされたから、バレずに治せば問題ないだろうと思い書物見て学んだ」

「そう。普通は書物見て学んだだけで出来ないからね?君がそこまで規格外だったとは思わなかったよ」

「普通は出来ないのか?」

カインも驚き問い返した。

「出来ないよ。僕は水属性持ちで水を氷に出来るけど、水属性持ちでも氷に出来ない人もいるから」

「知ってるとは思うけど、俺は火属性持ち、でも強い火魔法は使えないけど剣に火を纏わせて使うのは得意だな」

「…私も言った方がいい流れよね?私は、風属性持ちですわ。風魔法攻撃は出来ませんがつむじ風程度の風しか出来ませんので、基本的には剣術で身を守りますわ」

「何故、そんなに少ない??父様は多属性を使いこなしているが?」

カインは驚き困惑していた。

「さっきも言ったはずだけど。騎士団と魔術師団の総指揮団長だって、カインの父親もかなりの規格外なんだけど…カインはそれ以上だよ?…僕の、第2王子の側近じゃなくて、それ以上を望んでも手に入れられるよ」

「アベルの側近に相応しくないって事か?私は、アベルの側近になってアベルを支えていきたいんだが、駄目なのか?」

悲痛な声で、側近になりたい事を願った。

「駄目じゃないよ。優秀過ぎて僕の側近じゃなくても出来るって事だよ」

「嫌だ!アベルの側近がいい、それ以外なら王宮で働くつもりはない!」

「カインは落ち着こう。そういえば、忘れてたけど魔王の婚約者との戦いの時、騎士団員全員に身体強化をかけてたよな?」

「かけたな。前線で戦うグレンには魔法攻撃を受けても軽減されるのはかけたが、流石に他の人にまではかけれなかったから精進しないといけないなって思ってたんだが?あの時は私の弱さがグレンや他の騎士団員を危険な目に合わせてしまってすまない」

「カインは弱くないからな?俺にそんな魔法保護までかけてたのは気づかなかったけど。お前、あれだけの人数保護魔法かけてたのに、普通に魔法攻撃もしてたよな?弱くない、寧ろあり得ない位に強いからな!」

「ディアに近づく魔力無しに何も出来ないんだが?」

アベルとグレンはカインの自信のなさが、どんな理由からなのか解らないが、今追求すべき内容ではないと考えにいたり。

魔王アルフレッドに頼まれた、瞳の譲渡の場所について考える事にした。


カインの足の火傷も範囲を教えると、綺麗に治していた。
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