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第2幕
対策の思案
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アベルとグレンは気絶させてしまったカインに申し訳なく思いながらも、カインが目覚めるまでに話し合った。
「会わせたくないけど…。あの女に今のカインを会わせたらどうなると思う?」
「ディアンナだと思うよな。違和感持ちながら混乱するよな」
「そうだね。まさかディアンナ嬢の手を振り払うとは思わなかったよ」
ディアンナの表情思い出しアベルはディアンナには悪い事をしたなと思い呟いた。
「そういえば、カインは魔力で判別してるよね?グレンとディアンナ嬢の魔力の性質は似てるから、グレンの魔力と似ているディアンナ嬢だとわかって貰えないかな?」
「そうだな。わかってくれるかもだけど…。今の状態のカインをディアンナに会わせるのは、カインにもディアンナにもいいとは思えないんだよな」
アベルとグレンが話し合っていると、カインは目覚めた。
「大丈夫かい?」
アベルに心配気に尋ねられ、カインは苦笑し首筋に手を触れ擦りながら。
「流石に同日に2度は痛いな」
「ごめんな。俺は焦って手加減しなかったから」
グレンは頭下げた。カインは「気にしなくいい」と言って、表情曇らせ俯いた。
「……私は、ディアを悲しませた?」
「そうだね。それは僕が会わせたからだから、僕にも否があるよ」
「落ち込むなって!ディアンナもわかってくれてるからな。カインに聞きたいんだけど、ディアンナの好きな所を全部教えてくれない?」
カインは落ち込みながらも、顔を上げ問われた事を話し始めた。
「声が好きだな。癒やされるし、可愛いくていつでも聞いていたい。柔らかい雰囲気も好きだ。優しさと強さも持つ瞳も好きだ…見えないのは残念だが。笑顔が好きだな、笑いかけてくれると嬉しいと思う。家族愛と言えば伝わるか?家族を大事にしているのも好きだな、グレンと仲良く話してる姿が好きだ。後は……」
カインがディアンナを思い浮かべ答えていき、他にもあるが言葉として伝えるのに悩み言葉に詰まっていた。
「ディアンナ嬢は、もういないんですね?後は、極端に言えば体が好きですよね?正確に言うと、筋肉の付き方好きで触れて肌で筋肉の動きを感じたいですよね?」
ウィリアムは戻って来たかと、思うと保険室内を見回しディアンナがいない事に気づき。カインが語らなかった事を話した。
「な、何で!?」
慌てるカインにウィリアムは呆れた溜息吐き。
「見た目が変わっても中身は変わってないんですね。この人は筋肉フェチです…筋肉好きと言えばわかりやすいですね」
「ディアンナにそんな筋肉ついてないと思うけど?」
「…カインは答えないんですか?グレンの父親は騎士団長でしたね、ディアンナ嬢は一般的な令嬢よりは幼少期にグレンを慕い同じ様にしようとしていませんでしたか?」
ウィリアムはカインが答えないので代わりに答えていた。
「うん。ついて来ようとしてたな」
「先日の歌と踊りの時の事ですが、私の妹もカインの妹も近くにいて応援して見ていてくれるタイプです。もちろん、可愛いので問題はありません…って話しそれました。カインがたまに触れたいって言う理由です」
「つまりは、ディアンナ嬢は一般的な令嬢と筋肉の付き方が違うという事になるね?」
アベルは何かを考え黙り込んでしまっていた。
「ウィリアム!いい加減にしてくれ。人の性癖を晒すな!!」
「わかりやすい貴方が悪いんですよ。調べて来た私にそんな事言うんですか?」
「ん?何を調べてきたんだ?」
グレンに問われ、ウィリアムはカインの言葉は聞き流すことにした。
「あのヒロインの魔力量は、それほど多くないと思うのに、魔王もそうですけどカインを魅了するのは可笑しいと思いませんでしたか?」
「その顔は、今気づきましたね?魔力量が足りない魔法を使うには魔道具で補いますよね?魔道具もしくは、他の強い何かが必要になります。魅了について書かれた書物は少なかったんですが、魔力量を補助し魔力量に伴わない魔法を使う代償が大きい程に効果は高くなります。という訳で、ヒロインは何を使用していると思いますか?」
ウィリアムの説明にアベルは眉を顰めていた。
「最大の代償なら生命力だね。抗う相手を魅了続けるなんて、代償が大きすぎると思うけど…まさか馬鹿なのか?」
「無意識に使用しているとしたら?ヒロインは魅了している事実も魅了の方法すら理解してませんでしたよね?」
「そうか。だが、こんな状態で途中で術師が消えたらカインはどうなる…中途半端な魅了が解けない可能性もあるよね」
ウィリアムは笑み向け頷いた。
「どうなるかはわかりませんが、可能性としてはあります。こんな事、他国の王族と側近候補に言いたくはないんですが、アベルとグレンはカインが絡むと正常に思考出来てませんね?冷静なら2人共、答えにいきつけていたと思います」
ウィリアムの言葉に、アベルもグレンも言い返す言葉はなかった。
ヒロインが現れて魔王が魅了されてから、カインの目が見えなくなった辺りからの事を思い返していた。
「貴方が人の性癖を他者に曝すとは思いませんので、気楽に曝す事が出来ます」
「本当、相変わらずいい性格してる」
ウィリアムの言葉にカインは苦笑い浮かべていた。
明確な解決策は浮かばないが、行動の方向性が決まりアベルとグレンは2人は目で語り頷いた。
「会わせたくないけど…。あの女に今のカインを会わせたらどうなると思う?」
「ディアンナだと思うよな。違和感持ちながら混乱するよな」
「そうだね。まさかディアンナ嬢の手を振り払うとは思わなかったよ」
ディアンナの表情思い出しアベルはディアンナには悪い事をしたなと思い呟いた。
「そういえば、カインは魔力で判別してるよね?グレンとディアンナ嬢の魔力の性質は似てるから、グレンの魔力と似ているディアンナ嬢だとわかって貰えないかな?」
「そうだな。わかってくれるかもだけど…。今の状態のカインをディアンナに会わせるのは、カインにもディアンナにもいいとは思えないんだよな」
アベルとグレンが話し合っていると、カインは目覚めた。
「大丈夫かい?」
アベルに心配気に尋ねられ、カインは苦笑し首筋に手を触れ擦りながら。
「流石に同日に2度は痛いな」
「ごめんな。俺は焦って手加減しなかったから」
グレンは頭下げた。カインは「気にしなくいい」と言って、表情曇らせ俯いた。
「……私は、ディアを悲しませた?」
「そうだね。それは僕が会わせたからだから、僕にも否があるよ」
「落ち込むなって!ディアンナもわかってくれてるからな。カインに聞きたいんだけど、ディアンナの好きな所を全部教えてくれない?」
カインは落ち込みながらも、顔を上げ問われた事を話し始めた。
「声が好きだな。癒やされるし、可愛いくていつでも聞いていたい。柔らかい雰囲気も好きだ。優しさと強さも持つ瞳も好きだ…見えないのは残念だが。笑顔が好きだな、笑いかけてくれると嬉しいと思う。家族愛と言えば伝わるか?家族を大事にしているのも好きだな、グレンと仲良く話してる姿が好きだ。後は……」
カインがディアンナを思い浮かべ答えていき、他にもあるが言葉として伝えるのに悩み言葉に詰まっていた。
「ディアンナ嬢は、もういないんですね?後は、極端に言えば体が好きですよね?正確に言うと、筋肉の付き方好きで触れて肌で筋肉の動きを感じたいですよね?」
ウィリアムは戻って来たかと、思うと保険室内を見回しディアンナがいない事に気づき。カインが語らなかった事を話した。
「な、何で!?」
慌てるカインにウィリアムは呆れた溜息吐き。
「見た目が変わっても中身は変わってないんですね。この人は筋肉フェチです…筋肉好きと言えばわかりやすいですね」
「ディアンナにそんな筋肉ついてないと思うけど?」
「…カインは答えないんですか?グレンの父親は騎士団長でしたね、ディアンナ嬢は一般的な令嬢よりは幼少期にグレンを慕い同じ様にしようとしていませんでしたか?」
ウィリアムはカインが答えないので代わりに答えていた。
「うん。ついて来ようとしてたな」
「先日の歌と踊りの時の事ですが、私の妹もカインの妹も近くにいて応援して見ていてくれるタイプです。もちろん、可愛いので問題はありません…って話しそれました。カインがたまに触れたいって言う理由です」
「つまりは、ディアンナ嬢は一般的な令嬢と筋肉の付き方が違うという事になるね?」
アベルは何かを考え黙り込んでしまっていた。
「ウィリアム!いい加減にしてくれ。人の性癖を晒すな!!」
「わかりやすい貴方が悪いんですよ。調べて来た私にそんな事言うんですか?」
「ん?何を調べてきたんだ?」
グレンに問われ、ウィリアムはカインの言葉は聞き流すことにした。
「あのヒロインの魔力量は、それほど多くないと思うのに、魔王もそうですけどカインを魅了するのは可笑しいと思いませんでしたか?」
「その顔は、今気づきましたね?魔力量が足りない魔法を使うには魔道具で補いますよね?魔道具もしくは、他の強い何かが必要になります。魅了について書かれた書物は少なかったんですが、魔力量を補助し魔力量に伴わない魔法を使う代償が大きい程に効果は高くなります。という訳で、ヒロインは何を使用していると思いますか?」
ウィリアムの説明にアベルは眉を顰めていた。
「最大の代償なら生命力だね。抗う相手を魅了続けるなんて、代償が大きすぎると思うけど…まさか馬鹿なのか?」
「無意識に使用しているとしたら?ヒロインは魅了している事実も魅了の方法すら理解してませんでしたよね?」
「そうか。だが、こんな状態で途中で術師が消えたらカインはどうなる…中途半端な魅了が解けない可能性もあるよね」
ウィリアムは笑み向け頷いた。
「どうなるかはわかりませんが、可能性としてはあります。こんな事、他国の王族と側近候補に言いたくはないんですが、アベルとグレンはカインが絡むと正常に思考出来てませんね?冷静なら2人共、答えにいきつけていたと思います」
ウィリアムの言葉に、アベルもグレンも言い返す言葉はなかった。
ヒロインが現れて魔王が魅了されてから、カインの目が見えなくなった辺りからの事を思い返していた。
「貴方が人の性癖を他者に曝すとは思いませんので、気楽に曝す事が出来ます」
「本当、相変わらずいい性格してる」
ウィリアムの言葉にカインは苦笑い浮かべていた。
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