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第2幕
想いの確認
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「私はディアが好き。だが、ディアだとあの女を抱きしめてた…。ディアとキャシー以外の女性には触れたくもないんだ。あの時は違和感あったのにキスを請われ可愛いって思ってた」
「カイン、落ち着いて。ディアンナ嬢と今、会って確認してみるかい?」
「ディアを傷つけたくない」
「そうだね。でも、どこまで魅了されているのか確認も大事な事だよ?魔王アルフレッドの魅了とは違うから」
カインは今会うのは嫌だと拒絶するが、アベルとグレンも一緒にいるから確認したいと言われ了承した。
アベルはグレンにディアンナとキャンディスを連れて来るように頼み、ディアンナにはカインの態度がおかしくても傷つかない様に連れて来がてら説明をしてと伝えてた。
ウィリアムは調べる事があるからとグレンに続き保健室を出ていった。
「辛い選択をさせて、すまないね」
「私は大丈夫だ。ディアが傷つかないなら」
予想以上に早くグレンは2人を連れて戻って来た。
「お兄様、何があったんですの?」
「カイン様、大丈夫ですか?」
何も言わないカインにアベルは予測をし、カインに問う前にディアンナに先に声をかけていた。
「ディアンナ嬢はグレンから説明はされているね?カインに何を言われても傷つかないで欲しい」
「はい、聞いています。大丈夫です」
ディアンナに確認が出来て、アベルがカインに問いかけた。
「カインは今入ってきた2人が誰かわかるかな?」
「キャシーがいる。もう一人はわからない、ディアは?声は聞こえるのにディアがいない。ディアは会いたくない程怒っているのか?」
「カイン様、私はここにいますわ」
ディアンナが声をかけ心配し近づき手に触れようとしたが、その手はカインに振り払らわれた。
「触るな!ディアの声はするのにディアがいない?」
カインは声が聞こえる方を確認するもいないと切なげに言葉にした。
「お兄様!ディアンナ様はここにいますわ」
「どこだ?キャシー。ディアはどこにいる?」
近くにいたキャンディスの手を掴み必死に尋ねた。
「ディアは私に会いたくないのか?ディアに嫌われてしまったのか?」
「カインはディアンナの声はわかるんだよな?いるのに見えて…じゃないな、わからないってことか?」
グレンがディアンナに呼びかけるカインの様子に首を傾げていた。
「見えない事での予想外の魅了だね。カイン、よく見て。今、この部屋に何人いるかな?」
「何人って、4人目の前にいるが。アベル、グレン、キャシーと誰かがいる。そんな事よりもディアは?」
「……カイン様」
ディアンナは声を震わせ泣きそうな声色でカインの名を呟いた。
「泣きそうに私を呼んでる、ディアどこにいる?」
声のする方を見ても解らずに、部屋の外にいるのかとベットから降りて探しに行こうとしたカインをアベルは制止した。
「カイン、駄目だよ。ディアンナ嬢はここにいるよ。グレンの隣にいるよ」
「どこだ?違うディアじゃない、ディアに会いたい触れたい」
混乱し今にも探しに行こうとするカインを、アベルは「ごめんね」と手刀でカインを気絶させた。
「ディアンナ嬢もごめんね。カインは必ず元に戻すから」
アベルは、ディアンナに謝罪をしキャンディスと退室して貰いグレンと2人になった。
「カインは魔力で人の判別をしているんだよね?どうしたら、いいかな…」
「魔王は正常に戻ってきてるんだよな?同じことしたらいいんじゃないか?」
「魔王は婚約者がいると理解しつつあの女に心奪われたんだよ。婚約者を想う気持ちを奪われたから、婚約者の姿絵を見せて、心奪われたが好きな理由は婚約者への想いだったから、それを少しずつ理解させていたんだ」
「カインの状態と違うな。カインは声に違和感あったとか言ってたよな?つまり、カインにとってのディアンナは声はディアンナだけど魔力感知してディアンナと見てるのはあの女ってことか?」
グレンは頭を抱え悩んだ。
「面倒くさい事をしてくれるよ。魔王もカインも婚約者に対する溺愛が強いんだよね。僕やグレンなら、婚約者に悪いけどここまでじゃなかったんたんだけどね?エドワードの場合は惚薬か変に作用してたから無事だったけど」
「魅了も呪いの一種だよな?術師殺せば解呪されたりはしないか?」
「魔王なら、解呪されるかもしれないけど。カインは難しいかもね?」
アベルは意識のないカインを見て解決策に頭を悩ませた。
「カインがディアンナに惚れた切欠を再現して、もう一度ディアンナに惚れてもらうとか?」
「惚れた理由は覚えてないの?僕らだよ、義兄弟になれる。グレンの妹なら性格もいいからシスコンでも受け入れてくれる。見た目も好みだった。会ったら声も好みで会って一目惚れだった、って感じだったよね?」
グレンは思い出し頷いた。
「そんな僕らが、声のディアンナと見た目というか魔力?のあの女に対する態度が異なりすぎると混乱させちゃうと思うんだよね。カインが目覚めたら、ディアンナ嬢への想い語ってもらって、考えよう」
「カイン、落ち着いて。ディアンナ嬢と今、会って確認してみるかい?」
「ディアを傷つけたくない」
「そうだね。でも、どこまで魅了されているのか確認も大事な事だよ?魔王アルフレッドの魅了とは違うから」
カインは今会うのは嫌だと拒絶するが、アベルとグレンも一緒にいるから確認したいと言われ了承した。
アベルはグレンにディアンナとキャンディスを連れて来るように頼み、ディアンナにはカインの態度がおかしくても傷つかない様に連れて来がてら説明をしてと伝えてた。
ウィリアムは調べる事があるからとグレンに続き保健室を出ていった。
「辛い選択をさせて、すまないね」
「私は大丈夫だ。ディアが傷つかないなら」
予想以上に早くグレンは2人を連れて戻って来た。
「お兄様、何があったんですの?」
「カイン様、大丈夫ですか?」
何も言わないカインにアベルは予測をし、カインに問う前にディアンナに先に声をかけていた。
「ディアンナ嬢はグレンから説明はされているね?カインに何を言われても傷つかないで欲しい」
「はい、聞いています。大丈夫です」
ディアンナに確認が出来て、アベルがカインに問いかけた。
「カインは今入ってきた2人が誰かわかるかな?」
「キャシーがいる。もう一人はわからない、ディアは?声は聞こえるのにディアがいない。ディアは会いたくない程怒っているのか?」
「カイン様、私はここにいますわ」
ディアンナが声をかけ心配し近づき手に触れようとしたが、その手はカインに振り払らわれた。
「触るな!ディアの声はするのにディアがいない?」
カインは声が聞こえる方を確認するもいないと切なげに言葉にした。
「お兄様!ディアンナ様はここにいますわ」
「どこだ?キャシー。ディアはどこにいる?」
近くにいたキャンディスの手を掴み必死に尋ねた。
「ディアは私に会いたくないのか?ディアに嫌われてしまったのか?」
「カインはディアンナの声はわかるんだよな?いるのに見えて…じゃないな、わからないってことか?」
グレンがディアンナに呼びかけるカインの様子に首を傾げていた。
「見えない事での予想外の魅了だね。カイン、よく見て。今、この部屋に何人いるかな?」
「何人って、4人目の前にいるが。アベル、グレン、キャシーと誰かがいる。そんな事よりもディアは?」
「……カイン様」
ディアンナは声を震わせ泣きそうな声色でカインの名を呟いた。
「泣きそうに私を呼んでる、ディアどこにいる?」
声のする方を見ても解らずに、部屋の外にいるのかとベットから降りて探しに行こうとしたカインをアベルは制止した。
「カイン、駄目だよ。ディアンナ嬢はここにいるよ。グレンの隣にいるよ」
「どこだ?違うディアじゃない、ディアに会いたい触れたい」
混乱し今にも探しに行こうとするカインを、アベルは「ごめんね」と手刀でカインを気絶させた。
「ディアンナ嬢もごめんね。カインは必ず元に戻すから」
アベルは、ディアンナに謝罪をしキャンディスと退室して貰いグレンと2人になった。
「カインは魔力で人の判別をしているんだよね?どうしたら、いいかな…」
「魔王は正常に戻ってきてるんだよな?同じことしたらいいんじゃないか?」
「魔王は婚約者がいると理解しつつあの女に心奪われたんだよ。婚約者を想う気持ちを奪われたから、婚約者の姿絵を見せて、心奪われたが好きな理由は婚約者への想いだったから、それを少しずつ理解させていたんだ」
「カインの状態と違うな。カインは声に違和感あったとか言ってたよな?つまり、カインにとってのディアンナは声はディアンナだけど魔力感知してディアンナと見てるのはあの女ってことか?」
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「面倒くさい事をしてくれるよ。魔王もカインも婚約者に対する溺愛が強いんだよね。僕やグレンなら、婚約者に悪いけどここまでじゃなかったんたんだけどね?エドワードの場合は惚薬か変に作用してたから無事だったけど」
「魅了も呪いの一種だよな?術師殺せば解呪されたりはしないか?」
「魔王なら、解呪されるかもしれないけど。カインは難しいかもね?」
アベルは意識のないカインを見て解決策に頭を悩ませた。
「カインがディアンナに惚れた切欠を再現して、もう一度ディアンナに惚れてもらうとか?」
「惚れた理由は覚えてないの?僕らだよ、義兄弟になれる。グレンの妹なら性格もいいからシスコンでも受け入れてくれる。見た目も好みだった。会ったら声も好みで会って一目惚れだった、って感じだったよね?」
グレンは思い出し頷いた。
「そんな僕らが、声のディアンナと見た目というか魔力?のあの女に対する態度が異なりすぎると混乱させちゃうと思うんだよね。カインが目覚めたら、ディアンナ嬢への想い語ってもらって、考えよう」
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