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第2幕
本来とは違う風貌
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「あの、今時間ありますか?」
カインが1人で歩いていると、いつも見られているだけだった人物から声をかけられた。
見知らぬ人だったが、何か用事があるのだろうとカインは「問題ない」と答えると近くの空き教室に入った。
「私に何か用事か?」
教室に入ったはいいが、何も言わずに時間もたった為カインは尋ねた。
「私、クラウディアって言います」
名を名乗られても記憶になく、何の話しなのだろうとカインは続く言葉を待った。
「あの、私。気づいたらここにいて知り合いが誰もいなくて、事情が合って何人かの人との接触を禁止にされているんです。そのせいもあって他の人からも避けられて、私と仲良くしてくれませんか?」
カインはディアンナとキャンディス以外の女性と親しくするつもりもなく「断る」そう告げようとしたが、言葉になることはなかった。
「ダメですか?編入して1人で学園にいるのは寂しいんです。アナタも1人が多いなと見ていました」
カインは断りその場を後にしたいが動けずに、最愛の婚約者のディアンナを思い浮かべ断ろうとしていた。
「…ディアが悲しむ事はしない……」
「はい、ディアは私の愛称です」
「君がディア?」
「はい、そう呼んでください。実は、素敵な人だなって思って見てたので嬉しいです」
「ディアにそう言われると嬉しい」
カインは違和感抱きつつも、ディアと名乗る目の前の相手を抱き寄せた。
「えっ、あの…照れるんですけど?」
「可愛い私の最愛のディア」
「一目惚れってヤツですか?」
「そうだな。私はディアに一目惚れした。声も可愛い…喉痛めているのかい声が違う?」
カインは抱きしめていた手を喉元を優しく撫で、奏でる唇へと手を滑らせ唇なぞり
「平気です。あの、私の恋人になってくれますか?なってくれるならキスして欲しいです」
「ディアが望むなら」
カインは優しく微笑み向け触れるだけの口づけをすると、強請るように抱きつかれ引き寄せ啄むように口づけ徐々に深く口づけていた。
「探したんだからな、こんな教室で何して……って!本当に、何してるの?」
グレンが先に入り慌てているとアベルも何事かと教室の中を見て、相手の子を確認し急ぎ間に割って入り引き離した。
「近づくなと言ったよね?」
低音で冷ややかな声を出すアベルと引き離されたカインを更に離す為にグレンはカインを引っ張った。
「カインは何してんの?」
悲しそうに焦りながらも問われカインは首を傾げた。
「ディアが…」
カインが説明しようと言葉にした名をグレンは否定した。
「アイツはディアンナじゃない!」
混乱し頭を抱えるカインをグレンが宥めていた。
「えっ?えっ??アベルとグレンがいて、カインって…カインはヒョロい魔術師だよね?」
「何を言ってるのかな?彼がカインだよ。カイン・ファーロングで、僕の側近候補で将来の義兄でグレンの妹の婚約者」
カインは頭を抱え悩んでいたが、怒っているアベルを止める為に動いていた。
「待て、アベル。ディアが怯える」
カインの言葉にアベルはクラウディアを睨みつけ
「カインの目が見えないのをいい事にディアンナ嬢だと言ったのかい?」
「ち、違う。カインだなんて知らない。誰とも話せなくて1人は寂しかったから、声かけたら優しくしてくれて…」
「言ったはずだよ。攻略対象には近づくなと、婚約者への愛情を奪うなって言ったよね?」
カインはアベルが怒っている理由は解らないが、止めようとグレンに抑えつけられながらもグレンを振り払おうとし、「ゴメン」グレンは謝り手刀で気を失わせた。
「カインを誘惑するとは思わなかったな。お前バカだろ?俺もアベルもカインを傷つける奴は許さないからな!」
グレンはカインを背負い、アベルだけを残す事も危ないと思い、騒ぎを聞きつけて駆けつけた学園の教師に頼み、アベルと共に教室を後にした。
カインを保健室へと運び寝かせた。
カインが1人で歩いていると、いつも見られているだけだった人物から声をかけられた。
見知らぬ人だったが、何か用事があるのだろうとカインは「問題ない」と答えると近くの空き教室に入った。
「私に何か用事か?」
教室に入ったはいいが、何も言わずに時間もたった為カインは尋ねた。
「私、クラウディアって言います」
名を名乗られても記憶になく、何の話しなのだろうとカインは続く言葉を待った。
「あの、私。気づいたらここにいて知り合いが誰もいなくて、事情が合って何人かの人との接触を禁止にされているんです。そのせいもあって他の人からも避けられて、私と仲良くしてくれませんか?」
カインはディアンナとキャンディス以外の女性と親しくするつもりもなく「断る」そう告げようとしたが、言葉になることはなかった。
「ダメですか?編入して1人で学園にいるのは寂しいんです。アナタも1人が多いなと見ていました」
カインは断りその場を後にしたいが動けずに、最愛の婚約者のディアンナを思い浮かべ断ろうとしていた。
「…ディアが悲しむ事はしない……」
「はい、ディアは私の愛称です」
「君がディア?」
「はい、そう呼んでください。実は、素敵な人だなって思って見てたので嬉しいです」
「ディアにそう言われると嬉しい」
カインは違和感抱きつつも、ディアと名乗る目の前の相手を抱き寄せた。
「えっ、あの…照れるんですけど?」
「可愛い私の最愛のディア」
「一目惚れってヤツですか?」
「そうだな。私はディアに一目惚れした。声も可愛い…喉痛めているのかい声が違う?」
カインは抱きしめていた手を喉元を優しく撫で、奏でる唇へと手を滑らせ唇なぞり
「平気です。あの、私の恋人になってくれますか?なってくれるならキスして欲しいです」
「ディアが望むなら」
カインは優しく微笑み向け触れるだけの口づけをすると、強請るように抱きつかれ引き寄せ啄むように口づけ徐々に深く口づけていた。
「探したんだからな、こんな教室で何して……って!本当に、何してるの?」
グレンが先に入り慌てているとアベルも何事かと教室の中を見て、相手の子を確認し急ぎ間に割って入り引き離した。
「近づくなと言ったよね?」
低音で冷ややかな声を出すアベルと引き離されたカインを更に離す為にグレンはカインを引っ張った。
「カインは何してんの?」
悲しそうに焦りながらも問われカインは首を傾げた。
「ディアが…」
カインが説明しようと言葉にした名をグレンは否定した。
「アイツはディアンナじゃない!」
混乱し頭を抱えるカインをグレンが宥めていた。
「えっ?えっ??アベルとグレンがいて、カインって…カインはヒョロい魔術師だよね?」
「何を言ってるのかな?彼がカインだよ。カイン・ファーロングで、僕の側近候補で将来の義兄でグレンの妹の婚約者」
カインは頭を抱え悩んでいたが、怒っているアベルを止める為に動いていた。
「待て、アベル。ディアが怯える」
カインの言葉にアベルはクラウディアを睨みつけ
「カインの目が見えないのをいい事にディアンナ嬢だと言ったのかい?」
「ち、違う。カインだなんて知らない。誰とも話せなくて1人は寂しかったから、声かけたら優しくしてくれて…」
「言ったはずだよ。攻略対象には近づくなと、婚約者への愛情を奪うなって言ったよね?」
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「カインを誘惑するとは思わなかったな。お前バカだろ?俺もアベルもカインを傷つける奴は許さないからな!」
グレンはカインを背負い、アベルだけを残す事も危ないと思い、騒ぎを聞きつけて駆けつけた学園の教師に頼み、アベルと共に教室を後にした。
カインを保健室へと運び寝かせた。
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