転生したら性別までも変わっていて、可愛い妹までいて幸せだけど。まさかの妹が悪役令嬢！？

第２幕

グレンの後悔

「１人でいるのは珍しいですね？」

ウィリアムは１人で教室にいるグレンに声をかけた。

「アベルは？」

「まだ、やる事があるので忙しく動いてます」

ウィリアムはグレンの近くに腰かけた。

「カインの事で落ち込んでるんですよね？」

グレンは俯き何も答えなかった。ウィリアムは気休め程度にでもなればと思い語り始めた。

「カインは自分自身が傷つくよりも目の前で誰かが傷つく事を好みませんでした。その結果、大事なはずの家族を悲しませた事を後悔していました。だから、転生した今は大事な友を、大事な人がいる国を守った事には後悔はしていないと思います。それに、最近見かけませんから前向きに努力をしていると思います。カインを信じて側にいてあげてください」

グレンは顔を上げ、最近見かけていない事に言われて気づいた。
普通なら見えないから、出歩かないだけで会わないだけだと思うが、カインの性格を考えるとそんな事はないと言いきれる。

「…本当に、カインを理解してるんだな」

「カインが単純なだけです。貴方が落ち込んでいるとユリの笑顔も曇ってしまうので、早くいつものグレンに戻ってください」

「ウィリアムもカインに負けないシスコンだな」

からかう様に笑い、グレンは落ち込んでられないと気持ちを切替る事にした。