転生したら性別までも変わっていて、可愛い妹までいて幸せだけど。まさかの妹が悪役令嬢!?

にゃんこ

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第1幕

暴走する行動

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グレンはカインに呼び出され誰もいない教室に来ていた。

「なになに?」

ポケットから液体の入った小瓶出され見せられ

「惚薬作った。これで嫌な感情なくせるから」

簡単に作れる様な代物ではなく、嫌な感情なくせると言いながらも小瓶の中身を飲もうとするカインに慌てて状況を理解しようと飲むのを止めさせ。

「飲んだら数分意識失い、目覚めた時に最初に見た人を好きになれる。グレンの事は大事な友達だから好きになっても嫌な感情にはならないから大丈夫だ」

説明だけし、戸惑いもせずに飲み干し意識失いカインは倒れ。

グレンは慌てながらも、目覚めた時に最初に見た人を好きになれると言う言葉を思い出し、ハンカチでカインを目隠し。

慌てるグレンの声が聞こえたのか廊下から声をかけられ開かれた扉に焦りながらも。
「アベルを今すぐにここに呼んできて!お願い早く!!」

数分意識失うと言われていたから、まだ大丈夫だと思い気をつけながらも窓のカーテンを全部閉め外に誰かがいても見えない様にし、目覚めて目隠しのハンカチを取らないように意識のないカインに謝りながら両手を後ろ手に結び。

アベルが来てくれてもアベル以外が入室しないように扉に鍵をかけ、アベルを待ち。

「…グレン!?」

意識覚醒し見えない視界と後ろ手に拘束された事を理解したカインはいるはずのグレンの名を呼んだ。

「起きたんだな。そんな拘束は簡単に解けると思うけど、大人しくして!アベルも呼んでるから」

見えない視界の中、安堵と悲しそうな声にカインは頷いた。

「ごめんな。でも、何でこんな事したの?そんなに悩まないで相談しろって言ったよな?」

「ああ。だから、グレンを呼んだ」

グレンが意味が違うと否定しようとしていると、扉がガチャガチャと音を立て

「グレンいるんだよね?焦って呼んでるって聞いたんだけど、何で鍵かけてるの?」

「アベルだけ入って欲しいから、他の人がいるなら入って欲しくなかったから…」

グレンは鍵を開けアベルだけ部屋に入れるとすぐに鍵をかけた。
アベルは目隠しされ手を拘束されているカインに驚きグレンをカインが見えていない事を理解し睨みつけた。

「カインは目隠し取らないって約束してくれるなら手の拘束は外すから」

カインは頷き、自分で外そうとするよりも早くアベルが拘束を解いてくれた。

グレンは呼び出されてから、アベルが来るまでの事を説明した。

「状況は理解したよ。一人で悩まないでって言ったよね?」

グレンとアベルに同じ言葉を言われ嬉しそうに口角緩ませ。

「言われた。だから、グレンを呼んだ」

「いやいや。呼ばれて説明なしに飲もうとしてたよな?説明後にはすぐに飲むし、相談って言わないからな!」

焦るグレンの肩にアベルは手を置き落ち着かせ。

「色々聞きたいけど。どうして、僕じゃなくてグレンを選んだのかな?」

グレンは焦っていたのを落ち着かせアベルの言葉を聞き、選ばれなかった事への不満を先に聞くのかと呆れながらもカインの前だから大人しくしていた。


「アベルはキャシーの婚約者だから」

「そう。キャンディス嬢の事がなければ僕でも良かったんだね。解毒薬はあるんだろ?まずは解毒しようね」

沈黙するカインにアベルは優しい口調で言いながらも威圧した。

「早く解毒しようね。あるよね?どんな薬でも効果を強めるには解毒薬を作る事が1番だから。カインが効果薄い薬を作る訳がないよね」


カインは渋々ポケットから、先程の液体よりも少し濃い目の小瓶を出した。

「解毒方法は?ただ飲めば良い訳じゃないよね?」

グレンはアベルを呼んで良かったと安堵しつつ、アベルに任せる事にした。

「……惚薬の効果が出る前にしか解毒は出来ない」

「そう。惚薬の効果は出てないよね?見えていないから」

「解毒薬を…口移しに飲ませる」

アベルは頭を抱えた。解毒方法が大変な程に薬の効果は強くなるから。

「解毒薬、貸して。飲ませてあげるからね」

解毒薬を持つカインの手からアベルは受け取ろうするが、激しくカインに拒否られた。

「駄目だ。アベルがしたらキャシーが悲しむから」

「僕はこんな事を相談もしないのが悲しいよ」

カインは沈黙し、謝罪の意味も込めて頭を下げた。

「グレン、飲ませてあげて。1滴も零さずに飲ませて解毒するんだよ」

優しい口調だか、表情はカインが見えていないからと隠しもせずにアベルはグレンを見ていた。

「…いいのか?触れるだけの口づけじゃないんだからな」

惚薬飲んで惚れようとした奴の台詞なのかとグレンは笑い、

「大人しくして口開けろよ?1滴も零さず飲んで解毒しろよ」

グレンは解毒薬を受け取り口に含みカインの後頭部を引き寄せ零さない様にゆっくりと飲ませた。


「全部飲んだね、カイン。効くまでどの位かかるのかな?」

10分程だと答えられ、確実性も求め30分は目隠しを外さずに話しをしようとなった。

「僕達が怒ってるのは解るよね?」

カインは頷き。アベルは優しく微笑むとカインの頭を撫で。

「ここまでする程に悩んでいた事に気づけなくて悪かった。僕達はカインの味方だよ、何があっても。カインが悪い事をしたら止めてあげるし、一緒に罪を受けとめるから一人で悩まないで相談してね」

「うんうん。相談しろよ、今回みたいに暴走しての相談じゃないからな?なあ、アベルが言ってた言葉覚えてるか?同じ想いを返せないのも辛いんだからな!俺らはカインの事は大事な友達だから、一人で悩むなよ。いつでも相談にのるからな!」

カインは拳握りしめ肩を震わせた。

「私が間違ったんだな」

「気にすんな。次に相談してくれるなら」

「反省もしたみたいだから、いくつか言いたい事があるんだけどいいかな?」

カインとグレンは頷き、アベルの言葉を待った。

「まずは、この惚薬の効果がいつまで続くのかもあるんだけど…作り方はメモとかに残していたりするのかな?」

グレンは万が一悪用された場合を考えての質問に尊敬の眼差し向けるも、アベルはそんな様子を微笑し眺め。

「自分で服用するなら生涯、他人に服用させるようには作ってない。一切記載してない。流通したら大変だとは思ったから…。覚えているから作れと言われたら作れるが、まさか欲しいのか?」

「いるわけないよね。一切記載してないなら安心だね。…もう1つ、言いたい事というか覚えておくんだよ?カインが相談もしないで僕達を悲しませるなら、僕はキャンディス嬢との婚約破棄するからね?キャンディス嬢には僕がいないと生きられないと思える様にして婚約破棄するから、覚えておくんだよ?」

「駄目だ!キャシーは関係ない」

「そうだね。でも、相談も出来ない程の僕に大事な妹は任せられないよね?」

「…わかった。相談するからキャシーは大事にして欲しい」

話しを終えて時間もいい具合に過ぎたからと、カインの目隠しを外そうという事になるが万が一の事をと目隠しを外した後はアベルを見ると約束させた。



「アベル…お前怖すぎだろ?もしも解毒出来なくてアベルに惚れたらキャンディス嬢を恋敵にしろって、カインに同情したんだけど」


目隠し外し何事もなく終えて、グレンは呆れつつ、カインは一人では悩まないと2人に告げた。


「あっ!」

思い出したように声に出すカインに2人が何かと耳を傾けた。

「キスしたの初めてだったけど、悪くなかったなって…」

「俺も初めてだったけど、そこは深く考えなくていいと思うからな」

「…僕だけ仲間外れにするんだね?僕ともしよう、カイン」

「断る。アベルの初めてはキャシーのだから」


相変わらずのシスコンにアベルもグレンも笑い、カインの暴走は何事もなく終えた。

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