転生したら性別までも変わっていて、可愛い妹までいて幸せだけど。まさかの妹が悪役令嬢!?

にゃんこ

文字の大きさ
上 下
20 / 88
第1幕

迷走する感情

しおりを挟む
カインは日々課題と学園での頼まれ事で忙しくしている間に、困ったことがあれば頼って来ていたアンリは何も言ってこなく、キャンディスと共にアベルと会ったり、グレン含む4人でいる姿を見かけた。


忙しかった間は前向きにしているのだとは思い、落ち着いてきた時に芽生え感情に気持ち悪さを感じたカインはアンリを避ける事に決めた。

カインの忙しさが落ち着いてもアンリがいる時に来なくなっていた事にアベルとグレンは違和感を感じ始めていた。


カインは妹以外の女性には必要以上に優しくした事はなかったから、アンリに対する行動は好意抱いてのはずだと、アベルもグレンも思っていた。



「なぁ、最近何かあった?」

いつも3人でいる教室でグレンはあまりにも不可解な行動のカインを尋ねた。

「何もない」

単調な返しにグレンはアベルに視線やりアイコンタクトをした。

「聞き方変えるけど、最近はなんで女の子に妹にしか向けてなかった笑顔向ける様になったんだ?」

返答もなく沈黙続き

「好きな子でも出来たのかい?」

アベルの質問には「いない」とだけど一言で返し

「感情の変化とか?」

何かあるはずだとアベルとグレンは聞きだし一人悩み抱えている友の手助けが出来ればと考えていた。


「感情の変化……?いらない、気持ち悪い」

反応を示すも否定される感情の変化に答えがあるはずだと、普段なら踏み込んで聞くことはしない2人だが頷き合い質問を続けた。

「一人で悩まないで俺らに頼っていいからな。頼りないかもだけど、相談にはのれるからさ」

「いらない感情なんてないよ。だから、僕達を頼って話して欲しいな」


2人の優しい言葉に気持ち悪く感じる感情を話し始めた。

「よく、わからないんだ…。ただ、ない方がいいって思える」

説明難しい感情に視線落とし首を横に振る様子に、アンリを避けている事に関係があるなと思い

「それって、恋愛感情とは違うの?」

「……違う。こんな感情が恋愛感情なんて思えない」

「ねぇ、例えば恋愛感情ってどんな事?僕もよくわからないけど。キャンディス嬢の事は婚約者として大事だよ」

切なげな笑み浮かべ、恋愛感情について話し始めた。

「…恋愛は、ドキドキしたりソワソワしたり視線が合えば嬉しくなったり、会えただけで幸せになれる」

「一般的にはそうかもね。でも、それだけじゃないのも恋愛だと思うよ」

「アベルは…キャシーをどう思ってるんだ?」

一般的には理解出来るが、解らずに溢れる感情に戸惑いを隠せず僅かに声震わせ

「キャンディス嬢の事は可愛いとは思うよ、僕を想ってくれてるのは理解はしていても同じ想いは返せないけど、僕を生涯支えて隣にいてくれるのはキャンディス嬢しかいないって思えるよ」

キャンディスへの思いに表情緩ませ、カイン自身の感情は恋愛じゃないと否定した。


「なぁ、今は何をどう思ってるんだ?否定するのはいいけど教えてくれると嬉しいんだけどな」


「…触れたい。話したいでも…会いたくないんだ。可愛いとは思っていたのに、泣き顔みたい泣かせたいなんて……そんなのは違う」

そんな想いもあるよと返そうとしたが、片目を覆うように俯き話し続けられ


「嫌なんだ。アベルに笑顔向けて嬉しそうに話す姿なんて見たくない、アベルの事は友人として尊敬もしている。アベルと婚姻なんてして欲しくない…そんな風に考えるのも嫌だ、こんな感情なんて気持ち悪いとしか思えないからいらない」


アベルは名指しされての内容に言葉に詰り

「あれ?キャンディス嬢の話だったか?」

驚き顔で瞳瞬かせ整理しようとグレンは尋ねた。

「違う、キャシーの話なんてしていない。キャシーは可愛い妹だ泣き顔なんてさせたくない」

「だよな。聞くけど、アンリ嬢の事で合ってるよな?なんで、アベルがアンリ嬢と婚姻すんの??」

カインは問われ、説明つかない感情をどう話せばいいか解らずに伝えても信じられない様な事を言った事を後悔し珍しくも狼狽えた。


「……落ち着いて。言えないなら聞かないから、アンリ嬢との婚姻はないよ。さっきも言ったけど生涯隣にいて欲しいのはキャンディス嬢だけだから」

アベルは、まさかのキャンディスへ本気で好意を抱いているのかと言う、勘違い出来る話から伝えられない内容と言われるも相手はアンリだと確信し。

「うん。そうそう、落ち着こう。一気に話すのも大変だよな?いつでも、俺らは話し聞くから一人で悩むなよ。友達だろ!」


狼狽え挙動不審ながらも、優しい友の言葉に嬉しく微笑し頷いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです

ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。 転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。 前世の記憶を頼りに善悪等を判断。 貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。 2人の兄と、私と、弟と母。 母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。 ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。 前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。

神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜

シュガーコクーン
ファンタジー
 女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。  その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!  「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。  素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯ 旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」  現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜

みおな
ファンタジー
 私の名前は、瀬尾あかり。 37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。  そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。  今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。  それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。  そして、目覚めた時ー

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

処理中です...