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第1幕

変化していく未来

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「アベルはキャシーの事を国の為の婚約者としか考えていないのか?」

「なになに?恋バナ…というか、妹の心配?」

問われた人よりも先にいつもの如く、会話に入り込むグレンをスルーして。

「そうだね。キャンディス嬢が一番適任だと思っている。カインの事は信頼している、これからも頼りにしているから。キャンディス嬢の事でカインの信頼を失いたくはないよ」

不満な思いを抱いていない事に理解し頷き。

「えっ?今の答えでいいの?妹可愛いなら好かれてるんだから、もっとデートとかして喜ばせろ!とかって思わないの??」

「喜ぶ事はして欲しいが、キャシーと2人で出かけるのはまだ早い駄目だな」

アベルは想定内の答えに納得し、理解出来ないと更に騒ぐグレン

「うるさい。グレンは自分の心配でもしていろ」

「えっ?何、カインが俺を気づかってくれるの。じゃあ、アンリ嬢を紹介してよ」

「断る」

即答するカインに不服げにねだるグレンをアベルは、恋愛感情がわからないという友人には良い傾向かも知れないなと何も言わずに見守っていた。

「じゃあ、勝手に仲良くなる!」

「殴るからな」

「無理無理、カインもアベルの騎士目指す俺よりも鍛え方可笑しいから!俺よりも強いなんて騎士目指す側として落ち込むんだからな!!」

カインはアベルと呆れたように顔を見合わせ首を横に振り

「そこ!本当に傷つくからな、せめて言葉で言えよな。アンリ嬢とカインの妹なら慰めてくれるかな…」

カインは魔法で大量の石つぶてを当たらないスレスレにぶつけ、
アベルは頬スレスレに魔法で氷の刃をぶつけた。

「当てないからいいって事じゃないからな!カインは解るけど、何でアベルまで??」

カインに攻撃はされるとは思っていたが、アベルからの予想外の攻撃に攻撃された事への不満はあるもいつもの事だから、気にしないグレンは学習しないなと呆れられながらも見られていた。

「キャンディス嬢は僕の婚約者だからね。近づいて欲しくないだけだよ」

「アベルってカインの妹の事に独占欲持ってたんだな?」

「そういえばグレンは何故、キャンディス嬢をカインの妹等と呼んでいるんだ?」

グレンはカインに視線やり苦笑し
「名前で呼んだらカインが怒るから…。今のアベルも怒らなさそうでも嫌そうにしそうなんだけどな?」

からかうようにアベルの方に視線向け
「それなら、今後も名前は呼ばずに視界にもいれないようにしておいてくれ」

アベルの言葉にカインは無言で頷いた。

「本当にお前ら2人とも友達の扱い酷いよな?手出して傷つけた訳じゃないのにさ」

カインとアベルは視線合わせ

「物理攻撃で鍛えなおせばいいか?」
「社会的地位の剥奪でもよくないか?」

「待て待て!冗談だよな?真顔で言うの辞めろよ、怖いから!!」


グレンは青ざめ慌て、カインとアベルは「さあな?」とだけ言い、慌てるグレンを見ていた。


グレンは内心、カインもアベルも恋愛感情を否定しつつも、過度な牽制は恋愛感情だろうと思っていたが教えるつもりなく適度にからかおうと思った。

その後すぐに、考えていたことがバレたのか小石と小さい氷塊が飛んで来た。
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